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ねこのなかのひと  作者: ままこたれこ
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 ミリパナに寄生(憑依でもいいけど、寄生に統一します)してから、一月が経過した。この娘の、顔以外のほぼ全てを見てしまった。性癖とか、排泄とか、恥ずかしいことまでだ。罪悪感はある。でも見えてしまうんだ。鏡がないし、硝子もない、水に映るけど、はっきりしない。身嗜みを調えようとしないので、映そうとしないのだ。風呂がないのは、当然としても、身体を洗うこともない。このままじゃいかんでしょ。たぶん相当臭うんじゃないかな。猫って、風呂嫌いだよね。て言うか、野生に近いほどそういう傾向なのかな。


 そして、なんか良さげな漢字を手に入れた。『消10』と『転20』さらに、『毒2』てある。顔があったら、ニコニコだったろう。数に不満は否めないが、一気に新しい漢字三つも覚えた。


 『消』って、消えちゃうのか?何でも消せるのかな?早々試してみないと、だけど貯めておくのも有りだよな。使ったら本当の意味消えちゃうからな。


 そんなわけで、一個だけ試してみた。だけどミリパナに気付かれないように、見てない方向の両手なら持ち上がりそうな石を、視線がそれたタイミングで使ってみた。うん、消えたみたいだ。凄いね。消えた石の行方は?もしかして見えないだけで、実際にはあそこにあるのかも……。確認したくても、動けない。ミリパナの臭いは、たぶん消せないと思う。


 『転』は何だろう?転ぶ?転がす?ええい!ままよ。傾斜もないのに、石が転がった。ドキッとしたミリパナが姿勢を落として、周囲を警戒した。脅かしてごめんよ。転がして使い道があるのかは、謎だけど。転ばして時間稼ぎならできるかも。


 さっき消した石が、元の場所に復活していた。無くなるわけじゃないことが検証できた。自分に使ったら姿が消せるのかね。生物は駄目とか縛りがなければ、使えそう。ただ、安全性を確かめないと怖いね。


 『毒』は、まぁ読んで字の如しだと思う。魔物に使って確認……して、いいのか?毒で肉が食えなくなって、ミリパナが知らずに食べたら不味いな。食べない魔物っているかな……、



 黒装束の奴が現れてから、ミリパナの警戒度が跳ね上がった。水魔法は極力使わないようにしているが、今日のような場合使わないと人生が、終了してもおかしくない。


 四体のカロミケスに囲まれている。俺には此奴達は、初めて出会う魔物だ。突然ミリパナが走り出したときは、何事かと思ったが、姿が見えない内に逃げ出したということらしい。それでも追い付かれて、囲まれてしまった。


 見た目は二足歩行の体高二メートルのトカゲ、腕は短いけど鍵爪が鋭く伸びていて、近づかれたら危険すぎる。頭が獰猛なカラス。脚力は、猫の走力を上回っている。


 嘴を突き出して突っ込んでくる。時間差で四方向からくる。


 俺はまだ死にたくはない。『転』を使ったら転んだ。本当に転びやがった。


 スピードが乗ってる分転がって、「ケエーツ」と啼いた。


 ミリパナは、自分の足下まで転がった一体の胸に、剣鉈を突き刺した。なぜ転んだのかなんて考えないで動けるのが、この娘の良いところだ。剣鉈を抜くと、その場でジャンプして後ろに回り込んで、もう一体の首に一撃、その時に鍵爪の一撃を脇に貰ったらしい。トカゲの首から盛大に血が噴き出しているが、致命傷にはなってない。


 ミリパナは後退して、身体を翻してまた走り出す。十メートルの距離を稼いで、呪文を唱えはじめた。くそったれ、間に合わんやろ!ミリパナも怪我のせいか、スピードがでない。


 首を斬った奴は置いてけぼりだが、無傷な二体はもう三メートル後方にきてる。俺は『転』を再び二体に使って、盛大に転けさせた。残りは13枚。『毒』を使うか迷う。魔物に効くのか、文字そのものの効果があるのか、倒せるだけの効果なのかも分からない。


 上手く転がりはしたものの、そんなに差は開かなかった。だけど詠唱が終わるまでは、文字が無くなろうが使い続けなければならない。幸いにして、相手には察知も回避も出来ない、優秀なスキルなんだ。そんなこんなで、更に三回(二体で六)転けさせて、詠唱が終わり水玉を一発発射。見事に胸を貫通させて、残りが一体になった。遅れていた一体は、途中でお亡くなりになったらしい。


 ミリパナの息も荒い。やはり怪我のせいか全力が出し切れてないようだ。治癒の効果で傷口は塞がっていると思う。カロミケスは、腕を払うように、ミリパナの背中に対して鍵爪で薙いだ。革の防具に亀裂が走り、服に血が滲んだ。俺は咄嗟に『毒』を使ってしまった。奇妙な叫びを挙げながら、その場でのた打ち回り、痙攣の後息絶えた。死体は黒ずみ水分が抜けてしまったように、干物みたいな状態だった。


 恐ろしく強力な毒だった。検証しないまま使ってしまったが、結果オーライだったことに、胸を撫で下ろした。この状態なら、肉を食べようなんて思わないだろう。


 咄嗟に使ったことには、焦ってしまったこともあったが、『守』で防ぎきれてないこともあった。インバクタよりも、数段上のレベルの魔物だ。



文章が稚拙で、支離滅裂な部分があったり、説明不足だったりしているかもしれません。

申し訳ないです。

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