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第36話:魔王軍をぶっ飛ばす

『ゲッゲッゲッ、エルフの姫を回収したらあの村も襲うぞ』

『バドーガン様なら簡単に侵略できますぜ』


 魔王軍は撤退するような様子はない。

 村を目指して進んでくる。

 ということで、こちらの戦力を確認するわけだが……。


「村には一歩たりとも入れさせないぞ!」

「せっかく、生き神様とここまで発展させたんだ!」

「私たちの土地は自分たちで守りましょう!」


 領民たちは各々装備を身に着けている。

 <ゴーレムの金剛剣>に<魔法対無敵鎧>を着けていたら、もはや近接攻撃は無敵だろう。

 遠距離攻撃も<大賢者の杖・量産タイプ>、<ポータブル式バリスタ・試作タイプ>がたくさんあるから問題なさそうだ。

 空を飛んでいる敵も、<自動飛行のからくり馬車>に乗っていれば十分に倒せそうだな。


「さーって、久しぶりの超魔法じゃ! 何を使おうかの~! <エンシェント・ビックバン>か<エンシェント・メテオシューター>か……くうう、使いたい魔法がありすぎじゃ! 迷うの~!」


 ソロモンさんはここぞとばかりに、魔力を練りに練っている。

 周りの空間が歪むほどだ。


「ユチ様、私めが全ての敵を倒してまいります。さすれば、このクソ暗殺者は用無しということでよろしいですね?」

「なに~、用無しになるのはお前の方だぞ~」


 恐ろしく強い元Sランク冒険者のルージュと、最強の暗殺者〔ジェットブラック〕。

 互いに討伐した敵の数で勝負する取り決めを交わしていた。


『ユチ様、私の準備も完了いたしました。お望みとあれば、全ての敵を駆逐いたします』


 コユチも大人の姿になって戦闘態勢だ。

 口の端からコオオオ……と不思議な魔力が漏れ出ている。


「ユチ様! ユチ・キャッスルの準備は出来ておりますよ! いつでも攻撃開始できます!」


 後ろの方でアタマリたちが叫んだ。

 村の上空には空飛ぶ城が浮かんでいる。


――…………魔王軍大丈夫か?


 あまりの戦力差に、思わず敵の心配をしてしまった。


「それでは、ユチ様。攻撃の合図をお願いいたします」

「え、いや、ちょっ」


 ルージュにぐいぐい押され、あっという間に村の先頭に来てしまった。

 みんな、ワクワクした様子で俺の合図を待っている。

 

「じゃ、じゃあ、攻撃開始」


 なんか、半裸で宣言してもいまいち締まらないな。


「「いくぞ! 我らがデサーレチを守るんだ!」」


 と思ったら、領民たちがいっせいに攻撃を始めた。

 一部の隙もないほどに降り注ぐバリスタの矢。

 炎や水、土や風などの多種多様な属性の魔法攻撃。

 もはや重歩兵となった村人たちの突進。


『な、なんだ、こいつら、つよっ……ぐあああ!』

『どうして攻撃が効かないんだ! それどころか、剣がヤバ……がっはああ!』

『気を付けろ! 空からは矢が降っ……! うわあああ!』


 いや、物理も魔法もワンチャンSランク冒険者並みじゃないのか?


「よし、決めたですじゃ! <エンシェント・プラズマ>!」

『『ぼぎゃあああ!』』


 ソロモンさんの杖から、バチバチと白い雷が放たれる。

 モンスターを次々と黒焦げにしていく。

 敵がどんなに速く逃げようとしても、光の速さでどこまでも追いかける。

 ソロモンさんはスッキリした表情だった。


「48、49、50……」

「我も負けるつもりはないぞ! ……47、48、49!」

『『と、とんでもない二人組がいるぞ! 逃げろ逃げろ逃げ……ぎゃああああ!』』


 別の一角では、ルージュとクデレが縦横無尽に暴れまくっていた。

 傍らにはモンスターの素材が山積みになっているので、討伐しつつ分解しているのだろう。

 こんな芸当ができるヤツは魔王軍にもいないと思う。


『<エンシェント・ブルーフレイム>!』

『『な、なんで伝説の古龍がこんなところに! ……ぐええええ!』』


 コユチの放った火球が魔王軍を業火に包む。

 どんなに強力な身体でもおかまいなしだ。

 容赦なく燃やし尽くしている。


「ユチ・キャッスルよ! 村を襲う不届き者たちに神の鉄槌を下すんだ!」


 アタマリが叫んだ瞬間、例のギイイン! といういびつな音が響く。

 城に描かれている俺の顔(半目のヤツ)から、眩い光線が放たれた。

 それにしても、この音にはなかなか慣れないぞ。


『『ギィエエエエ!』』


 光線の当たったところが吹っ飛んだ。

 というか、地面もモンスターも溶けていた。

 ものすごい高温のビームだったんだなぁ。

 バドーガンとかいうトロールを除いて、一瞬で魔王軍は消滅した。


『…………は?』


 バドーガンはポカンとしている。


『す、少しはやるようじゃねえか! だ、だがなぁ、俺はそこら辺のザコとは違うぜ! さ、さあ、エルフの姫を渡してもらおうか! つ、ついでに、お前らの村を俺の城にしてやるぞ!』


 やけくそに突っ込んできた。

 重装備のくせに結構足が速い。


「さあ、ユチ様。最後の一体をお願いいたします」

「あっ、貴様ずるいぞ! あいつを倒せば我の討伐数がお前と同じに……むぐっ!」


 ルージュはクデレを羽交い締めにしている。


「ユ、ユチ様、またあの恐ろしい敵が来ました!」

 

 姫様も怖いんだろう、俺の後ろに隠れちゃった。

 何はともあれ、さっさと終わらせるか。

 ルージュもピキピキしてるしな。


「<全自動サンクチュアリ>発動!」


 ヴヴン! といつもの音がして、聖域が展開された。

 この前と同じように、遠隔操作する。

 ズズズとバドーガンの真下に移動した。

 

『こ、これは、なんだ……ぐうううう!』


 バドーガンの勢いは消え去り、苦しそうに呻いている。


「「おお! 生き神様の御業には魔王軍すら耐えられないのだ!」」


 さらに魔力を込める。


『ギギギギギ……キャアアアアアア』

『ぐあああああ!』


 瘴気が消えると同時に、バドーガンも消えちまった。

 どうやら、瘴気と同じ存在だったようだ。


「「やったー! 魔王軍を撃退したぞー! これも生き神様のご加護のおかげだー!」」


 わあああっと村は盛り上がる。


「ユチ様、魔王軍をこんなに圧倒したのはあなた様が初めてです! ユチ様こそ、魔王を倒すべき神が遣わした救世主なのです!」

「あ、あのっ、ちょ!」


 ガバッと姫様が抱き着いてきた。

 俺は半裸なので、張りがありつつもきめ細かい触感を直に感じる。

 こ、この絵面はまずいって。

 その様子を見て、周りのみんながはやし立てる。


「生き神様は本当にモテますの~! ワシの若い頃にそっくりじゃよ。そうそう、あれはワシがまだ少女の頃で……」

「ユチ様の魅力はエルフをも魅了してしまうのですねぇ。私もユチ様の魅力をさらに引き立てる装備を造ります」

「……さて、ユチ様もお忙しいので引き剥がさせていただきますね」

「え? ま、待ってください。もう少しだけ、あ~れ~」


 というわけで、魔王軍も無事に撃退できた。

お忙しい中読んでくれて本当にありがとうございます


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