file.final come・me区の夜明けは風に乗って…
前回のあらすじ
ついにバテン・ガイストと対峙し、勝利を得て母親である鬼姫を救い出して全てが終わろうとしていた…
しかし鷹矢凪に変装していた破天 鎧斗に奇襲を仕掛けられるも見事に回避する。そして会話の中で句崇刃はこの男こそが両親や師範代を苦しめた元凶であると理解する。ここに最後の戦いが始まる!
夜鬼嶋「ヤツは不思議な似力を使います!ヤツの手に気をつけて下さい」
ジラン「そうか……まだこの男の手がわからない以上気をつけておくに越したことはないか」
名織「とりあえず、私の怒りを始めにぶつけさせてもらおうかしら!」
そういった名織はまずは普通の拳を破天に放つが、当たるはずの拳はすり抜けてしまう
名織「…!?今攻撃したのに当たっていない!?」
そう気づいた頃には後ろから見えない斬撃が背中に当たってしまう
名織「…ッ!なんでそんなところから攻撃が…」
すぐにキサラが傷を直そうとする!それを邪魔しようとする破天をジランと夜鬼嶋が止めに入る!
ジラン「月の突き!」
夜鬼嶋「慣斬刃!」
2人の攻撃はやはり破天には当たらない、そしていきなり何もないところから槍が出現するが、2人はそれをかわす。
夜鬼嶋「クッ…かなり面倒な似力ですね…発動条件に手があることぐらいしかまだ情報が…」
ジラン「どういう似力なのかは…句崇刃の探偵力に任せてみようか」
句崇刃は思案して、持ってきていたナイフを2本、それぞれ別の方向に投げてみたが破天には避ける動作もなくかわされる
句崇刃「(今投げたナイフを避けないってことはそもそも当たらなくなる、幽霊になる似力か…?しかしそれだと夜鬼嶋さんがくらった燃える攻撃の説明がつかないし原理がまだまだわからない…)」
夜鬼嶋「句崇刃君、私の似力であの男から感じ取れることはないかみているのですが…何故か霞がかったような感じになり今までにない感じで少し困惑しています。これが何かあの男の似力の正体の解明に役が立ちそうですか?」
句崇刃「……いや、試してみる価値はあるな。ありがとう刃慣さん」
夜鬼嶋「えっ!?今私のこと名前で!?!?」
句崇刃は持っていたありったけのナイフを等間隔に落ちるように投げた!すると破天は回避する動作を見せる…
名織「この攻撃は避けた!?一体何の似力なのかしら…」
句崇刃「なるほど…大体読めてきたぜ、お前の似力」
ジラン「早いな…流石は句崇刃だ」
句崇刃「お前の似力、それは何かを纏ったり相手に纏わせたりする似力だ、今は正しい位置が悟られないように少しズレた自分の像を纏っているんだろ?」
名織「……なるほど、だから普通に殴っても攻撃が当たるわけないし…」
夜鬼嶋「私の似力は相手を正確に視認していなければ発動しない…中途半端だったのは正確な位置が見えていなかったから…」
句崇刃「そして攻撃を避けたのはいくら位置がわからなくても範囲攻撃は当たる可能性が高い、だから避けるしさっきから喋らないのも音で位置を特定される可能性があるからだろ?」
そういっているとまた破天の像が崩れ本体があらわになる
破天「全くやたらと頭のいい男だ…父親譲りかな?」
句崇刃「一応きいておこう…父さんの姿をしてたのも今と同じ要領で、夜鬼嶋さんの腕を燃やしたのはそのまま火を纏わせたってことでいいのかな?」
破天「大正解だよ!ボクの似力は甲纏塵着…自分で纏ったり、逆に相手に纏わせることができる能力だよ。もしかしてきづいたんじゃないの?」
名織「一体この自信はどういうことなのかしら」
句崇刃「こいつは像を纏うことで変身したり位置の誤認をさせてたりした…逆に相手の腕にいきなり炎を纏わせて火傷にした…こいつの纏う、纏わせるの能力の範囲はかなり広い…つまりそれは使われる戦略の幅が広いということ…」
破天「そういう…ことだ!」
破天はキサラに素早く近づき何かを纏わせようとしてくる!
ジラン「…!?何か不味い!」
何か危機を察知したジランがキサラを突き飛ばしキサラは助かったがジランはもろに何かを纏わせられた
ジラン「クッ…ガハァ!これは毒か、やられたな」
破天「そうそう、昔自販機の飲み物に混入させられてたアレだよアレ」
句崇刃「ジラン!」
ジラン「俺のことはいい!いずれまた復活はできる!それよりもヤツは危険だ…その子だけでも逃がせ!」
句崇刃「その方がいいか…掴まれキサラ!」
鬼沙羅「えっ!う、うん!」
句崇刃がキサラを掴み部屋の入り口までお姫様抱っこの要領で運ぶ
破天「妬けるねぇ…でもそんなカモ逃すとでも?」
名織「鬼波の破面!」
夜鬼嶋「鬼の面断!」
2人の攻撃を凌ぐため防御している隙にキサラを逃す!
句崇刃「キサラ、お前はあっちにいるみんなの治療を頼む!心配すんな!絶対コイツ倒して帰ってくるからよ!」
鬼沙羅「……うん、わかった。絶対勝って鬼姫さん連れて帰ってきてね」
そうしてキサラはこの場を離れる
破天「うーんしょうがない、あっち追いかけても人が増えて面倒だしもう1人始末できたしね」
そう指さすとジランが血を吐いて死んでいる
句崇刃「くっ…すまない」
名織「ここからキサラちゃんもいない…致命傷だけは避けないとね」
破天「さーて次はどうしようかな、そうだなーこれ使うか。スイッチオン」
そういうと部屋に取り付けられた複数の換気扇のようなものが回転する!
夜鬼嶋「これは…」
そう呟く間にすぐに3人は異変に気付く
名織「これは黒い煙…!?」
そういった直後名織は後ろから攻撃をくらう
名織「今度は煙の中から闇討ちってわけ?悪趣味ね」
破天「本当は劇薬を散布して一気に殺そうと思ったんだけどそれだと換気扇の羽が持たなくてね」
夜鬼嶋「このままではただ闇討ちされるだけでなくまた何か纏わせられるかも…」
破天「おっ、君は勘が鋭いねぇ」
夜鬼嶋は驚異的な反射速度でかわそうとしたが右手と右足に何かを纏わせられてしまった
夜鬼嶋「くっ…今度は何を纏わ、せ…?」
夜鬼嶋が右手に持っていた剣を落としそうになる、慌てて持ち直そうとするが腕が上がらない…さらに右足の動きもおぼつかなくなる
句崇刃「夜鬼嶋さん!!大丈夫か!?」
破天「ははは!効くでしょ!その筋弛緩剤、高いヤツだからね。ほんとは両手両足に纏わせるつもりだったのに片方ずつにしかできなかったや、ほんとは毒物で殺しても良かったんだけどなんでかこの似力さ、食わず嫌いなのかある程度の種類分けされた区画があっておんなじグループのものは一日一回しか相手やモノに纏わせられないんだ。だから毒物はもう使えないんだけど何故か毒物と薬物はモノによっては分類が違ってね、一体何を元に判断してるの…やら!」
そうして破天は弱った夜鬼嶋に連続して槍で攻撃を仕掛ける!
夜鬼嶋「舐め…るなぁ!」
夜鬼嶋が左手で剣を握り直すが慣れない斬撃で全ての槍を相殺することなど不可能であり、さらに片方の足もうまく動かない状態では徐々に血を流していくしかなかった…
夜鬼嶋「ぐぁぁ…このままじゃいずれ意識…がぁ」
句崇刃「クソッ!どうする!どこにいるんだ!?」
音は聞こえるものの破天が攻撃時に夜鬼嶋蹴り飛ばし位置をずらすため位置がわからなくなっている!
名織「……リスクが高いけど、このままよりは…」
句崇刃「何か手があるのか!?」
名織「かなり体力を使うけど…この煙を消すわ!!」
そういうと名織は力を溜め、構えを取る!
破天「何をする気か知らないけど…仲間を放っておいていいのかな?」
破天はまだ倒れていない夜鬼嶋を攻撃する…
夜鬼嶋「あっ…ううぅ…」
句崇刃「夜鬼嶋さん!!もう少し…耐えててくれ!」
名織「ごめんなさい、待たせたわね!鬼風童道!」
そういって名織の後ろからものすごい風が吹き荒れる!それは換気扇ごと破壊しいろんなモノにヒビを入れながら煙をこの部屋から弾き飛ばす!他のみんなは目を閉じて飛ばないようにするので精一杯だった…
名織「みんな大丈夫!?」
破天「隙あり」
しかし破天は特殊なゴーグルと体に風で吹き飛ばないようにオモリを纏わせ名織の肩に触れ攻撃する!
名織「そんなオモリ、風の影響は受け流せても私の攻撃は…」
名織が反撃しようとする…しかし
句崇刃「…!?名織さん!!後ろだァァァ!」
大きく叫んだ句崇刃だったが…既に手遅れだった。破天の槍が名織を貫く、ギリギリで反応したため致命傷は避けたが…
名織「え゛っ…な、ん゛で?確かに…」
破天「騙されたねぇwそれはマネキンにボクの姿を映しただけ、そして左手に重力を纏わせて君に感触を覚えさせて本体がそっちにいると誤認させたのさ。まあ反射で反応しないといけないし、話を効いてる限り体力も使ってる、そういう時はそうそう気づかないよなぁ、これで2人目」
そして槍が抜かれ名織は意識を失い血がダラダラと流れる
句崇刃「…そんな、名織さん…」
またしても仲間がやられ少し句崇刃の戦意が失われていく
破天「回復役がいなくなったとはいえ奇襲されるのも嫌だからトドメ刺しとくか」
句崇刃「…ッ、やめろ」
句崇刃は止めるため走り出すが焦りで足を崩してしまう
句崇刃「…あっ、ぐっ」
破天「アハハ、君みたいな子でも動揺するんだねぇ。じゃ、バイバイあのクソジジイの娘さん」
句崇刃「や、やめろ…」
やめろー!!!
破天「プフーwやめろって言われたら尚更やめるわけないじゃん!」
そういって心臓を刺して殺そうとした破天だが…その場の空気がいきなり凍りつく
???「図に乗るなよ……」
その発言の後何か得体のしれない恐怖を感じ取った破天はトドメを止めその声の主から離れた
破天「…なんだお前は、何者なんだ!?」
句崇刃「……夜鬼嶋、さん??」
そこにはいたのは夜鬼嶋のはずだった、しかしその存在は何かが変わっていた。筋弛緩剤を受けているはずの右手と右足はもはや動かなくてもおかしくないはずなのだが、難なく動いている。
句崇刃「夜鬼嶋さん…じゃないよな」
夜鬼嶋?「まったく、こいつはいつも危険なことに首を突っ込んで…もう少し自分のことも大切にしろ」
句崇刃「誰なんだアンタは?」
夜鬼嶋?「今は説明している暇はない、顕現できていられるのも3分くらいだ。その間ヤツと戦闘してやるからそこの重病人をさっさとあの小娘の元に連れて行け、私も顕現が切れる直前にその小娘の元に向かう」
句崇刃「…すまねえ、助かった」
夜鬼嶋?「フン…味方を気にして闘っていたな?確かにお前の内にある力は恐ろしい…だがそれとお前が仲間を信じない気持ちは別だ」
句崇刃「ぐっ……」
夜鬼嶋「今はこの戦いを1人で切り抜けることを考えろ、その後でゆっくりと考えてみるといい…」
句崇刃「そうするよ、ありがとうな」
夜鬼嶋?「気にするな、こいつに死んでもらっては困る。いろんな意味でな」
句崇刃「?どういうこ…」
夜鬼嶋?「今はこの戦いに集中しろ!いくぞ!」
そういって夜鬼嶋?は破天を向かって攻撃をする、その攻撃は破天に届きダメージを与える!
破天「クッ…早すぎる!流石に他に余裕を割いてる暇はないか…」
句崇刃「今のうちに名織さんを!」
〜キサラの元に移動中〜
鬼沙羅「句崇刃君!?それに担いでるのは名織さん!?」
春咲「名織ちゃん!?そんな…」
句崇刃「すまねえ…思ったよりアイツは手練れの猛者だった。名織さんの治療を頼む、それと更に後から夜鬼嶋さんも来るかもしれねえから頼むぜ」
春咲「本当は手助けに行きたいのだけど…」
春咲は自分の元に集まる子供に目を伏せる
句崇刃「気にしないでくれ、そっちにも色々と事情がありそうだしな、俺がなんとかする」
鬼沙羅「……そうだね、勝ってくるって約束したもんね、絶対に負けないでよ!あんな男なんかに!」
句崇刃「あぁ…約束だ!」
〜破天の元に戻る〜
破天「クッ…本当に恐ろしいね、時間制限があってよかった」
破天は思ったより傷を負っていた
夜鬼嶋?「少しは考えれたようだな」
句崇刃「あぁ…あとは1人でもなんとかする」
夜鬼嶋?「フン…任せても良さそうだな」
そうして入口の方に消えていく…
破天「痛えな…思ったより強かったよアイツ…でもこれで後は君だけだ、終わらせるとするか」
句崇刃「そうだな…終わりにしよう!」
そうして句崇刃は根源の力を完全開放する!
破天「…全く君のその力は忌々しい!圧倒的な武力で仕留める!」
そう言いつつも似力を使い、靴に油を纏わせるが、根源の力の反発力によって弾き飛ばす!
破天「やはり根源の力は他の力を混ざることを嫌う…やっぱりボクの似力みたいなタイプには天敵だよ…」
句崇刃「そうだな…お陰でお前に安心して向き合える」
そういって拳を振るう…それは凄まじい拳圧と共に破天の体を更に傷つける!
破天「くっ…流石にボクの方もキツくなってきたな…これで決めさせてもらうよ!」
そうして破天は今までに見たことない構えをとり始める…
句崇刃「そうだな…そっちの似力が通用しないならそうくるよな。受けてたってやるよ、それで完全決着にしてやる」
句崇刃も師範代から教わった構えを取り2人は一触即発の状態になる!
そうして数刻の時が流れた時…
破天「…!破天槍突羽!!」
句崇刃「鬼源骨破刃!!」
2人の大技がぶつかり合いその場に大きな力の唸りが生まれる!そしてその力のぶつかり合いの勝者は…
破天「……何!?グッッ!!グアアア!」
句崇刃の技の方が勝負に勝ち、破天の左腕を吹き飛ばす!!
句崇刃「……俺の勝ちだ、トドメはちゃんと刺させてもらう」
しかし破天は苦しくも笑っていた
句崇刃「何笑ってやがる」
破天「後ろを見ろォ!」
そこには一本だけ力のぶつかり合いで鬼姫の装置の近くに吹き飛んだ槍が宙に浮き鬼姫を刺そうとしていた
句崇刃「何!?母さん!!」
句崇刃はかけだしたが距離があり、母親を守るため仕方なく根源の力を応用して槍を母親に当たらないよう装置の別の場所にぶつける。
破天「力の防御を解いたな!これで終わりだァァァ!」
句崇刃「グアアア!ウアアアア!」
防御の隙をつかれ凶悪な電圧の電気を纏わされた句崇刃は意識がなくなりそうになる
破天「はぁ……はぁ……ギリギリだったけど、ボクの逆転勝利だぁ!ウッ……流石に深手を追いすぎたな、他の奴らはまた今度殺しに行けばいい…今は一番の障害になり得るこの男のトドメをしたらすぐに逃げないと…ね」
句崇刃「(まずい…この男をここで逃すわけには…動け、俺の体…)」
しかし意思に反して体は動かない、そして破天が迫り来る
句崇刃「(すまねえみんな…デカい口叩いた割には最後に負けちまった。春咲さんは泣くだろうな…キサラには呪いをかけることになっちまうな、他のみんなは破天に立ち向かってしまうのだろうか…できればそうなってほしくはないが…)」
そして最後に
ごめんな母さん、俺には仇を取ることができなかった。母さんだけでも…生きて
そうおもった直後槍は振り下ろされる…
???「鬼突破」
破天はその声に目を見開いて声がした方を見る、その瞬間には既に突き飛ばされていた
句崇刃「(なんだ…なにが?)」
更にその後に句崇刃は服を掴まれて拾い上げられる感覚を覚える、そしてその声の主はこう言った。
鬼姫「さっさと起きないか、息子や。アイツを倒すんじゃないのかい?」
その声は聞いたことない声だった、しかしそれが誰かを句崇刃は本能で理解する。そしてそれを理解した瞬間途切れかけた意識が一瞬で回復し…母親に向き直る
句崇刃「母さん!?意識が戻ったのか!?」
鬼姫「まあね、何が原因かはわからないけどもしかしたら息子が助けに来てくれてるのに寝てるわけにはいかなくなったのかもね」
句崇刃「……そうかよ、でも元気そうでよかった」
鬼姫「息子に心配されるとはまだまだ精進が必要かね」
破天「クソガァァァ!今まで目覚めなかっただろ!!なんでこんなぁ!こんな間が悪いタイミングでぇ!」
鬼姫「さあね、でも神は見てるんじゃないかい?お前みたいな夫を刺殺して息子を苦しめるようなクソ男に正義の鉄拳を加えさせるためにね!!」
破天「……そうかよぉぉ!ならこれだけは使いたくなかったが!お前ら2人まとめて地獄に叩き落としてやるよぉ!」
そうしてさっきとは比べ物にならない、そして禍々しいオーラを纏い最後の一本の槍に絶大な力を込める
句崇刃「まだ余力持ってやがったのか…そこだけは尊敬してやるぜ、でもな」
鬼姫「息子と2人で闘える今!なんだろうと敵じゃないさ…」
そうして2人は最後の決着の拳を合わせる…
先に動いたのはやはり破天だった
破天「くらって死に絶えろ!絶死甲鎧殺ぅぅぅ!!」
まさに槍の放った空間を抉り取り消し去ろうとする突きだった、しかし
句崇刃「これで!!!」
鬼姫「終わりだ!!!」
2人の合体技が放たれる
来 寿 の 鬼 護 破 拳
放たれた2人の合体技が破天の攻撃と相対しぶつかり合う
破天「負けて…たまるかぁぁ!ボクは自由になって…今度こそ」
しかしそこに一つの風が鳴く、その風は破天の体勢を崩し技の威力を弱めた
句崇刃「…父さん!?」
鬼姫「全く…最後まで私のことを…」
そして弱まった破天の攻撃は2人の攻撃によってかき消され、その攻撃は破天の体を抉り取った。
破天「クソッタレ…ほんとに負けか…」
句崇刃「…これで本当に終わりだな」
鬼姫「そうだな…」
破天「でも最後に君とまた話す機会があってよかった…誰も気味がわるがったりして近寄らなかったりしたのに君だけは…」
鬼姫「そうだな…でも実力行使に出た以上もう看過はできぬ、それに時代は変わった」
破天「そうだね、ボクは消えるとしよう…句崇刃君…いや升斗君」
句崇刃「…なんだ?」
破天「ボクを見てくれてありがとう、君との戦いは楽しか……った」
それを遺言として破天は絶命し、その体は崩れて風に流されていった
鬼姫「……バカもの、正道の道を歩んでいればお前もきっと…」
句崇刃「……帰ろう、みんなの元へ」
鬼姫「そうするとしようかの」
〜そうして2人でみんなの元に戻る〜
鬼沙羅「…!句崇刃君!!勝ったんだね!!それに隣にいるのは…」
鬼姫「おお、鬼沙羅家の嬢ちゃんじゃないか、会うのは初めましてじゃな」
春咲「鬼姫さん、お久しぶりです」
名織「本当にお久しぶりです…」
鬼姫「そっちは恋織さんところの嬢ちゃんに信館さんのとこの嬢ちゃんじゃないか、なんだ昔に比べて落ち着いてるじゃないかい、喧嘩とかしてたんじゃないのかい?」
春咲「もう!遠い昔の話ですよ」
名織「そういうところは昔から変わらないですね」
そういう2人の顔は笑顔である
鬼姫「他にもいろんな人が来てるじゃないかい!うちの息子ながら人徳あるじゃないか、皆のもの!うちの息子のためにありがとう」
そう言って頭を下げる鬼姫の姿はまさに母親だった
バリトン「いえいえ、こちらこそ」
ニルヴァン「弟子がかなり世話になったしな…」
バニシアス「僕も句崇刃さんみたいになりたいです!」
題舵鉢「やっと会えた母親なんだ、大切にしなよ?」
フラスコ「大切な人を守るその力!かっこいいぜ!」
引岸「うむ!天晴れな戦いだった!」
かだん「今後も色々と学ばせてもらうぜ!」
からん「わたしにも勇気をくれてもらってます…」
皆が口々に句崇刃に声をかける
鬼姫「全く…親がいなくても成長してくれてて…ありがとう」
句崇刃「それじゃ、日常に帰るとするか!」
come・meDS インシデント
第一部 完
胤波「…死んでしまったか、アイツ。私もいつか裁かれてしまうのだろうか…」
第一章終了になります。
この後はエピローグを書いて二章を執筆します。




