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七話 槍使いの男

誰も反応ないけど更新するもんねっ‼

 


 「お前があそこに住んでいるのか」


 「そうだぜ! 中々いい家だろ? 褒めてもいいんだぜ」


 「そうか……」



 ノータイムで魔力弾を打ち込んで、爆発させた。



 「おーいおいおいおいおい、おい! 嘘だろ!? 何ヵ月かけたと思ってんだぁぁぁ!!! うっわーひっでーな、まじで鬼」


 「お前、ギャングかなにかの棟梁なのだろう? 道化を演じるなら止めておけ。私は油断などしない」


 「俺にはそんなつもりはねぇんだけどな」



 そう言って頭をがしがしとかいた。



 「それで……お前がこのダンジョンを操っているのか」


 「あ、やっぱりバレる? そーなんだよそーなんだよ。いやぁさっきのいたいけな少女を拘束する奴。中々に眼福だったぜ」


 「そうかなら……」



 キィンと甲高い音が草原に鳴り響く。


 それは私と男が互いに剣と槍を打ち合わせた音だ。



 「遠慮はいらんな」



 次の連撃には身体強化も付与して、水平に振るが、男もそれをしっかりと受け止めていた。



 「うはー、手が痺れるー」



 続く突き技にも受け流すことでしっかりと対応してきている。


 一度、距離を話して無詠唱で火、風、氷、雷と様々な属性の魔法を放ってみたが、すべて撃ち落とされて効果はなかった。



 この男、かなりできる。



 「いやぁ、見てるだけでも凄かったけど、実際に戦ったらもっと嬢ちゃんバケモンだわー」


 「そうか……」


 「うんうん、だからさ。おじさんちょっとズルしていいかな」



 その時、後ろから強烈な衝撃を受けて前方へと吹き飛ばされた。



 「がはっ!?」



 地面を何度も転がり、ようやく止まる。


 自分が何に攻撃されたのか。それを確かめるべく、飛ばされた方向を見ても男が下手くそな口笛を吹いているのしか見えない。



 まさか、姿を消した協力者か!?


 即座に探知魔法を張った。


 協力者ではなかった。だが、事態はより深刻であった。



 「なんだこれは……巨大な生命反応が五つ。これは人間ではない…………モンスターか!?」


 「いやぁこんな直ぐにばれちゃうなんてなぁ。流石流石」



 男がぱちぱちと拍手をする。この男がどこか余裕であったのはこれが理由か。


 「まあ、さっきのはうちのモンスターの内の一体の能力なんだ。他の四体はもえ分かっているんだろうけど、林の中に隠れているだけなんだぜ。みんな出てこい」



 その呼び声に応じて、モンスターが次々と姿を表す。


 巨大な亀の魔物に、巨大な蜥蜴のような魔物、そして龍のような魔物に、さらにライオンのような魔物、最後には炎を全身に宿した鳥の魔物。


 五体ともかなりの魔力を有していることがひしひしと伝わってくる。



 「こいつらはなぁ、十層ごとに出現する筈のボスモンスターだ。一応嬢ちゃんの異常な力が厄介だと思ってここまで呼び寄せといたんだぜ。じゃあな嬢ちゃん」




 派手に踊ってくれやぁ。




 死の舞踏が幕を開けた。









 ******





 まず最初に蜥蜴の魔物が姿を消した。


 あれが一番厄介だ。最初に潰しておきたい。


 移動を潰すために、探知した方向に魔力弾を四発、足に狙いをつけて放つ。


 しかし、亀の魔物がまるで庇うように仁王立ちして甲羅で弾かれた。



 「やりづらい……」



 さらにまるで援護するように、鳥と龍が息を合わせて炎を吹いた。


 ふたつの炎が合わさり、増幅していく。



 「まずい!」



 飛行魔法で全力で上へと飛んだ。



 バァンという大きな轟音をかき鳴らして、大地を赤い炎が焼きつくした。


 かなりの距離があるというのに、ここまで熱がビリビリと伝わってくる。


 直撃すればかなり危なかったかもしれない。



 でも負けているわけにはいかない。


 剣を地に向けて突きの構え。上空から急降下して蜥蜴を再び狙う。


 しかしすぐに亀は対応する。


 キィィィン。


 甲羅に剣を弾かれる。

 しかしそこで更に強く強く押し込む。


 剣はビシッビシッと嫌な音を立てるが構わない。今はただこの一撃に力を込めた。


 硬さと力は拮抗する。



 「ハァァァ!」



 甲羅は次第にひびをつくり、広がっていく。



 そして……。


 ついに甲高いガラスが割れるような音を響かせて割れた。


 甲羅を突き破り、やがて剣は内蔵へと到達し、血飛沫をあげながら下の地面へと着地。両断した。



 「はぁはぁはぁ」




 膝に手を当て、息を整える。



 「まずは……一体」





 動揺したかのようにあたふたとした動きを見せる怪物達に切っ先を向けた。


 パチパチパチパチという小さな音が微かに聞こえる。男はこちらに拍手を送っているようだった。

何故隠し玉を一体やられているというのに、あんなにも余裕なのか。






 「いやぁ、嬢ちゃんホント強いわ。強くて強くて強すぎて」







 「危険だ」




 「がっ」



 槍が後ろから右肩を貫いていた。



 「ちっ、心臓狙ってたのになぁ。ずらされたか……」



 何故だ。


 戦闘中ずっとこの男に警戒していた。ずっと向こうにいて、動いた素振りなんてなかった。私の戦いを呑気に眺めていた筈だ。


 それなのに。



 「それなのにどうしてここにいるのだ!!」


 「種は嬢ちゃんが思ってるより簡単だぜ。知ってるんだろ? 分身の魔道書のこと」



 ということは……。



 「そう」「俺は」「分身を」「手にいれた」



 四人の男が私を取り囲むようにして立っていた。


パッと見追い詰められているように見えて、無双というキーワードを見て、来られた方は話が違うじゃないか! となっているかと思いますので、言い訳を。


今のミュリアの状態は、とあるゲームの初期装備、初期武器、道具無しでラージャン、ミラバルカン、オオミナヅチ、キリン、ミラボレアスの連携してくると別エリアに逃げる無しで戦っていると思ってください。


ほぼ無理ゲーでございます。

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