file.5 破天荒な世界の中で
前回のあらすじ…
ヤツを信じてはいけない…俺もヤツに隙をつかれ…
(文章はここで途切れている)
鷹矢凪「ついたぞ…ここが鬼姫のいる俺が作った保護室だ…」
句崇刃「……母さん、今助けるからな」
鷹矢凪「バテン・ガイストは復活してからもう既に結構経っている、既に鬼姫の中に力は無くなっているがそれでもお前の力と共にかつて傷をつけた相手のことを許しはしないだろう…」
夜鬼嶋「…!あの空にいるのは」
そうして羽の生えた四足歩行の怪物が手に斧を携え部屋のガラスを破壊して侵入してくる!
バテン「グラォォン!」
句崇刃「こい!ここで全ての決着をつけてやる!」
そうしてバテン・ガイストとの闘いが、最後の戦いが幕を開ける!
鷹矢凪「まずはこの俺から行かせて貰おう!虫颯狩!」
鷹矢凪が鋭い突きを放った部位が弾け飛ぶがすぐに再生する!
句崇刃「こいつ!?再生能力が早すぎる…!」
鷹矢凪「正直一度封印できるくらいには弱体化させてあるし元より非常識に強いわけではない…がこのバケモノは再生能力が異様に高い、前の戦いでもこれのせいで無為に被害が広がってしまった」
夜鬼嶋「つまり、強力な一撃を叩き込む必要がある…そしてその役目は」
鷹矢凪「そう…息子の根源の力と鬼の力、何故かはわからないがヤツはその力を嫌う。俺とお前で隙を作って攻撃のチャンスを誘発するぞ!」
夜鬼嶋「正直呼び方についてはまだ癪ですが!どちらにせよ私達ではどうにもならないなら託すしかありません!」
そうして鷹矢凪と夜鬼嶋が前に出て句崇刃の攻撃のチャンスを作る!
バテン「ドゥルアオオア!」
しかしバテン・ガイストも激しい攻撃を振りかざし行手を阻む!
夜鬼嶋「クッ!攻撃範囲が広すぎてなかなか隙を…」
鷹矢凪「甲垓刃!」
句崇刃「少しよろめいた!今だ!鬼裂斬刃!」
句崇刃の拳がバテン・ガイストに刺さる!やはり効いているのか体を暴れさせのたうち回る!
鬼沙羅「大丈夫ですか!?鬼情のローレライ!」
キサラが夜鬼嶋と鷹矢凪の傷を回復する!
鷹矢凪「助かった、ありがとう」
夜鬼嶋「このままいけば討伐できそうですが…」
しかしバテン・ガイストも猛攻を仕掛けようとしてくる
夜鬼嶋「ここは私が一度切り伏せましょう…鬼刃の慣絶!」
夜鬼嶋が放つ斬撃はバテン・ガイストに少し入り、よろめかせる!
鷹矢凪「…すまんな、思ってたより侮っていたようだ。俺も続こう、到中鎧風!」
句崇刃「ここだ!鬼怪の虎刃」
バテン・ガイストにダメージが入っているが、その再生能力を止めることはできない!
鬼沙羅「いくら回復できると言っても持久戦は…」
鷹矢凪「……息子よ、何か感じないか?」
句崇刃「…?どういうことだ?」
鷹矢凪「…ヤツは、異様にその根源の力を怖がる。もしかしてその力にはヤツの弱点か何かを見通すことができる何かがあるのかもしれない…予感でしかないがな」
句崇刃「無駄足になるかもだがやってみるか…」
そうして句崇刃は目を閉じ、集中する…
夜鬼嶋「慣斬の刃陣!!」
鷹矢凪「竜の暴風絵巻!!」
2人がバテン・ガイストと対峙する中で句崇刃はある一点が他の場所とは違う感じ方をするのを見抜く!
句崇刃「…!首だ!ヤツの首だけほんのわずかだが異なるオーラを感じる気がする!」
鷹矢凪「…ならば2人でヤツの足止めをする、その状態になったらキツイ一撃をヤツの首に打ち込むんだ!」
鬼沙羅「その前に回復を受けてください!」
句崇刃も鬼情のローレライの回復を受け万全の状態でバテン・ガイストに立ち向かう!
バテン・ガイストも今まで以上のスピードとパワーで攻撃を仕掛ける!その斧の一撃は致命傷になるはずだったが….
夜鬼嶋「確かに激しい攻撃です…が!」
鷹矢凪「勝ちに来てるんでな…」
慣 鬼 の 抜 嶋!
風 穿 の 殻 胴!
2人の攻撃が弱っているバテン・ガイストの両足に甚大なダメージを与える!
夜鬼嶋「これなら!」
鷹矢凪「今だ!息子よ!決着をつけてくれ!」
句崇刃「ありがとう…2人とも、これで!終わらせる!」
バテン・カイトスが起きあがろうとするよりも先に句崇刃の一撃が急所の首に届く!
明 王 の 鬼 拳
首に根源の力を最大限に放出したアッパーカットを模した攻撃を受けたバテン・ガイストはその体が崩れ消えていく…
句崇刃「結局援軍を待たずに終わったな…それでいいんだが」
鷹矢凪「一度の封印で多少の弱体化があったとはいえ倒せたのは息子よ、お前の鍛錬の成果だ、それにさんざ実力をみくびっていて悪かったな、警察の娘よ」
夜鬼嶋「…釈然としませんが、まあ全て終わった今となってはいいでしょう…」
そんな話をしているとバテン・ガイストの崩れた体から黒い硬質な玉が出てくる
句崇刃「これは…」
鷹矢凪「それがバテン・ガイストの呪いを解ける黒死の腑だ、行ってこい…お前が鬼姫の呪いを解いてくるんだ」
句崇刃「…いいのか?」
鷹矢凪「結局一瞬たりともお前と鬼姫を一緒に居させることができなかった…せめてもの罪滅ぼしと思って行ってくれ…」
句崇刃「…わかったよ、行ってくる」
そうして句崇刃は鬼姫のいる装置の方向へ歩いて行く…
その5本の槍はいきなり現れた
それに2人が気づいた頃には既に句崇刃に向けて放たれていた
そして鷹ten凪 gay渡は薄ら笑いをしていた
そうしてその槍は…
句崇刃「廻鬼蓮蹴!」
全て句崇刃が放つ回し蹴りの連撃で地に堕とされた
鷹矢凪?「何!?タイミングは完璧だったはず!?」
夜鬼嶋「貴様!!やはり元から嵌めるつもりで!」
鷹矢凪?「フッ…お前は邪魔だな」
そういって鷹矢凪?は夜鬼嶋に手をかざす!すると何も起きてなかった夜鬼嶋の両手がいきなり燃えだす!
夜鬼嶋「な…なにが!?ウッ…ウァァ、熱い…」
持っていた刀を落とし倒れ込んでしまう…
鬼沙羅「夜鬼嶋さん!!」
キサラがすぐさま鬼情のローレライを使うが火傷が広がりすぎて治療に時間がかかってしまう
鷹矢凪?「これで邪魔されないな、にしてもなんで気づいた?ヘマはしてないと思ったんだけどなぁ…」
句崇刃「俺が怪しいと思った、もしくはそう確信できた点は3点ある」
鷹矢凪?「どうせ援軍待ってるんだろうし後学のために聞いてもいいかな?」
句崇刃「いいぜ…でもその前にさっさとその悪趣味な変装をやめろ、なぁ」
破 天 鎧 斗さんよ!
すると鷹矢凪だったフォルムは風に流されるように消え去りそこには羽根の生えた妖精の皇子のような男が現れた
破天「…いやはや、まさか正体までバレてるとはね…」
句崇刃「全く悪趣味なやつだ…俺が怪しいと思ったのはまず2点、母さんの呼び方とバテン・ガイストというバケモノの成り立ち。そして確信に至ったのはcome・me区の名前を出したタイミングだ」
破天「ほう?そんなことで見抜いたのか!」
句崇刃「まずは一つ目の母さんへの呼び方だが、父さんは鬼姫とは呼ばない。父さんは母さんの家かも援助を受けている、結婚した後も鬼姫さんと呼んでいたんだ。それはその光景を見ていた師範代から聞いたことがある」
破天「ほうほう…そうなのか、知らなかったよ」
句崇刃「……二つ目はバテン・ガイストの成り立ちだ。そもそも都市伝説と言われているこいつだが、そもそも存在しているかが怪しいこと自体は怪しいことではないんだ…」
破天「ほう…それなら何がおかしいというんだ?」
句崇刃「バテン・ガイストのおかしい点、それは伝承の中で語られることが中途半端に感じることが多いことだ」
破天「そうか?何もおかしいところはないと思うが」
句崇刃「いや?例えばバケモノにしては呪いを向ける対象がわかる知能などはさっきのヤツからは感じられなかった、それほどの知能があれば戦闘はからっきしのキサラを多少は狙ってもいいはずだ」
破天「………」
句崇刃「そもそもそのバケモノ全てがバテン・ガイストってわけじゃない、元は名もないただ暴れるバケモノがいたんだろう…それにお前は目を付けて裏から色々な策謀を巡らせた。その結果お前が起こしたことと本来の出来事が混ざり合ってバテン・ガイストが生まれたんだろう…でも暴れ回るバケモノとズル賢い人間の行動が混ざれば多少は怪しくなる。それに俺がバテン・ガイストの出現と母さんが狙われた原因の両方が内通者、つまりお前が原因だと言ったときにお前は否定しなかった…そのときバテン・ガイストが作られた存在じゃないかと気づくのにそんなに時間はかからなかったよ」
破天「……長いな、結局何が言いたいんだよ」
句崇刃「つまりお前のやり口が甘いせいで室伏の話と乖離してる点が出てきて疑問を持たせたってことだよ。室伏の動画の完成度は言うまでもないし、そもそもその戦いに参加してた人間から話を聞けるしな」
破天「……チッ、あのクソジジイか。一発ドギツイ攻撃入れといてやったのにまだ生きてんのか」
句崇刃「なんだと……お前まさか!?」
破天「本当は殺すつもりで攻撃したんだがな、もう1人のクソジジイに阻まれて致命傷にならなかったがな。まあその分そのジジイにもダメージを与えてやったがな」
そのとき部屋に名織とジランが入ってきた
名織「…今なんて言ったのかしら?」
名織は今聞こえた話から怒りを露わにしている
破天「いきなりなんなんだ君たちは、無粋だぞ」
名織「…私は!そのもう1人のクソジジイの娘よ、アンタのせいなのね!師範がいつも楽しみにしてた飲酒を制限させたのは!」
破天「ふーん、そうなのか。まあでもちょっとは意趣返しできてたみたいで良かったよ。ご愁傷様」
そう言って薄ら笑いを浮かべる
名織は腹立たしいこの男に殴りかかりたくなるが、夜鬼嶋の状態を見て踏み止まる
句崇刃「きてくれたか、名織さんと……まさかジランなのか?」
ジラン「あぁ…黄泉から生き返ってきたぞ、弟が世話になったな」
破天「なんだか役者が増えてきたね、それはそれとして最後の確信した点について聞かせてくれないか?」
句崇刃「そうだな…最後に確信した点、それはお前がcome・me区の名前を出した時だ」
破天「これも別におかしなことはなかったと思うが…」
句崇刃「いいや、お前はこの名前を出すまでに4つの地域のことを区だと言っている。なんでこれが確信に至ったかというとそもそもその区が4つに分かれる原因になったのはお前が策略したこの事件のせいだからだ」
破天「でもさ、君は話の中でその4区に言及してたけどそれはどういうことなんだい?」
句崇刃「…信用してなかったからだよ」
破天「ん?」
句崇刃「元より父親でもお前でも敵であることに変わりはない、だから会話には嘘を少しだけ交えておいた。俺が話した内容全てが真じゃなければおかしな点は浮き彫りになる、それにお前は元から何を答えても適当に話を合わせるだけだろう?」
破天「まあ別に重要なことじゃないしね」
句崇刃「だから本当のことを交えつつお前が油断するように仕向けてただけだ」
破天「じゃあ、ボクがここまで君を呼んだ理由もわかってるんだ?」
句崇刃「あぁ…バテン・ガイストは俺の中にある根源の鬼の力を嫌っている、それはあのバケモノのことじゃなくてお前のことだ。だからお前は俺を始末したかった、自分にとって不都合な人間だから!」
破天「大正解!ボクってねなんでもかんでも自分の思い通りにいかないとすまないたちなんだ!あの時もあんなことがなければ今頃鬼姫を手に入れたのになぁ…」
句崇刃「何…いってんだ!」
破天「ほんとは不都合な人間だから始末したかったんだけどね、思ったよりいい女だったから飼い殺しでいいかなと思ってたんだけど…あの男、鷹矢凪に邪魔されてさ。」
句崇刃「テメェ!!まさか!?」
破天「そうそう、うまくいかない腹いせに一番最初にあの時後ろから刺したんだった」
そう破天はカラッと言い放った
句崇刃「クソが!!父さん……」
破天「あぁ、そうだフェルヴェーレングの奴らを復活させる手立てとか言ってたけど…当然そんなものないからね」
鬼沙羅「…え?」
破天「だってそうだろ?なんたって」
ゴ ミ は ゴ ミ と し て 処 分 す る の が 基 本 だ ろ ?
鬼沙羅「そんな…!?酷い…」
夜鬼嶋の治療を終えたキサラが涙を流す…
句崇刃「…もう十分だクソ野郎」
名織「そうね…反省の機会すら必要のないゲス野郎だわ」
ジラン「お前の中の悪の根源、消し去ってやろう」
夜鬼嶋「この区に…いえこの世界に貴方の存在はいりません」
破天「ククク…酷い言われようだな、まあ自らの手を汚せもしない凡夫には難しいことか」
句崇刃「お前の御託は十分だ!父さんを殺し、母さんを苦しめて………幼馴染を泣かせるようなクソ野郎にさっさと引導を渡してやる!!」
ついにバテン・ガイストととの戦いが始まり、暴れ出す相手に対して夜鬼嶋と鷹矢凪のアシストによって句崇刃の攻撃を当てるが、再生の能力によって致命傷を与えられなかった。しかし句崇刃の根源の力によって弱点が見つかったことによって、その弱点を突き勝利を収めた。そしてついに鬼姫との対面……
しかしその場に現れた槍を句崇刃ははたき落す!父親と思われていた鷹矢凪の正体は破天鎧斗という男だった。相手の矛盾を突き、正体を突き止めたが…この男こそ鷹矢凪を殺し、鬼姫を苦しめた全ての元凶だった。幼馴染のキサラすら泣かせることクソ野郎を句崇刃達は成敗することができるか!?
file.finalに続く…
come・me区に語り継がれる伝説
かつてある男がいました、何がなんでも思い通りにいかないとすまないこの男は暴虐の限りを尽くしました。しかしある時別の男がこの暴虐の一つを止めました、それに腹を立てた男は禁術を使い魔獣を呼び寄せその戦いの隙にその男を殺し更に周りの人間にも被害をもたらします。その悪行により封印された後、復活しないように区を4つに分け、その代表者にその男の力を分けたものを封印させました。
しかしいつの日かまたこの男は現れるでしょう…何事も思い通りでないといけない人間がこのまま終わるはずが…




