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最終章 come・me区 〜The beginning sunrise〜  作者: rianchef


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6/6

file.final come・me区の夜明けは風に乗って…

前回のあらすじ

ついにバテン・ガイストと対峙し、勝利を得て母親である鬼姫を救い出して全てが終わろうとしていた…

しかし鷹矢凪に変装していた破天 鎧斗に奇襲を仕掛けられるも見事に回避する。そして会話の中で句崇刃はこの男こそが両親や師範代を苦しめた元凶であると理解する。ここに最後の戦いが始まる!

夜鬼嶋(やとしま)「ヤツは不思議な似力(ぎりょく)を使います!ヤツの手に気をつけて下さい」

ジラン「そうか……まだこの男の手がわからない以上気をつけておくに越したことはないか」

名織(なおり)「とりあえず、私の怒りを始めにぶつけさせてもらおうかしら!」

そういった名織(なおり)はまずは普通の拳を破天(はてん)に放つが、当たるはずの拳はすり抜けてしまう

名織(なおり)「…!?今攻撃したのに当たっていない!?」

そう気づいた頃には後ろから見えない斬撃が背中に当たってしまう

名織(なおり)「…ッ!なんでそんなところから攻撃が…」

すぐにキサラが傷を直そうとする!それを邪魔しようとする破天(はてん)をジランと夜鬼嶋(やとしま)が止めに入る!

ジラン「月の突き(ルナ・ドルナ)!」

夜鬼嶋(やとしま)慣斬刃(かざんば)!」

2人の攻撃はやはり破天(はてん)には当たらない、そしていきなり何もないところから槍が出現するが、2人はそれをかわす。

夜鬼嶋(やとしま)「クッ…かなり面倒な似力(ぎりょく)ですね…発動条件に手があることぐらいしかまだ情報が…」

ジラン「どういう似力(ぎりょく)なのかは…句崇刃(くたかば)の探偵力に任せてみようか」

句崇刃(くたかば)は思案して、持ってきていたナイフを2本、それぞれ別の方向に投げてみたが破天(はてん)には避ける動作もなくかわされる

句崇刃(くたかば)「(今投げたナイフを避けないってことはそもそも当たらなくなる、幽霊になる似力(ぎりょく)か…?しかしそれだと夜鬼嶋(やとしま)さんがくらった燃える攻撃の説明がつかないし原理がまだまだわからない…)」

夜鬼嶋(やとしま)句崇刃(くたかば)君、私の似力(ぎりょく)であの男から感じ取れることはないかみているのですが…何故か霞がかったような感じになり今までにない感じで少し困惑しています。これが何かあの男の似力(ぎりょく)の正体の解明に役が立ちそうですか?」

句崇刃(くたかば)「……いや、試してみる価値はあるな。ありがとう刃慣(はなれ)さん」

夜鬼嶋(やとしま)「えっ!?今私のこと名前で!?!?」

句崇刃(くたかば)は持っていたありったけのナイフを等間隔に落ちるように投げた!すると破天(はてん)は回避する動作を見せる…

名織(なおり)「この攻撃は避けた!?一体何の似力(ぎりょく)なのかしら…」

句崇刃(くたかば)「なるほど…大体読めてきたぜ、お前の似力(ぎりょく)

ジラン「早いな…流石は句崇刃(くたかば)だ」

句崇刃(くたかば)「お前の似力(ぎりょく)、それは何かを纏ったり相手に纏わせたりする似力(ぎりょく)だ、今は正しい位置が悟られないように少しズレた自分の像を纏っているんだろ?」

名織(なおり)「……なるほど、だから普通に殴っても攻撃が当たるわけないし…」

夜鬼嶋(やとしま)「私の似力(ぎりょく)は相手を正確に視認していなければ発動しない…中途半端だったのは正確な位置が見えていなかったから…」

句崇刃(くたかば)「そして攻撃を避けたのはいくら位置がわからなくても範囲攻撃は当たる可能性が高い、だから避けるしさっきから喋らないのも音で位置を特定される可能性があるからだろ?」

そういっているとまた破天(はてん)の像が崩れ本体があらわになる

破天(はてん)「全くやたらと頭のいい男だ…父親譲りかな?」

句崇刃(くたかば)「一応きいておこう…父さんの姿をしてたのも今と同じ要領で、夜鬼嶋(やとしま)さんの腕を燃やしたのはそのまま火を纏わせたってことでいいのかな?」

破天(はてん)「大正解だよ!ボクの似力(ぎりょく)甲纏塵着(こうまじんちゃく)…自分で纏ったり、逆に相手に纏わせることができる能力だよ。もしかしてきづいたんじゃないの?」

名織(なおり)「一体この自信はどういうことなのかしら」

句崇刃(くたかば)「こいつは像を纏うことで変身したり位置の誤認をさせてたりした…逆に相手の腕にいきなり炎を纏わせて火傷にした…こいつの纏う、纏わせるの能力の範囲はかなり広い…つまりそれは使われる戦略の幅が広いということ…」

破天(はてん)「そういう…ことだ!」

破天(はてん)はキサラに素早く近づき何かを纏わせようとしてくる!

ジラン「…!?何か不味い!」

何か危機を察知したジランがキサラを突き飛ばしキサラは助かったがジランはもろに何かを纏わせられた

ジラン「クッ…ガハァ!これは毒か、やられたな」

破天(はてん)「そうそう、昔自販機の飲み物に混入させられてたアレだよアレ」

句崇刃(くたかば)「ジラン!」

ジラン「俺のことはいい!いずれまた復活はできる!それよりもヤツは危険だ…その子だけでも逃がせ!」

句崇刃(くたかば)「その方がいいか…掴まれキサラ!」

鬼沙羅(きさら)「えっ!う、うん!」

句崇刃(くたかば)がキサラを掴み部屋の入り口までお姫様抱っこの要領で運ぶ

破天(はてん)「妬けるねぇ…でもそんなカモ逃すとでも?」

名織(なおり)鬼波の破面(オーガ・ヴェザイテン)!」

夜鬼嶋(やとしま)鬼の面断(おにのめんだん)!」

2人の攻撃を凌ぐため防御している隙にキサラを逃す!

句崇刃(くたかば)「キサラ、お前はあっちにいるみんなの治療を頼む!心配すんな!絶対コイツ倒して帰ってくるからよ!」

鬼沙羅(きさら)「……うん、わかった。絶対勝って鬼姫(きき)さん連れて帰ってきてね」

そうしてキサラはこの場を離れる

破天(はてん)「うーんしょうがない、あっち追いかけても人が増えて面倒だしもう1人始末できたしね」

そう指さすとジランが血を吐いて死んでいる

句崇刃(くたかば)「くっ…すまない」

名織(なおり)「ここからキサラちゃんもいない…致命傷だけは避けないとね」

破天(はてん)「さーて次はどうしようかな、そうだなーこれ使うか。スイッチオン」

そういうと部屋に取り付けられた複数の換気扇のようなものが回転する!

夜鬼嶋(やとしま)「これは…」

そう呟く間にすぐに3人は異変に気付く

名織(なおり)「これは黒い煙…!?」

そういった直後名織(なおり)は後ろから攻撃をくらう

名織(なおり)「今度は煙の中から闇討ちってわけ?悪趣味ね」

破天(はてん)「本当は劇薬を散布して一気に殺そうと思ったんだけどそれだと換気扇の羽が持たなくてね」

夜鬼嶋(やとしま)「このままではただ闇討ちされるだけでなくまた何か纏わせられるかも…」

破天(はてん)「おっ、君は勘が鋭いねぇ」

夜鬼嶋(やとしま)は驚異的な反射速度でかわそうとしたが右手と右足に何かを纏わせられてしまった

夜鬼嶋(やとしま)「くっ…今度は何を纏わ、せ…?」

夜鬼嶋(やとしま)が右手に持っていた剣を落としそうになる、慌てて持ち直そうとするが腕が上がらない…さらに右足の動きもおぼつかなくなる

句崇刃(くたかば)夜鬼嶋(やとしま)さん!!大丈夫か!?」

破天(はてん)「ははは!効くでしょ!その筋弛緩剤、高いヤツだからね。ほんとは両手両足に纏わせるつもりだったのに片方ずつにしかできなかったや、ほんとは毒物で殺しても良かったんだけどなんでかこの似力(ぎりょく)さ、食わず嫌いなのかある程度の種類分けされた区画があっておんなじグループのものは一日一回しか相手やモノに纏わせられないんだ。だから毒物はもう使えないんだけど何故か毒物と薬物はモノによっては分類が違ってね、一体何を元に判断してるの…やら!」

そうして破天(はてん)は弱った夜鬼嶋(やとしま)に連続して槍で攻撃を仕掛ける!

夜鬼嶋(やとしま)「舐め…るなぁ!」

夜鬼嶋(やとしま)が左手で剣を握り直すが慣れない斬撃で全ての槍を相殺することなど不可能であり、さらに片方の足もうまく動かない状態では徐々に血を流していくしかなかった…

夜鬼嶋(やとしま)「ぐぁぁ…このままじゃいずれ意識…がぁ」

句崇刃(くたかば)「クソッ!どうする!どこにいるんだ!?」

音は聞こえるものの破天(はてん)が攻撃時に夜鬼嶋(やとしま)蹴り飛ばし位置をずらすため位置がわからなくなっている!

名織(なおり)「……リスクが高いけど、このままよりは…」

句崇刃(くたかば)「何か手があるのか!?」

名織(なおり)「かなり体力を使うけど…この煙を消すわ!!」

そういうと名織(なおり)は力を溜め、構えを取る!

破天(はてん)「何をする気か知らないけど…仲間を放っておいていいのかな?」

破天(はてん)はまだ倒れていない夜鬼嶋(やとしま)を攻撃する…

夜鬼嶋(やとしま)「あっ…ううぅ…」

句崇刃(くたかば)夜鬼嶋(やとしま)さん!!もう少し…耐えててくれ!」

名織(なおり)「ごめんなさい、待たせたわね!鬼風童道(オーガズ・ワインド)!」

そういって名織(なおり)の後ろからものすごい風が吹き荒れる!それは換気扇ごと破壊しいろんなモノにヒビを入れながら煙をこの部屋から弾き飛ばす!他のみんなは目を閉じて飛ばないようにするので精一杯だった…

名織(なおり)「みんな大丈夫!?」

破天(はてん)「隙あり」

しかし破天(はてん)は特殊なゴーグルと体に風で吹き飛ばないようにオモリを纏わせ名織(なおり)の肩に触れ攻撃する!

名織(なおり)「そんなオモリ、風の影響は受け流せても私の攻撃は…」

名織(なおり)が反撃しようとする…しかし

句崇刃(くたかば)「…!?名織(なおり)さん!!後ろだァァァ!」

大きく叫んだ句崇刃(くたかば)だったが…既に手遅れだった。破天(はてん)の槍が名織(なおり)を貫く、ギリギリで反応したため致命傷は避けたが…

名織(なおり)「え゛っ…な、ん゛で?確かに…」

破天(はてん)「騙されたねぇwそれはマネキンにボクの姿を映しただけ、そして左手に重力を纏わせて君に感触を覚えさせて本体がそっちにいると誤認させたのさ。まあ反射で反応しないといけないし、話を効いてる限り体力も使ってる、そういう時はそうそう気づかないよなぁ、これで2人目」

そして槍が抜かれ名織(なおり)は意識を失い血がダラダラと流れる

句崇刃(くたかば)「…そんな、名織(なおり)さん…」

またしても仲間がやられ少し句崇刃(くたかば)の戦意が失われていく

破天(はてん)「回復役がいなくなったとはいえ奇襲されるのも嫌だからトドメ刺しとくか」

句崇刃(くたかば)「…ッ、やめろ」

句崇刃(くたかば)は止めるため走り出すが焦りで足を崩してしまう

句崇刃(くたかば)「…あっ、ぐっ」

破天(はてん)「アハハ、君みたいな子でも動揺するんだねぇ。じゃ、バイバイあのクソジジイの娘さん」

句崇刃(くたかば)「や、やめろ…」

やめろー!!!

破天(はてん)「プフーwやめろって言われたら尚更やめるわけないじゃん!」

そういって心臓を刺して殺そうとした破天(はてん)だが…その場の空気がいきなり凍りつく

???「図に乗るなよ……」

その発言の後何か得体のしれない恐怖を感じ取った破天(はてん)はトドメを止めその声の主から離れた

破天(はてん)「…なんだお前は、何者なんだ!?」

句崇刃(くたかば)「……夜鬼嶋(やとしま)、さん??」

そこにはいたのは夜鬼嶋(やとしま)のはずだった、しかしその存在は何かが変わっていた。筋弛緩剤を受けているはずの右手と右足はもはや動かなくてもおかしくないはずなのだが、難なく動いている。

句崇刃(くたかば)夜鬼嶋(やとしま)さん…じゃないよな」

夜鬼嶋(やとしま)?「まったく、こいつはいつも危険なことに首を突っ込んで…もう少し自分のことも大切にしろ」

句崇刃(くたかば)「誰なんだアンタは?」

夜鬼嶋(やとしま)?「今は説明している暇はない、顕現できていられるのも3分くらいだ。その間ヤツと戦闘してやるからそこの重病人をさっさとあの小娘の元に連れて行け、私も顕現が切れる直前にその小娘の元に向かう」

句崇刃(くたかば)「…すまねえ、助かった」

夜鬼嶋(やとしま)?「フン…味方を気にして闘っていたな?確かにお前の内にある力は恐ろしい…だがそれとお前が仲間を信じない気持ちは別だ」

句崇刃(くたかば)「ぐっ……」

夜鬼嶋(やとしま)「今はこの戦いを1人で切り抜けることを考えろ、その後でゆっくりと考えてみるといい…」

句崇刃(くたかば)「そうするよ、ありがとうな」

夜鬼嶋(やとしま)?「気にするな、こいつに死んでもらっては困る。いろんな意味でな」

句崇刃(くたかば)「?どういうこ…」

夜鬼嶋(やとしま)?「今はこの戦いに集中しろ!いくぞ!」

そういって夜鬼嶋(やとしま)?は破天(はてん)を向かって攻撃をする、その攻撃は破天(はてん)に届きダメージを与える!

破天(はてん)「クッ…早すぎる!流石に他に余裕を割いてる暇はないか…」

句崇刃(くたかば)「今のうちに名織(なおり)さんを!」

〜キサラの元に移動中〜

鬼沙羅(きさら)句崇刃(くたかば)君!?それに担いでるのは名織(なおり)さん!?」

春咲(はるさき)名織(なおり)ちゃん!?そんな…」

句崇刃(くたかば)「すまねえ…思ったよりアイツは手練れの猛者だった。名織(なおり)さんの治療を頼む、それと更に後から夜鬼嶋(やとしま)さんも来るかもしれねえから頼むぜ」

春咲(はるさき)「本当は手助けに行きたいのだけど…」

春咲(はるさき)は自分の元に集まる子供に目を伏せる

句崇刃(くたかば)「気にしないでくれ、そっちにも色々と事情がありそうだしな、俺がなんとかする」

鬼沙羅(きさら)「……そうだね、勝ってくるって約束したもんね、絶対に負けないでよ!あんな男なんかに!」

句崇刃(くたかば)「あぁ…約束だ!」

破天(はてん)の元に戻る〜

破天(はてん)「クッ…本当に恐ろしいね、時間制限があってよかった」

破天(はてん)は思ったより傷を負っていた

夜鬼嶋(やとしま)?「少しは考えれたようだな」

句崇刃(くたかば)「あぁ…あとは1人でもなんとかする」

夜鬼嶋(やとしま)?「フン…任せても良さそうだな」

そうして入口の方に消えていく…

破天(はてん)「痛えな…思ったより強かったよアイツ…でもこれで後は君だけだ、終わらせるとするか」

句崇刃(くたかば)「そうだな…終わりにしよう!」

そうして句崇刃(くたかば)は根源の力を完全開放する!

破天(はてん)「…全く君のその力は忌々しい!圧倒的な武力で仕留める!」

そう言いつつも似力(ぎりょく)を使い、靴に油を纏わせるが、根源の力の反発力によって弾き飛ばす!

破天(はてん)「やはり根源の力は他の力を混ざることを嫌う…やっぱりボクの似力(ぎりょく)みたいなタイプには天敵だよ…」

句崇刃(くたかば)「そうだな…お陰でお前に安心して向き合える」

そういって拳を振るう…それは凄まじい拳圧と共に破天(はてん)の体を更に傷つける!

破天(はてん)「くっ…流石にボクの方もキツくなってきたな…これで決めさせてもらうよ!」

そうして破天(はてん)は今までに見たことない構えをとり始める…

句崇刃(くたかば)「そうだな…そっちの似力(ぎりょく)が通用しないならそうくるよな。受けてたってやるよ、それで完全決着にしてやる」

句崇刃(くたかば)も師範代から教わった構えを取り2人は一触即発の状態になる!

そうして数刻の時が流れた時…

破天(はてん)「…!破天槍突羽(はてんそうとうば)!!」

句崇刃(くたかば)鬼源骨破刃(きげんこっぱじん)!!」

2人の大技がぶつかり合いその場に大きな力の唸りが生まれる!そしてその力のぶつかり合いの勝者は…

破天(はてん)「……何!?グッッ!!グアアア!」

句崇刃(くたかば)の技の方が勝負に勝ち、破天(はてん)の左腕を吹き飛ばす!!

句崇刃(くたかば)「……俺の勝ちだ、トドメはちゃんと刺させてもらう」

しかし破天(はてん)は苦しくも笑っていた

句崇刃(くたかば)「何笑ってやがる」

破天(はてん)「後ろを見ろォ!」

そこには一本だけ力のぶつかり合いで鬼姫(きき)の装置の近くに吹き飛んだ槍が宙に浮き鬼姫(きき)を刺そうとしていた

句崇刃(くたかば)「何!?母さん!!」

句崇刃(くたかば)はかけだしたが距離があり、母親を守るため仕方なく根源の力を応用して槍を母親に当たらないよう装置の別の場所にぶつける。

破天(はてん)「力の防御を解いたな!これで終わりだァァァ!」

句崇刃(くたかば)「グアアア!ウアアアア!」

防御の隙をつかれ凶悪な電圧の電気を纏わされた句崇刃(くたかば)は意識がなくなりそうになる

破天(はてん)「はぁ……はぁ……ギリギリだったけど、ボクの逆転勝利だぁ!ウッ……流石に深手を追いすぎたな、他の奴らはまた今度殺しに行けばいい…今は一番の障害になり得るこの男のトドメをしたらすぐに逃げないと…ね」

句崇刃(くたかば)「(まずい…この男をここで逃すわけには…動け、俺の体…)」

しかし意思に反して体は動かない、そして破天(はてん)が迫り来る

句崇刃(くたかば)「(すまねえみんな…デカい口叩いた割には最後に負けちまった。春咲(はるさき)さんは泣くだろうな…キサラには呪いをかけることになっちまうな、他のみんなは破天(はてん)に立ち向かってしまうのだろうか…できればそうなってほしくはないが…)」

そして最後に

ごめんな母さん、俺には仇を取ることができなかった。母さんだけでも…生きて

そうおもった直後槍は振り下ろされる…










???「鬼突破(おにとっぱ)

破天(はてん)はその声に目を見開いて声がした方を見る、その瞬間には既に突き飛ばされていた

句崇刃(くたかば)「(なんだ…なにが?)」

更にその後に句崇刃(くたかば)は服を掴まれて拾い上げられる感覚を覚える、そしてその声の主はこう言った。

鬼姫(きき)「さっさと起きないか、息子や。アイツを倒すんじゃないのかい?」

その声は聞いたことない声だった、しかしそれが誰かを句崇刃(くたかば)は本能で理解する。そしてそれを理解した瞬間途切れかけた意識が一瞬で回復し…母親に向き直る

句崇刃(くたかば)「母さん!?意識が戻ったのか!?」

鬼姫(きき)「まあね、何が原因かはわからないけどもしかしたら息子が助けに来てくれてるのに寝てるわけにはいかなくなったのかもね」

句崇刃(くたかば)「……そうかよ、でも元気そうでよかった」

鬼姫(きき)「息子に心配されるとはまだまだ精進が必要かね」

破天(はてん)「クソガァァァ!今まで目覚めなかっただろ!!なんでこんなぁ!こんな間が悪いタイミングでぇ!」

鬼姫(きき)「さあね、でも神は見てるんじゃないかい?お前みたいな夫を刺殺して息子を苦しめるようなクソ男に正義の鉄拳を加えさせるためにね!!」

破天(はてん)「……そうかよぉぉ!ならこれだけは使いたくなかったが!お前ら2人まとめて地獄に叩き落としてやるよぉ!」

そうしてさっきとは比べ物にならない、そして禍々しいオーラを纏い最後の一本の槍に絶大な力を込める

句崇刃(くたかば)「まだ余力持ってやがったのか…そこだけは尊敬してやるぜ、でもな」

鬼姫(きき)「息子と2人で闘える今!なんだろうと敵じゃないさ…」

そうして2人は最後の決着の拳を合わせる…

先に動いたのはやはり破天(はてん)だった

破天(はてん)「くらって死に絶えろ!絶死甲鎧殺(ぜっしこうがいさつ)ぅぅぅ!!」

まさに槍の放った空間を抉り取り消し去ろうとする突きだった、しかし

句崇刃(くたかば)「これで!!!」

鬼姫(きき)「終わりだ!!!」

2人の合体技が放たれる

来 寿 の (クル・メー)鬼 護 破 拳(オーガ・オリジン)

放たれた2人の合体技が破天(はてん)の攻撃と相対しぶつかり合う

破天(はてん)「負けて…たまるかぁぁ!ボクは自由になって…今度こそ」

しかしそこに一つの風が鳴く、その風は破天(はてん)の体勢を崩し技の威力を弱めた

句崇刃(くたかば)「…父さん!?」

鬼姫(きき)「全く…最後まで私のことを…」

そして弱まった破天(はてん)の攻撃は2人の攻撃によってかき消され、その攻撃は破天(はてん)の体を抉り取った。

破天(はてん)「クソッタレ…ほんとに負けか…」

句崇刃(くたかば)「…これで本当に終わりだな」

鬼姫(きき)「そうだな…」

破天(はてん)「でも最後に君とまた話す機会があってよかった…誰も気味がわるがったりして近寄らなかったりしたのに君だけは…」

鬼姫(きき)「そうだな…でも実力行使に出た以上もう看過はできぬ、それに時代は変わった」

破天(はてん)「そうだね、ボクは消えるとしよう…句崇刃(くたかば)君…いや升斗(じょうと)君」

句崇刃(くたかば)「…なんだ?」

破天(はてん)「ボクを見てくれてありがとう、君との戦いは楽しか……った」

それを遺言として破天(はてん)は絶命し、その体は崩れて風に流されていった

鬼姫(きき)「……バカもの、正道の道を歩んでいればお前もきっと…」

句崇刃(くたかば)「……帰ろう、みんなの元へ」

鬼姫(きき)「そうするとしようかの」

〜そうして2人でみんなの元に戻る〜

鬼沙羅(きさら)「…!句崇刃(くたかば)君!!勝ったんだね!!それに隣にいるのは…」

鬼姫(きき)「おお、鬼沙羅(きさら)家の嬢ちゃんじゃないか、会うのは初めましてじゃな」

春咲(はるさき)鬼姫(きき)さん、お久しぶりです」

名織(なおり)「本当にお久しぶりです…」

鬼姫(きき)「そっちは恋織(こおり)さんところの嬢ちゃんに信館(のぶたち)さんのとこの嬢ちゃんじゃないか、なんだ昔に比べて落ち着いてるじゃないかい、喧嘩とかしてたんじゃないのかい?」

春咲(はるさき)「もう!遠い昔の話ですよ」

名織(なおり)「そういうところは昔から変わらないですね」

そういう2人の顔は笑顔である

鬼姫(きき)「他にもいろんな人が来てるじゃないかい!うちの息子ながら人徳あるじゃないか、皆のもの!うちの息子のためにありがとう」

そう言って頭を下げる鬼姫(きき)の姿はまさに母親だった

バリトン「いえいえ、こちらこそ」

ニルヴァン「弟子がかなり世話になったしな…」

バニシアス「僕も句崇刃(くたかば)さんみたいになりたいです!」

題舵鉢(だいかばち)「やっと会えた母親なんだ、大切にしなよ?」

フラスコ「大切な人を守るその力!かっこいいぜ!」

引岸(ひきぎし)「うむ!天晴れな戦いだった!」

かだん「今後も色々と学ばせてもらうぜ!」

からん「わたしにも勇気をくれてもらってます…」

皆が口々に句崇刃(くたかば)に声をかける

鬼姫(きき)「全く…親がいなくても成長してくれてて…ありがとう」

句崇刃(くたかば)「それじゃ、日常に帰るとするか!」


come・me(クル・メー)DS インシデント

第一部 完





胤波(つぐなみ)「…死んでしまったか、アイツ。私もいつか裁かれてしまうのだろうか…」

第一章終了になります。

この後はエピローグを書いて二章を執筆します。

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