3.世界を
「お仕事お仕事(・ω・少年)」
少年は眼を閉じ俯いた。…今回の仕事内容は、この町の異変解決。異変…確か、“まるで切り取られた写真の様に、静かになった”と言う内容。
「人がいない…避難した?」
だが、避難するような事柄は思いつかない。もしもそんな事柄があったのならば、御者はここまで送ってくれないはず。
…ならば何が起こった?少年は考える。
「地震…竜巻…津波…火事…」
4属性の属性暴走魔法災害が起きた様子はない。自然災害も。
少年は目前のドアに耳を澄ます。足音も、生活音も、呼吸も…やはり、何も感じ取れない。失礼を承知で、扉の取っ手に手をかける。
「…開いてる。」
田舎町では鍵を掛ける習慣がない…と仮定したとして、小さくお辞儀する。
「無礼を承知で、お邪魔します。」
少年は、ゆっくりと家へ入る。
玄関には家族写真。両親とその子供の笑顔が見える。机や床に埃は積もってない。戸棚には貯金…不用心だが、帰ってくるつもりではある様子。冷蔵庫には、野菜や肉…まだ腐ってはいない。
家具、照明、その他周囲の物品から、この家自体が随分と前から空き家であると言う可能性を捨てる。
ここの主人は、何らかの理由でここを空けている。鍵を掛けていない…つまり、掛ける必要がなく直ぐに帰ってくるつもりだったのだろう。慌てて出て行ったとするならもう少し、家具が荒れていてもおかしくはない。
「“予想外の事が起きて、直ぐに帰れなくなった。”しかも家族全員…いや、町全体で…?」
何かが起こった事はわかった。
「“何”が起きた…?」
少年は外に出る。事実の確認…それが最優先。目撃者でもいれば、直ぐにでも解決…
「…ああ、その手がありましたね。」
目を閉じ、小さく息を吸う。すると少年の周囲を囲む様に、魔力が舞う。
「-闇よ、闇の加護よ。小さき物の微かな希望を、声を届けよ。…五感強化」
単純な詠唱後、少年の頭部に魔力が収束する。
五感強化は闇の基本魔法。狩の為の視覚強化や料理人の味覚・嗅覚強化が主な使い道ではあるが、もっと便利な能力にもなる。例えば
「草花よ、貴方方の記憶をわたしに。」
人ならざるものとの会話。
すうっと、小さく風が少年を通り過ぎる。
「…ああ、そう言う事でしたか。」
※魔力について
魔法に必要な燃料的な物。生まれ持っての物を基準に、成長・強化する事が可能。体内から体外に出して、使用する。時間経過で回復する。また、自然界や人工物にも魔力を有する物が存在する。媒体として、使用は可能。
テレビ(魔法)をつけるのに、電気(魔力)を通してリモコン(魔術士)で付けるイメージで、この作品は書いています。
※属性について
火:火系、水:水系、風:風系、地:自然系、光:治癒系、闇:自己強化系
「あれ?草花の声って地じゃry」→あくまでも「自然の声を聞く」為の感覚強化なので闇です。あえて言うなら、闇と地の複合かもしれないです。詳しくは少年に聞いて下さい。「ビクッΣ(・ω・;少年)」
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昨日に私がいいと思ったのもが、今日の私が良いとは思わない。(3度くらい物語が変わった)
後、2話程で終わるよう頑張ります。
お付き合い感謝感激雨霰…m(__)m