表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リメンバー  作者: 多賀まりあ
1/4

最悪の日

PC修理に出して暇なので書きました

よろしくお願いします

前作?知らないですね

―最近何もかも最悪だ

1個1個は大した事ないがちょっとした無数の嫌なことの積み重ねで気分は最悪

まぁでも俺より不幸なやつなんて山ほどいる

こんなのただの甘えだ


―思考は回れど前には進まない、だからって自分が世界一不幸だなんて傲慢なこと言えるはずもないから黙って耐えて、黙々と前のカタカタ鳴らしながらチョーク走らせる野郎の書いた文字を自分の思考とは正反対に真っ白な紙に書き写す



―雨か

気づくとそれほど強くはないが雨が窓を叩く

傘を忘れてしまったがまぁいい、こういう時頼りになる幼馴染がいる

クダラ、隣のクラスの俺の幼馴染

今は受験目前で忙しいが、実は高校を卒業したら付き合う約束をしている


―幼馴染、偶に学校が別れたりで離れたりはしながらも気づくと浅く長くずっと一緒にいる存在

ずっと一緒にいるからこそ、深く知ろうともしない

でも、それでいい

お互いに心は通じあっていると信じている


そんな感じで適当な事を考えていたら今日最後の授業が終わった

さぁ、帰るか


隣のクラスにクダラを迎えに行く

まばらにみんな帰り始めていた


―しかし、居ない

急ぎの用事でも今日あったのか?

仕方ないので、濡れるのを覚悟で下駄箱へ向かう


―居た、気分はまだ貼れないが運が良かった

声をかけようとする


と、角度的に見えなかったが何やら男と話している

学年章的に3年生だろう、上級生だ

何やら仲が良さそうで声をかけるのがはばかられて少し待っていると、少し呆れたような表情をした後に相合傘で帰っていった

声をかけることが出来なかった自分も情けないが、俺はきっと裏切られたんだろう

真実はまだ分からないが、知りたくもないような気持ち

もう諦めてしまおう、もし卒業した後に付き合おうと言ってきてもアレは傘を忘れたようで仕方なかったからで違うとか聞き苦しい言い訳でしら切られるだけかもしれない


―俺は雨に濡れながら肩を落として歩いて学校を出た

確定した訳でもないのに怒りが湧いてくる

雨に濡れてそこら辺で倒れて悲しみを散々味わかとでも思った

しかし、この怒りの火と傷はどんな悲しみの雨ごときでも消せないし癒せない

もし、本当にその通りだったら死んでしまおうか

虚無のような趣味も何も無い人生で何も心から楽しめたことは無かったし、心から楽しめるかもしれない日々への可能性がついえるなら死んでしまっても構わないだろう


そんな風に家に帰りたくもなく適当に歩いていたら公園に辿り着く

セカイコウエン

家の近所にある名前だけは壮大な小さい公園、よく事件現場になる人気のない暗い公園

入っていってベンチに腰掛けてもたれかかる


「く、ふふふふ、はははははは」


気持ちが高まってもはや意味がわからない、ただ人気のない公園で雨に濡れながら大笑いする


「ははははははっ、くっふふふ、あはははははは」


止まらない笑い、思う存分に笑う

そんな時急に頭に激痛が走る


ブチッ


「ぐっ、あぁっ…」


前のめりに倒れて意識が遠のいていく


「…な…ぜ?」


こんな所で真実も分からずに突然死するのか?どれだけ最悪でついてないんだ

怒りを覚えることしか出来ず、体も動かないまま目が閉じていく


―気づくと白い何も無い空間に居た、死後の世界とはこんなものなのか

案外悪い気持ちはしないが強い怒りと悲しみからは解放されない、死んでも逃れられないのか、最悪だ

まぁ、どうでもいいだろう来世って奴があるなら記憶消して次こそは幸せに生きれるかもしれない、来世ってやつがあるのならだが

そんな時、何も無いと思っていたら、鉄格子の着いた赤い錆び付いた扉があった

他にも青い濡れた扉や黄色い光る扉などいくつか扉はあったが、俺は何故かその扉に惹かれていった

歩いていく時に改めて気づく、靴を履いていないだけでなく真っ白なTシャツにズボンを着ていた

死後の世界はこんな寝間着のような服なのか、でも心が浄化されるようで白色は好きだ

扉の前につきゆっくりと扉を開ける

キィッと音が鳴って少し重い錆び付いた扉が開く

そこには深紅の、角が生えた仮面をつけて赤いドレスをふんわりとさせて赤い髪をした少女が鎖で椅子に縛りつけられていた

仮面の目の部分からは赤い目が覗いていた

背は割と高めなので同年代だろうか、容貌からクダラを思い出す


「私を選んでくれたんだね、コウクリ」


何故か俺の名前を知っていて少し怖いが、友好的な雰囲気を感じる

ただ、その先に理性的に見えて底知れない何かへの怒りも

何も言えずにいると、また少女が喋り始める


「ねぇ、今すごく心残りがあるんでしょう?

その心残りを私と戻って片付けない?」


俺は嘲笑して答える


「もう無理だろ、俺は死んだんだ

もし仮に戻れたところでどうしようもないだろ、それにお前悪魔か何かで願いを叶えられるのか?

代償とるんだろ?」


少しして少女は答える


「そうだね、悪魔でもカミサマでもないしランプの魔人でもないし私に願いを叶える力はない

けど、私の力があればきっと君の心残りは解消できるし

幸せになれるよ、君を望む人間がきっと現れる

君は特別になれるし、君の人生にきっと意味が生まれる

代償があるとすれば、君は力の使い方によっては世界一の嫌われ者になるだろうけど」


俺は一瞬で覚悟を決めた


「面白そうだ、乗ってやる

ヤケだ、クソアマ」


少女は笑って嬉しそうに肩を揺らしてから、少し動きを止まめて答える


「ふふっ、面白いねほんと決断が早くて助かる

じゃあ、とりあえず君の心残りを聞いておこう」


少し息を止めて唾を飲み込みハッキリと答える


「クダラを永遠に俺の物にしてしまいたい、その為なら誰だろうがぶっ殺す」


少女はまた少し笑ったあと、頷いた

そして、少女の鎖が急に解けるやいなや立ち上がり、こちらへと歩いてくる

足跡には火がたっている

そして、俺に自分が着けていた仮面をはめる

その時チラッと見えた顔はクダラそのものだった


「お前っ」


また意識が遠のく

何かに引き込まれるような感覚

その直後、燃え盛る炎に体を焼かれるような熱さを感じたが不思議と気持ちよかった

暫くすると収まり、意識がまた戻っていく


―気がつくと、さっきとは違う部屋に立っていた

月の光がカーテンから差し込む

この部屋は良く見覚えがある、


「クダラの部屋だ」


時計は2時を刺していた

ただ、違和感を感じて部屋を見渡すと赤い大きなシミが大量に出来ていた

そして、大きな人に似たなにか

首が無いがその制服には見覚えがあって、うちの制服だ

嘘であってくれと願いながら頭を探す


「持ってるじゃん」


クダラの頭だった

震えて泣きながら、頭を抱きしめてその場にしゃがみこむ

更に怒りが湧いてくる、さっきとは比較にならない

でも、これで誰のものにもならないという安心感も湧いてきてしまう

さっきの少女はどこにもいないので、怒りのぶつけようがない

一体私に何をしたんだ

恐怖も同時に込み上げてくるが、何故か怒り以上の感情は現れない


「ひとまず、逃げなくては」


こんな時なのに冷静になり、クダラの頭を近くにあった大きなリュックに入れて窓の方へ向かう

その途中で、姿見の前を通った時に映った自分が目に入る


「さっきの少女…いや、クダラ」


目と髪が赤く、額から2本角が生えて私が元々着ていた男子用制服をブカブカに着ていたもののそれ以外は完全にクダラそのものだった

身体中血で真っ赤だった


「なるほど、これで一生別の意味でもクダラと居られるわけか

面白い…クソアマ

地獄に落ちてズタズタに引き裂かれやがれ」


私は今度こそ、人が周りに居ないのを確認してから窓を開けて一か八か庭へと飛び降りる

クダラの家は二階建ての一戸建てで、部屋は二階にある

案外全くどうってこと無かった

その後、私はひたすらに駆け出していく

あの公園へ、それしかない

とてつもない速さで走れていた

田舎だしこんな時間なので車も走っていないが、恐らくそれよりも速いだろう


公園に着いた

俺は拳を握りしめて入っていく

しかし、何の変哲もないいつも通りの公園だった

だが、異常は1つ、いや2つ

男女が頭から大量に血を流して倒れていた

でもそれ以外は何も無くてもうこの際どうでもよかった

虚無感に打ちひしがられ、今更悲しみの第二波が来る

脱力して膝をついていると急に体が重くなる感覚がする

また倒れるならせめて人気のない場所で倒れようと、公衆トイレの中へと向かい中に入ると鏡に映った自分が目に入る

容姿が元の自分に戻っていた


俺はもう現実と向き合うのをやめて何もかも諦めてリュックを抱きしめて、その場に座り込み

やがて夜が明けた

どこへ行っても捕まってしまうだろうから、せめて少しでも一緒に居たかった


しかし、人気のない公園なのにこんな時に限って外に人が来たらしく叫び声が聞こえる

俺は更にリュックを強く抱き抱えた


暫くしてパトカーの音が聞こえて、複数の足音が近づいてくる

離れ離れになる悲しみと恐怖に体が震えるが、その時は待ってはくれない

そして、俺は血塗れの姿を見られて即座に捕まった

読んでいただきありがとうございました!

続きもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ