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第20話:残っている瘴気がないか確認しよう

「さて、デサーレチの瘴気はもう全部浄化しきれたのかな」


 いつものごとく、ルージュに半裸マッサージされている。

 今まではスキルを使った後が定番だった。

 だが、もはやは朝昼晩と最低3回が定着しつつある。

 おかげで疲れは全くたまらないのだが、せめて服を着させてほしい。


「もうほとんど瘴気はないと思いますが、念のため確認してみてはいかがでしょうか」


 確かに、ルージュの言う通りだ。

 瘴気は取り残すと面倒くさいからな。

 また巣みたいのができることもあるし。

 大本の瘴気は<全自動サンクチュアリ>で浄化できた。

 だが、残っているヤツがいるかもしれん。

 

「一応見回りしておくか。領民や作物に悪い影響があるとまずいしな」

「私めもお供いたします。それにしても、ユチ様は本当に聡明な方でございますね。こんなにもデサーレチの人々のことを考えてらっしゃるなんて……」

「ほ、ほら、泣くほどのことじゃないからね……」


 ルージュは大袈裟に泣いている。

 そんなに褒められるようなことでもないんだが……。

 領民のことを考えるのは領主として当たり前だしな。

 特に来客とかはいないようで、今回は服を着られた。

 俺は心底ホッとする。

 ルージュと一緒に屋敷から出て行く。


「私が今こうして楽しく暮らしていられるのも、全てはあの時ユチ様が助けてくださったからでございます」

「え? あ、ああ、あれね……」


 ルージュは俺の父親が連れてきた。

 どうやら、その見た目を気に入ったようで、やたらと身の回りの世話をさせていた。

 ところが、父親はアレなので、無理矢理自分の部屋に連れ込もうとしたことがあった。

 で、阻止したのが俺。

 それ以来、屋敷内の風当たりはさらに強くなったわけだが、彼女が無事だったから別にどうでもいいんだよな。


「この御恩は一生をかけてお返する所存でございます」

「まぁ、これからも楽しくやっていこう」

「ユチ様……」


 ということで、さっそく村を歩き始めたわけだが。


「どこらへん探せばいいかな?」


 デサーレチは広いから、ある程度検討をつけておきたい。


「歩き疲れに関してはご心配には及びません。私めがすかさずケアいたしますので」

「いや、まぁ、そういうことじゃなくてね」


 村を歩いているとアタマリたちがいる。

 結構朝早いのにもう働いていた。

 心の底から仕事が楽しいようだ。

 

「ユチ様! おはようございます! 今日も素晴らしい佇まいでいらっしゃいますね! お前ら、ユチ様がいらっしゃったぞ! 礼っ!」

「「おはようございます! 毎日仕事をさせていただいて、ありがとうございます!」」


 例のごとく、とんでもなく規律正しいお辞儀をされる。

 

「そ、そういうのは本当に言わなくていいから……って、あれ? あの建物はなんだ? 新しく作ったの?」


 恐縮していると、彼らの後ろにある建物に気づいた。

 まるで、背が高い塔のようだ。


「はっ! こちらは物見やぐらでございます! <ガラスクラブ>の素材を使った望遠鏡も備えておりますので、デサーレチ全体が見渡せます!」

「へぇ~、物見やぐらか。便利な建物を作ってくれたね」

「はっ! 身に余るほどのお言葉でございます! ユチ様のためならば、どんな物でもお造りいたします!」


 アタマリたちはビシーっとお辞儀する。


「ユチ様のおかげでデサーレチは発展しておりますから、モンスターなどに襲われる危険性もございますね。見張りの方を配置してもよろしいかもしれません」

「ふむ……」

 

 この前はメガオークがうろついていた。

 荒れ地には元々モンスターも多いし、忘れられがちだが魔王領も近いんだよな。

 いずれ、武器とか防具とかも揃えた方がいいかもしれん。

 

「ちょっと使ってもいいか? デサーレチの全体を見たいんだ」

「はい! それはもちろん! どうぞお使いください! お前ら! ユチ様をご案内しろ!」


 アタマリたちに連れられ、やぐらを登る。

 さすがは優秀な鍛冶職人のようで、スイスイ上に行けた。

 登り切ってみると、なかなかの高さだった。


「すげえ、結構遠くまで見渡せるぞ」

「見渡す限り全ての領地がユチ様の物でございます」


 と、そこで、森の中に瘴気の塊が見えた。

 デスドラシエルのあった森だ。

 森全体の瘴気はデスドラシエルを浄化したら一緒に消えた。

 だが、その一角だけヤツらが残っている。


「あそこに瘴気がたくさんいるな。あいつらはしっかり浄化しといた方が良さそうだ」

「他には特になさそうでございますね。瘴気らしき影は見当たりません」


 瘴気が溜まっているのは森の一角だけだ。

 ルージュの言う通りみたいだな。


「じゃあ、さっそく向かうとするか。あっ、だからといって、領民たちは呼ばなくてい……」

「デサーレチの皆さま! ただ今より、ユチ様が御業を披露してくださいます! どうぞ、一緒に来てくださいませ!」


 ルージュが声を張り上げたとたん、家のドアが一斉に開かれた。

 元々声が良く通る上に、俺たちはやぐらの上にいる。

 村全体に聞こえたのは間違いない。

 まぁ、何となくそんな予感はしていたがどうしようもなかったんだ。


「みんな起きろ! 生き神様の御業のお時間だ! 朝から見せてくださるみたいだぞ!」

「今日はなんて素晴らしい日なんでしょう! 今からワクワクしてきてしまいましたわ!」

「寝ているヤツは全員起こすんだ! 生き神様のお力が見れないなんて、大損もいいところだぞ!」


 瞬く間に、領民たちが集まってくる。

 みんな本当に嬉しそうな顔をしていた。

 お祭り騒ぎになりつつある始末だ。


「ではユチ様、降りてくださいませ。皆さまがお待ちでございます」

「う、うむ」

「「うおおおお! 生き神様が降臨なさったぞー!」」


 ただ物見やぐらを降りただけなのに、すごい称賛されてしまった。


「じゃ、じゃあ、デスドラシエルの森へ行きますかね」

「「はい! どこまでもお供いたします!」」


 というわけで、領民たちを引き連れて森を目指す。

 いつもの展開となってしまったわけだが、俺は安心していた。

 何はともあれ、今回は服を脱ぐことにならなくてよさそうだからだ。

 沼に入るわけでもあるまいしな。

お忙しい中読んでくれて本当にありがとうございます!


【読者の皆様へ、青空あかなからのお願いでございます】


皆様の応援のおかげで、念願の表紙に来れました!(≧▽≦)

本当に本当にありがとうございます!m(__)m

これからは1位、そして月間表紙を目指して頑張っていきます!

引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします!


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