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自伝 〜Story〜  作者: 神道 龍也
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幼少期 4才編 〜火事〜

ー第1部ー 幼少期



大阪府の中の人口密度が多いある町で一家の三男坊として産声をあげる。


私の一番古い記憶の中で今でも鮮明に憶えている一つのエピソード…


その日は蒸し暑い真夏の夜だった…

私達家族は駅近くの線路沿いに家があり、父親は自営業のよくある一般的な家庭でした。

その日、父親は仕事を終わらし夕食の後、1階居間で一人ビールを飲んでいた。


母親は私達を寝かしつける為、2階に私達をつれていき布団に寝かしつけた後、マッチを使い蚊取り線香に火を点けて内職の仕事をする為に自宅横にある我が家が所有(経営)するアパートの一室に向かった。少し前から母親が蚊取り線香に火を点ける『マッチ』に興味津々だった私はある日決行に移す事にした。


母親が居なくなった途端に飛び起き箪笥の上に置いてあるマッチに手を伸ばすと一本取り出し火を点けてみた。


その時もうすでに魅入られていたのかもしれない…


二人の兄は静かに眠ったままだ…


火が点いたマッチ棒をじぃ〜〜〜っと見つめる

「あつっ!!」

この哀れ4才児は火の点いた部分を下にし、上に上がる火の熱で火傷し、火の点いたマッチを床のカーペットに落としてしまった…


すぐに踏みつけるなりして消せばいいのだが、この時すでに火傷からくる恐れが先行して何も出来ず、ただぼぉ〜っと眺めるしか出来ずにいた。

これから本当の恐怖が訪れるとも知らずに…




カーペットに落ちたマッチの火はもちろん消える事はなかった。


知っているだろうか?


カーペットに燃え移った火はその場所から円形に拡がるのではなく、まるで生き物の如く直線に炎が走り要所要所で二手に分かれ迷路を彷徨う者の様に拡がっていくことを…


やがて炎は壁を走り、カーテンに燃え移り、辺りはオレンジ色へと模様を変えた。

今思うとこの状況で爆睡していた兄二人は本当に胆が据わっていたと思います。(だってなかなか起きなかったですよ〜)

そうこうしているうちに辺りは火の海、急いでベランダに逃げて必死に助けを求めました。

…が、道が狭くて消防車がなかなか家まで到着できない状態!!!

もうパニックです!!

そんな状況の中、流石といいますか…二人の兄は冷静に建物の雨樋や(ひさし)をつたい避難しはじめたのです。

当時、兄二人の年齢は10才と7才です

一戸建の2階ベランダから普通に降りる姿は正に逞しいそのものでした。

当然私は降りる事が出来ません。

必死に泣き叫び助けを求めます。

建物の下では気絶しかけの母親とパニックになっている父親が何かを叫んでいます


最早絶体絶命…その時、野次馬に来ていた近所のおっさんの声が耳に入りました。何かを叫んでいます。


「跳べっ!おれがキャッチしたるから!!」

下で両手を広げて私が跳ぶのを待っています。

無我夢中でした!気がついたら、そのおっさんの腕に抱かれていました…

その後は眠るように意識を失ったのを憶えています。





結局この火事で建物は全焼し焼け焦げた柱のみが残りました。消防の火災原因は不審火で終わり、この事実は闇に葬られる事になったのです…(実はまだ親兄弟はこの事を話していなかったりして…)


本当に昔の人は良く言いました。「マッチ1本火事の元」まさにその通りです!

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