サタデーナイト・スペシャル
#9「サタデーナイト・スペシャル」/高木源太郎、真山光祐、重野孝治
日本国/南東北州/仙台市/青葉区/仙台市警あおば北警察署
2035年2月16日
「おい、コースケ、ちょっと待ってくれ」
「行きますよ、おやっさん!」
あわただしく書類と手帳をかばんに突っ込む、おやっさんと若い刑事。
「お疲れ様です」
「おう重野、お前はバックアップか」
おやっさんは通信端末の空中投影キーボードを四苦八苦しながら操作している。
「発砲案件ですから制圧1班が出動してます。2班は待機です」
「法事での帰省のときのライフル銃乱射事件といい、結婚式の日の火炎瓶デモといい、雨宮が休暇取ろうとするたびにこの騒ぎだ、新婚旅行に行こうものならどうなるか、考えただけでも恐ろしいな」
言を担ぐタイプのおやっさんらしい発言だが、あながち外れてもいなさそうなのが怖い。
「……っくそ、手で書いた方が早ぇよ、コースケ」
「支給の端末もそろそろスマホからコムコに代わるんですから、いいかげんホロキー慣れてくださいよおやっさん」
「ショーワウマレにそんな適応力期待すんな、しかも今覚えても退職まで10年もいねぇんだから減価償却できねぇって! あ、重野、紹介が遅れてたな、新しく配属された真山だ。コースケ、こいつがS.I.U.の重野」
「お噂はかねがね伺っております、重野警部補……って、そんな場合じゃないでしょうおやっさん! 早く!」
「わかったわかった、せかすなっての、指が反応しねぇだろ」
なんとかかんとか言い訳をしつつ、あまり急ぐ気はないようである。
「おやっさん、また『春馬組』案件でしょうか?」
いずれにしろ遅れているのだから、多少は情報を引き出しておいても構わないだろう。
「ああ、ライフル銃乱射事件といい、最近あそこの組のチンピラが銃で散々パクられてるのは事実だしな、何か大規模な取引ルートを作っている様子だ」
「おやっさん!」
「わかったわかった! ……気ィ引き締めてかかれよ重野、これは土曜夜の乱痴気騒ぎとは違う。そんな気がしてるんだ」
#10「装填」/仙台市警・特殊捜査班・制圧2班
日本国/南東北州/仙台市/青葉区
2035年2月22日




