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メンテナンスでアクセスできず。書く時間を失ってしまい、遅れました。
申し訳ないです
今回は長居する積もりはないので、食料などは持って来てない。水はミリパナが出せるので必要ない。ダンジョンの雰囲気と、ミリパナを慣れさせるのが目的である。他の冒険者達は、どうやってるんだろう?肉や皮は取らないにしても、奥へ進めば荷物は増える。そのために荷物持ちを連れて行くわけだが、魔力袋は足が早いらしいので、余り長居は出来ないはず。
『魔力袋なんか、どうやって持ち帰るんだ?』
「ベテランは宝石持ってるし、そうじゃなくてもマンガナホンが貸し出してくれる。手数料沢山取られるけどね。でも大抵はそのまま売るから問題無いわけよ」
このダンジョンは、ミリパナしか知らないから、独占なんだけど、誰も入ってないだけに、魔物も多い。魔素も多いから魔物も強いかもしれない。兎に角まだ入口の領域なのだ。
入口付近は、人工的に削られた壁といった風で、凹凸も少ないが、外の光が届かなくなったところからは、凸凹した壁が両側に続くようになり、おどろおどろしさを演出している。ミリパナは、一戦したことで少し気を大きくしており、あんなに嫌がっていたはずなのが、嘘のように足取りが軽すぎる位になっている。ちょーしに乗りやすい性格なんだな。
『様子見なんだからな、慌てて進む事はないぜ』
やっぱ音立てたりしたら寄って来るんだろうな。偶に段差があったりして、微妙に下っているみたいだ。通路の枝分かれが、多くなってきたので、これ以上先に進むのは躊躇われる。
分岐した先の何処かから、〈ピー〉という鳴き声が聞こえてくる。身構えたものの近づいてくる様子はなかった。音が反響するので、音の発生元がさっぱりわからない。
『なぁ、これ以上進むのは拙いぞ、引き返そう』
「あたしのなかのひとは、臆病だね」
『俺は慎重なだけだ』
「慎重過ぎると、チャンスを逃すわ」
『逃しても、生き残ればまたやってくるだろ』
「……」
ミリパナは、くるりと向きを変えると黙って歩き始めた。入口に向かっていると、分岐した通路が見えない。殆どの分岐が斜め奥に向かって開いているためだ。帰り道が分かり易い。逆に何かが潜んでいても気付き難い。一応全方向に気を配っているのだが、それは唐突にやってきた。横合いから小さな魔物の群れが、俺たちの前に飛び出して入り口の方向に走っていく。
『なんだ!!』
「シグリだわ。追われてるみたい」
〈ピー、ピー〉という喧しい鳴き声と〈ベシッ、プシッ〉と何か潰れたような音。シグリは、踏まれて潰れてはいるが、大半は上手くすり抜けて逃げている。壁に開いた細い亀裂に、逃げ込む個体もいる。最悪狭い通路に逃げ込めばやり過ごせるな。
分岐した横穴から真ん丸な黒い頭を、ニョッキと覗かせた。
「何あれ!」
いやいや、ミリパナが知らないなら俺も知らないよ。
そいつは徐々に全体を現して、黒い真ん丸な頭には縁に白くて長い毛で覆われていて、天井に届きそうなくらい背が高い。そして前脚が異常に長い。背中から手足までが白い毛に覆われていて、腹部は毛がない。頭と同じ様に黒い。前脚なのか、手なのか分からないけど、腕も二の腕も平たくて、カニの脚みたいな扁平な形をしている。掌は人間のように、指が五本で先端に爪がある。長くはないが鍵爪だ。歩き方が猿のようだ。こんな猿居たよな……。
咄嗟に隠れれば良かったのだろうが、近くに窪みすらないし、動いたら気づかれそうな気がして、その場に固まってしまった。ミリパナはそいつの大きさと、初見の珍しさと、得体の知れなさに戸惑っている。
そいつは、ゆっくりとした動作で前脚(手)を前に出し、ダンジョンの入り口方向に向かっていた。此方にはまだ気づいていないが、そのまま進めば退路が塞がれる。
『やばいだろ!通路を塞がれた』
背中を見せて、ゆっくりと通路を進む。このままだと帰れなくなるから、排除するしかない。大きさに圧倒されて、強くてヤバイ奴という認識しか出来てない。もしかしたらめっちゃ弱いとか……。
『攻撃するしかないな。おまえの水弾に合わせる』
ミリパナは頷いた。
水弾の発動に合わせるように、俺も石を発射した。どちらも当たった。奴の身体に吸い込まれていったが、まるで何事もなかったように、進み続ける。
「効いてない」
マジで効果がないのか、鈍感なのか。此方に気付きもしない。
『これは、ヤバイ奴や。離れて様子見しよう』
通路に向かっているとはいえ、途中にはまだ分岐もあるし、そっちに行くかもしれない。このダンジョンがヤバイのか、どこもこんなんなのか?どこもこんな感じだったら、他の冒険者ってとんでもなく、勇者だろ。マジ勝てる気がしない。
ダンジョンには行かないって、言ってたミリパナは、こうなることを知ってたのか?そんなわけないわな。ナイナイ。
『こうなることを肌で感じてたのか?』
「そうなのかは、あたしにも分かんないわ」
その後一時間ほどほとぼりを冷まして、入り口に向かったが、奴は居なかった。俺たちには、まだダンジョンは無理だ。
文章が稚拙で、支離滅裂な部分があったり、説明不足だったりしているかもしれません。
申し訳ないです。でも懲りずに読んでね。
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お読み頂きありがとうございます。