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黒髪に黒いカクテル  作者: 幻中六花
6/10

増えるミス

 真亜子は、由美から噂話を聞いてから飲み会までの1週間、気が気じゃなかった。

 仕事もミスが増え、透悟に助けてもらいたかったが、透悟は新人の莉夢につきっきりで忙しそうだ。

 それが本当に仕事でつきっきりなのか否か、それも頭をよぎって、余計にミスが増えてしまった。


 そんな真亜子を見かねて、由美が女子会に誘ったりもしたが、真亜子の頭は今それどころではない。

 参加しても楽しめないことがわかっていたので、丁重にお断りした。


 だからなのか、由美と早希はヒソヒソと真亜子の話をすることもあった。

「やっぱりまぁちゃんと飯塚君って付き合ってたのかな? 付き合ってる? 過去形か現在形かもわかんないけど」

「最近のまぁちゃん見てるとそう思っちゃうよね。可哀想なくらいミス多いし」

「明日の飲み会大丈夫かな? まぁちゃんも来るんだよね?」

「来るはずだよ。会費払ってたし。少し様子見てフォローしなきゃね」



 ──飲み会当日。


「まぁちゃん、行くよね?」

 声をかけたのは早希だった。

「え? 行きますよ〜」

「まぁちゃん最近元気なかったからさ、飲みすぎないようにね」

 由美も早希の後ろから顔を出して声をかける。


 飲み会は何の問題もなく進んだが、真亜子は透悟と莉夢がやけにそっけない素振りを見せていることに気づいていた。

 まるで付き合っていることを会社に隠している自分達を見ているような、そんな気持ちになる。


「由美さん、ちょっとトイレ行ってきます」

「はいよ〜」

 由美は道を開け、

「大丈夫? 飲みすぎてない?」

と心配した。

「大丈夫ですよ〜! 由美さんこそ、飲みすぎないでくださいよ〜?」

 真亜子はしっかりとした足取りでトイレへ向かった。

 どちらかというと、心配を誤魔化そうとして飲みすぎているのは由美の方だった。


 真亜子が女性用トイレに入ろうとした時、男性用トイレから透悟が出てきた。


「あ」

「あっ」


 真亜子は咄嗟に、ここでしか二人っきりになれる場所とタイミングはないと思い、透悟の腕を引いて噂の真相を確かめることにした。

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