盗賊改
夕方には巳之吉親分がやってきた。
「先生がた、番屋にしょっぴいた連中を締め上げたが、編み笠の侍に金を貰って頼まれた、の一点張りでさあ。叩いても埃しか出てこねえ」
憮然とした顔でこぼした巳之吉親分は、佐吉さんがまだ意識を取り戻さないのを確認し、早々に帰っていった。巳之吉親分も大忙しだな。そりゃ、立て続けに大事件だもの、大変だよね。
佐吉さんが意識を取り戻したのは、その日の夜だった。
「う……」
佐吉さんが呻き声をあげて上掛けを跳ね飛ばす音が聞こえたので、その傍らに駆け寄る。
「佐吉さん、わかりますか?」
佐吉さんに声をかけたが、佐吉さんは目を見開き朦朧とした様子だ。意識を取り戻したばかりだから、しょうがないか。とりあえず、覚醒したては暴れやすいから、今のうちに備えておこう。
「佐吉さん、ごめんね」
と謝りながら、手足と胴体を布団ごと縄でぐるぐる巻きに縛らさせて貰う。暴れられると、怪我をさせずに取り押さえるのも一苦労だからね。
はじめのうちはもぞもぞと動いていた佐吉さんは、半刻ほどで意識がしっかりしてきた。
「……ここは?」
やれやれ、暴れずに目を覚ましてくれたぞ。
「佐吉さん、ようやく目が覚めましたね。ここは養生所だよ。暴れそうだったから、ちょいと縛らせて貰ったけれども、もう大丈夫そうだ。ちょっと待って、縄をほどくから」
縄を解かれている間、佐吉さんは顔をしかめて頭を押さえていた。まだ、頭が痛むらしい。
「おゆき先生ですかい。俺はいったい……」
「昨日の晩、佐吉さんがこの養生所の前に倒れて気を失っていたんです。腰骨が折れているし、頭もひどくぶつけている。頭の中に血がたまったりでもしたら、卒中の症状が出る可能性があったけれど、その様子なら大丈夫だね」
「俺が……倒れていた……? あっ!」
飛び起きようとして、骨盤骨折の激痛に呻く佐吉さんの両肩を支える。
「佐吉さんだめだよ、おとなしくしてなきゃ。なにせ、腰骨が折れているんだ。まだ、動くのは無理だよ。大丈夫、丑松さんにはちゃんと連絡してあるから」
佐吉さんを落ち着かせるために、ゆっくりと言い聞かせる。
「たぶん、折れた腰骨から、腹の中にたくさん血が溜まっているはずだよ。血を失いすぎて力も出ないだろうし、なによりも痛みで動くどころじゃないはずだ。まずは養生しないと」
だが、佐吉さんは頭を振る。
「いや、こうしちゃいられねえ。俺は……俺は……」
佐吉さんは、布団から四つん這いではい出そうとしたのだろうが、寝返りもうてず、その場で叫び声をあげる。
「怪我をしてから一日たっていないもの、無理だよ。しばらくおとなしくしよう。日がたてば、少しは動けるようになるから」
動けないと悟った佐吉さんは、ぐったりと布団に横たわる。佐吉さんに上掛けを掛けなおして、その顔を覗き込む。
「佐吉さん、さっき、佐吉さんを狙って、この養生所にごろつきどもがやってきたよ。通りがかった荒木又十郎殿って御人がごろつきどもをとっちめて、町方の役人に突き出してくれたけれど」
町方、の言葉に、佐吉さんの眉がぴくりと跳ね上がる。
「ねえ、佐吉さん。なにか、やばいことに足を突っ込んじゃいないかい? 話を訊きに来た巳之吉親分も、それを心配していたよ」
だが、佐吉さんはその問いには答えず、じっと天井を凝視する。まあ、最初から佐吉さんが何もかも話してくれるなんて、こっちも思っちゃいないさ。少し時間をかけなきゃ、ね。
「とりあえず、水を飲もうか。腰の骨が折れるくらいの大怪我だ。水を飲んで調子が悪くなければ、お粥を食べて貰うからね。用意してくるから、おとなしく待っていてください」
血のために顔色は青白いが、さきほどよりもずいぶんと生気が満ちてきて、声音もしっかりとしてきた。よしよし。ちょいと数馬さんを呼んでくるか。さっきの痛がり具合なら、少し目を離しても逃げ出すことはないだろう。腰をあげ、診療室を出ようとした私の背に、佐吉さんが声をかけた。
「先生、すまねえ。手当をしてくれたことには礼をいうぜ。だが、仔細はきかねえでくれ。頼む……」
痛みをこらえながら、絞り出すような声で頼み込む佐吉さんに、ほほ笑み返す。
「佐吉さん、話したくないなら、まだ話さなくてもいいよ。昨晩、また霞小僧が出て油問屋の湊屋さんが皆殺しだったらしいよ。巳之吉親分は、佐吉さんがなにかを見て、事件に巻き込まれたんじゃないか、って言っていた。また、悪い連中が襲ってくるかもしれない。なにか手掛かりになることがあれば、教えてもらえると助かるけれど、無理にとは言わないから安心して」
湊屋が皆殺し、と聞いた佐吉さんは、ぎゅっと両眼を閉じた。この様子からすると、佐吉さんは、二代目霞小僧を騙る残虐非道な賊の一味ではあるまい。まだ、本物の二代目霞小僧かどうかは、わからないけれども。
長屋で休んでいた数馬さんに声をかけ、井戸で水を汲んでから診療室に戻り、佐吉さんに水の入った茶碗を渡す。首をもたげ、水を飲み干した佐吉さんは、深く息を吐いた。
「ああ、うめえ。先生、こんなことまでさせちまって、すまねえ」
数馬さんは、私の隣に腰をおろした。
「佐吉さん、とんだ目にあっちまったな。具合はどうだい?」
数馬さんは穏やかな声で話しかけながら、数馬さんの脈をとる。
「へえ、夕べからずっと寝ていたせいか、頭が痛くてしょうがねえ。それに、折れちまったっていう腰がどうにもこうにも痛くて動けねえのが困りもんですぜ。若先生、すっかり世話になっちまって。だが、こうしちゃいられねえ。俺がここにいると、先生がたに迷惑がかかっちまう」
そういって、またもや起き上がろうとした佐吉さんは、奮闘むなしく呻き声をあげて、布団のうえで悶絶する。うーん、懲りない人だな。まあ、根性があるともいえるが。
「佐吉さん、まだ無理だよ。悪い連中が来たら、また追っ払うから、心配せずに養生しよう」
その刹那。
ぬるっとした殺気を感じ、私は動きをとめた。全身の感覚を研ぎ澄ませ、気配をさぐる。私がピタリと動きを止めたのを見て、数馬さんも耳を澄ませ、私にむかって小さく頷く。愛刀を帯に手挟み、物音をたてぬようゆっくりと診療室を出る。
「先生がた、こりゃいったい……」
口を開きかけた佐吉さんを、数馬さんが制止するのを横目で見ながら、戸口の右脇に立ち、鯉口を切る。ここに立てば、賊からは死角になる。先手を取れるだろう。本当は、地面に耳を当てて敵の人数を確認したいけれど、そんな余裕はなさそうだ。引き戸の脇に置いてある心張り棒を、診療室の入り口に立つ数馬さんに向かって、放り投げる。数馬さんはそれを掴んで、佐吉さんを守るように、診療室の前に立ちはだかった。
戸口の向こうで中の様子を伺っているように気配がした。賊は四人くらいか。よし、そろそろ来るな。
いきなり引き戸ががらりと開け放たれ、それと同時に戸板がこちら側にばたんと倒れた。ごろつきどもにけ破られて、まだ修繕していなかったんだよね。頭巾で顔を隠し抜き身を八双に構えた侍は、予想もしていなかったであろう戸板の動きに、一瞬動きを止めた。その隙を逃さず、侍の左腕の内側を、抜き打ちで薙ぎ払う。ここには、指を曲げて握りこむための筋肉が集中している。その筋を切断されれば、左腕で剣を握ることはできない。
左腕を切られた侍は、咄嗟に右腕一本で私に向けて斬りつけてきた。咄嗟にしては悪くない反撃だが、奇襲に動揺した一撃は狙いも太刀筋も甘く、避けるのは容易だ。その一撃に合わせて敵の懐に飛び込み、肝の臓のあたりに当身を食らわせる。
確かな手ごたえがあり、侍はその場に崩れ落ちた。その脇を、一人の侍がすり抜けるようにして走り抜け、抜き身を振りかざしながら数馬さんに斬りかかる。数馬さんは体を右に開いて斬撃をかわし、侍の手をしたたかに打ち据えた。鋭い悲鳴を上げた侍は、数馬さんの手刀を首筋にくらい、そのまま昏倒した。
戸口のすぐ外に、同じような風体の侍が、あと二人いるぞ。賊は、倒れている男の体が邪魔で、建屋の中に踏み込めない。
私は抜き身を正眼に構えて、外の賊に向かって声を張り上げた。
「死にたい奴だけ、かかってこい。お相手いたす」
仲間たちが一瞬で倒され、怯んだ様子の二人は、顔を見合わせると、そのまま背を向けて駆け出した。
「数馬さん、佐吉さんを頼む。やつらの後を追うよ」
数馬さんが力強く頷くのを視界の端に捕らえながら、私は賊の後を追って、駆け出した。
逃げ出した侍を追って、夜の江戸の町を駆ける。あまり距離を詰めすぎると警戒されるから、少し距離をあける。多少姿を見失ったとしても、この時刻に外を出歩くものは多くない。地面に耳をつけて、足音をたどるくらい、わけはないさ。
およそ十間ほどの距離をあけて、侍たちの後をつけ――養生所からおよそ二町ほど離れた、人っこひとりいない路上で、二人の侍は立ち止った。
このあたりは、まだ町家だ。侍たちは頭巾を脱ぎ去り、荒い息を整えながらゆっくりと歩き始めた。二人との距離を五間ほどに詰めて、聞き耳をたてる。忍びの話術とはことなり、荒い息の中で口にする言葉は、これくらいの距離なら聞き取れるぞ。なになに……
「またもや、しくじったか」
「所詮は口さがない町人どもの噂とあなどっていたが、あの女医者、なかなかの手練れよ」
「あの男の医者、剣は遣えぬときいていたが、あやつも人並みに剣の心得はありそうだ」
「坂口と橋本が捕らえられてしまったぞ。どうする?」
「ふん、町方に手出しなどさせぬ。鵜木に釘を差しておけばよかろう。あとは佐吉なる者を殺せば、すべては闇の中よ」
ふむふむ。巳之吉親分の睨んだとおり、鵜木様が一口噛んでいるのは、間違いなさそうだな。いくら人っこひとりいないっていっても、こんな話を道のど真ん中で話すのは、いかがなものかと思うが……
二人の侍は、ときどき後ろを振り返り、後をつけられていないことを確かめながら足早に歩く。
そのうちに、あたりは武家地となる。二人の侍は、とある屋敷の門を叩き、その中に消えた。このあたりの道も、一応は切絵図を見て頭に叩き込んであるぞ。ええと、この辺は確か、盗賊改の役宅があるあたりだ。あとで切絵図を見れば、誰の屋敷かもわかるな。
盗賊改ってのは、押し込み――強盗のうち、特に凶悪な犯罪者を捕えるために編成された組織だ。時代劇や時代小説だと、火付盗賊改方ってのは、たいてい悪役だ。というのも、町奉行所よりも機動性や捜査の権限を強化されているから、強引な捜査が可能だ。それに、斬捨て御免ときたもんだ。この時代の盗賊改も、似たようなものさ。くわばら、くわばら。
その盗賊改が、なぜ佐吉さんを狙っているんだろう。ちょいと、屋敷に忍び込んでみるか。
屋敷の裏手に回り込み、塀を飛び越える。忍び装束じゃないから、どうしても衣擦れの音がしてしまう。気をつけなきゃな。深追いはせずに、適当なところで切り上げよう。
空いている部屋から天井裏に忍び込み、闇に目をこらす。忍び返しの細工などはしていなさそうだ。江戸の役人ってのは、よっぽど不用心なんだなあ。盗賊改の屋敷の天井裏も、警備がなっちゃいない。
あの侍たち、今頃は命じた奴に報告しているはずだ。こういった密談に使うのは、屋敷の中でも奥まったところにある座敷と、決まっている。天井裏を素早く這って、座敷があるであろうあたりに向かう。よし、このあたりか。
「なにいっ、しくじった挙句、坂口と橋本が捕らえられただと? それでお前たちは、おめおめと逃げてきたというのか」
お! さっそく、先ほどの二人が説教をくらっているぞ。
「ははっ! まこと、痛恨の極みにてござりまする。あの女医者、坂之上の剣術道場の食客と聞いておりますが、評判通りの遣い手にて、坂口めは一瞬にして倒され申した」
「それに、前からいる男の医者も、多少の武芸の嗜みはあるかと……」
二人の侍は、口々に弁解する。数馬さんの腕前は、多少の嗜み、どころではないんだが。それなりの腕の者が見れば、つっかえ棒を使ったさっきの一撃は、見切りや間積もりの冴えが並大抵ではないとわかる。それがわからんとは、こいつらの剣の腕も、知れたものさ。
「ええい、言い訳はきかぬ! たかが盗っ人一匹、なぜ始末できぬのだ。よいか、霞小僧なる盗っ人がこれで盗みを働いた先は、いずれも御老中様の覚え良き者どもよ。そやつらが、霞小僧に倉を破られ、これまでのように御老中様への付け届けができぬと申しておる。なんとしてでも霞小僧を捕えよ、との御下命である」
村上主膳が権勢をふるう今、御老中様といえば村上主膳を指す。つまり、霞小僧のせいで村上主膳に渡る賄賂が減ったから何とかせい、ということだな。こいつらは本物の霞小僧が佐吉さんだと思っている。それが本当かどうかは、佐吉さんが話してくれない限り、確証は持てないけれど。でも、霞小僧を捕えよ、というのが村上主膳直々の命令とは、な。やれやれ、佐吉さんも、大変な連中に目をつけられちゃったなあ。どう始末をつけるか、ちょいと考えなくちゃならないぞ。
でも、二代目霞小僧を騙り、善良な商人を皆殺しにしているのも、こいつらの仕業だろうか。それに、村上主膳からの命令は、霞小僧を捕えよ、ってことだけらしい。それにしちゃ、朝のごろつきどもも、さっきの四人組の侍も、佐吉さんを殺す気まんまんだったぜ。鵜木様がどう絡んでいるのかも、よくわからん。そのへんの話を、もうちょっと詳しく聞きたいんだけどなあ。頼むよ。
「ですが津坂様、鵜木の話によれば、霞小僧めは腰の骨を折る大怪我にて、身動きも取れず、養生所から動かせないとのこと。逃げ出す心配はありますまい」
侍の片割れが、必死に釈明を続ける。
「その、動けない盗っ人一匹を殺せないたわけはどこのどいつだ。彼奴が町方の連中の手に落ち、我らのからくりが明るみとなることだけは、避けねばならん。ふん、まあいい。別の手駒を使うて息の根を止めるまでよ」
そう言い捨てて、津坂、と呼ばれた男は座敷を出て行った。残された二人の侍がうなだる様子が、天井裏からでもわかるぞ。町方に知られるとまずい、ということは、少なくとも西町奉行所自体に村上主膳の息がかかっているという訳でもなさそうだ。とりあえず、鵜木様の動きに注意しておけばいいだろう。さて、私も養生所に戻るとするか。
津坂の屋敷を抜け出し、塀を乗り越えようとしたとき、ふと別の気配を感じた。咄嗟に身を伏せて、あたりの様子をうかがう。塀の向こう側に、誰かがいる――その気配の主は、塀をよじ登り、私から三間ほど離れた場所に飛び降りた。頭に藍色のほっかむりした男だ。さほど身軽でもないから、盗っ人や忍びの類ではなさそうだ。身のこなしからすると侍ってとこだろう。あたりを警戒しているから、津坂らの一味ではないな。先方は私が潜んでいることに気づくことなく、屋敷の中へと消えた。
何者なのか気になるけれども、深追いはやめておこう。あの様子だと、こういった真似には慣れていなさそうだもん。津坂の一味に勘づかれて、こっちまで巻き添えをくらうのは御免だぜ。
「数馬さん、帰ったよ」
養生所に戻ると、壊れた戸板が、申し訳程度に立てかけてある。隙間風が入り放題だけど、まだ夜の冷え込みもないから、別にいいよね。明日になったら、弥助さんに直してもらわなきゃ。
捕えた二人の侍は、数馬さんの手で入念に縛られていた。正体を吐かせるために、数馬さんがさんざん痛めつけたのだろう。二人の顔はひどく腫れあがっている。相変わらず容赦ないなあ。二人とも、いまは気を失っているようだ。
数馬さんが見守る横で、佐吉さんがぐっすりと寝ていた。貧血で体力が落ちているのと、緊張の糸が切れたせいだろう。穏やかな寝息だ。この調子なら、急変の心配はさほどあるまい。愛刀を床に置き、数馬さんの隣に座る。
「ゆきさん、なにかわかったかい」
佐吉さんを起こさぬよう、数馬さんが小声で聞いてきた。
「うん、朝のごろつきどもも、この侍たちも、盗賊改の手先だよ。逃げた二人の後を追ったら、津坂ってやつの役宅に入っていったんだ。ついでに、忍び込んで話を聞いてきた」
数馬さんは目を丸くする。
「盗賊改とは、また穏やかじゃないな。いったい、どういうことだい?」
「それがね……」
津坂の屋敷で聞いた話を、つぶさに説明する。私が一通り話し終わると、数馬さんは腕組みをしてどっかりと胡坐を組んだ。
「盗賊改のことはよく知らんが、その津坂という男は与力、そこに転がっている連中は同心ってとこだろう。いずれにせよ、連中はまた、佐吉さんの命を狙うってことだな。こいつは、少し厄介だ。世間では、霞小僧はすっかり凶悪な賊ということになっちまっているからな。」
渋い顔で、数馬さんは独り言のように言う。話しながら考えているときの癖だ。その言葉を聞きながら、私も考えをまとめる。
「佐吉さんはたぶん、霞小僧を騙る連中の企みとか正体を、なにか掴んだんだろう。それを町方に知られるとまずいから、命を狙われている。だけど、もし佐吉さんが凶悪な霞小僧として死ぬなら、刃向かったという口実で盗賊改に斬られても筋は通るし――」
私の言葉に、数馬さんが続ける。
「――凶悪な賊を始末した、ということで津坂の手柄になるな。それに、手堅い商売を営んでいるお店しか襲っていないとはいえ、偽の霞小僧が奪った金子はちょっとした額だ。連中の懐も潤うだろうさ」
霞小僧を捕えよ、という村上からの命令をこなすだけではなく、手柄をあげて、金も手に入るという旨い話ってやつだな。下衆のやりくちだぜ。いろいろと裏はとらなきゃいけないけれど、この一件のからくりが透けて見えてきたぞ。




