file.3 最終決戦 side.影の追葬
前回のあらすじ
イストリアに来た一行は3手に別れた、その一つハイエンミュラーと句崇刃についてきた因縁ある味方達が闘いを始める。様々な交錯の末にハイエンミュラーは死亡し、戦いは終結した。
鷹矢凪「…ハイエンミュラーが死んだか、真実を全て伝えることができなかったな…」
句崇刃「……思ったより感傷に浸る感情はあるんだな…」
鬼沙羅「…やっぱり何かおかしいよ、何か事情があるんじゃないの?」
夜鬼嶋「だとしてもこれまでの横柄な行動を許すわけにはいきません」
鷹矢凪「フン…どちらにせよあの場所につけば全て話すつもりだ…」
句崇刃「一体どこのことなんだ」
鷹矢凪「鬼姫…お前の母さんがいるところだ」
句崇刃「何!?」
〜場面は変わって春咲と影の追葬〜
春咲「………聞いていた以上の重苦しい存在ね…」
からん「一瞬でも気を抜いてしまってはやられてしまいます…お気をつけて春咲さん、引岸さん」
引岸「一度対峙し負けた身とはいえ、今度は負けるわけにはいきません」
かだん「今度こそ対策も考えてきてあるし、こんなバケモンは世に放っておくわけにはいかねえぜ!」
影の追葬はまずは様子見で普通の攻撃を仕掛けつつ影質をばら撒きエリアを作る!
かだん「っと!流石にもう普通の攻撃を軽々と受けるわけにはいかねえ」
春咲「それよりもばら撒いた影のエリアから攻撃が来るのは前の戦いから変わらないだろうしこれの対処は!からんちゃん!」
からん「はい!拡散性星屑通信!」
影の追葬(前とは違う雰囲気が気になりつつもさらに攻撃を加速させ、さらにエリアからの同時攻撃によって標的をしとめようとする)
春咲「!そこっ!」
引岸「斬座上!」
影の追葬(攻撃の出始めを攻撃され、流石に困惑した様子で攻撃の手を止めた)
春咲「かなり期間が短かったのに能力の拡張を成してくれて助かったわ、からんちゃん!」
からん「はい…ここまで皆さんの手助けをすることができて嬉しいです!」
引岸「この状態ならヤツの攻撃の脅威度も減ってこちらからの攻勢を仕掛けることができる!」
影の追葬(自分の攻撃が読まれているような気がして周りを見渡すと過去に出会ったあの少女がこちらの様子を見ながら何かを飛ばしているように感じた、その感じた異変を嫌って攻撃をする!)
かだん「気づいたみたいだが、姉貴には攻撃させねえよ!」
からん「私の似力がある限り、貴方の考えを読み取って貴方の攻撃を予知します!!」
かだんが守り、拡散性星屑通信を途切れさせないように立ち回ることで微量ながらもダメージを与えていく!
春咲「にしてもなかなかダメージが入らないわね…雪女の能力もこういうのにはあまり効果がないのよね…」
引岸「前にも思ったことだが底が見えないというのもこの怪物の恐ろしいところです…ね!」
影の追葬は自分側が優勢に立てないことに不満を感じ、不思議な動きを取ってからんを指差す
からん「?何をしているのでしょ…な!?」
突如からんの周りに奇妙な積み木が現れる、攻撃されるような予兆はないがからんはすぐに異変に気づく!
からん「!?これは似力が使えない!?春咲さん!引岸さん!これ以上はサポートが!」
春咲「十分体力を残せているわ、ありがとうからんちゃん、引岸君もまだいけるわね?」
引岸「ただ療養してただけではありませんよ!斬座上・舞刃の型!」
影の追葬(相手の不愉快な感じが消え、ここぞとばかりにかなり苛烈な速度で攻撃をする)
引岸「上座の舞!」
春咲「銀泉の吹雪!」
影の追葬(前とは違う強さに少し焦燥感を感じつつもまだこちらが優勢だと感じ、そのまま攻撃を続ける)
かだん「まずいな…」
からん「え?」
かだん「引岸さんは舞を踊るかのように攻撃しつつ適切に回避をおこなっているからダメージが少ない、ダメージがデカい影の追葬相手には有効な手立てだけど、春咲さんは自分の実力を100%出し切るための型を崩していない…そうなれば回避できない攻撃もそこそこあるからいつか限界が来るのが早いのは春咲さんの方だ!やっぱりあたしも戦闘に参加しねえと!」
からん「こっちは大丈夫…何故だかわからないけどこの積み木がある限り攻撃はされないような気がしてる。いって春咲さんたちを助けにいって!」
かだん「おう!今手助けに行くぜ!」
影の追葬(人が増え攻撃の手を増やさなくならなければなり、めんどくさそうなかんじをだしているが、それでもその攻撃は苛烈さがやまない)
春咲「かだんちゃん!?そっちは大丈夫なの!?」
かだん「どういうわけか姉貴には攻撃しないらしいから助太刀にきたぜ」
引岸「しかしこの苛烈さ、いつか誰かが集中攻撃されれば」
そういった矢先にそろそろと言わんばかりに影の追葬がかなりの物量で攻撃を仕掛けてくる!
引岸「流石に相手側も仕留めるように攻撃をしてきましたね……ここからが本当の戦いですよ」
春咲「えぇ!こっちの攻撃が通らないわけじゃない、いつかは」
影の追葬(とにかく一人でも倒すために攻撃をさらに加速させようとする、その結果からんに使っていた分の影も引き戻していた…その結果)
からん「えっ…きゃあああ!」
崩れた天井の木々や石膏がからんに降り注いでしまう!
かだん「!?しまったいつのまにあの積み木が消えて…このままじゃ姉貴が」
かだんかからんに降り注ぐものを振り払っていたがそれを影の追葬が見逃すわけはなかった。
かだん「グッ…がっ…あっぁぁ」
からん「かだんちゃん!!」
春咲「そんな…かだんちゃん!!!」
引岸「まずい!あの傷の深さでは」
影の追葬(一人を仕留め、意気揚々とはならず、前より強くなった二人の方に向き直る)
かだん「(くそっ…またこんな何もできず仕舞いなのか…姉貴にも心配かけて、このままでいいのかよ…)」
薄れゆく意識の中…泣いているからんを見てその想いは一層強くなる
そうですよ、貴方様の力はそんなものではないはずです
そうだとも、我らの力を献上しようともそれでヤツに勝てるはずだ
かだん「(なんだこの声…どこから聞こえてきやがる、一体なんなんだこれは)」
我ら星の民、今こそ星の力とならん。我らの力を使って我らにとっての滅亡の影、影の追葬を消し去ってくれ
私たちはいつでも見守っているぞ…
かだん「(全く勝手なことばっかり言いやがって…でもそこまで期待されてちゃやってやるか!!)」
春咲「何!?この光はかだんちゃんから!?」
引岸「眩きごとき鮮烈の光!これは新たな力なのか!?」
からん「かだんちゃん!!!!!」
かだんの体の傷が全て消え、さらに特殊な紋様の剣、盾、鎧が装備される!!
影の追葬「……ホシノタミ……」
春咲「!?あのバケモノが喋った!?」
引岸「やはり意思以上の何かがあるのか…ますますわからなくなったな」
影の追葬「………ァアアァァ!!ホシノォ!タミィ!!ワズラワシイクズドモガァァァ!」
影の追葬が激しい攻撃をかだんに集中させたが盾により全て弾かれ、逆にその影は剣によって切り取られていく!
影の追葬「ウガァァァァ!コンナヤツニィィィ!」
からん「かだん!なんなのこれ!?まさか似力が発現したの!?」
かだん「うーんまあ似力ってわけとはちょっと違う気もするかな、なんか星の民とかいうわけわかんないのが話しかけてくるし…でもまあなんか名前があった方が締まりがいいかもな!うーん、なんか勝手に力譲渡してきたし星の民の貢物って名前の能力にしとくか!それよりいくら攻撃が通るようになったとはいえ、結局アタシの攻撃で倒せるかどうかはまだわかんねえ…」
そういう事もあるかと思ってその剣には溜め時間に応じて攻撃力が変わるようにしてありますよ。
かだん「……マジか、星の民の剣便利すぎるだろ…」
ちなみに盾は普通に耐久無限なので無理して使ってもいいよ。
かだん「鎧はなんかないのかよ」
…………
かだん「あっ、おい!力が足りなかったからってなんもつけれなかったとか思ってるんじゃないよな?」
ソンナコトナイヨ
かだん「……まあいいや盾と剣あればなんとかなるか」
からん「かだん…誰と喋ってるのでしょうか…」
春咲「またなんかすごい力に目覚めたものね」
引岸「活路が見えてきたことは喜ばしいことだ、我らも一層頑張らねばな!」
かだん「とりあえず溜め時間を捻出する方向でみんないいか!?」
春咲「オッケーよ!修行の成果の集大成、見せてあげるわ!凍雲の装着!」
引岸「斬座上・双竜の型!」
からん「渦が消えた今なら!拡散性・星屑通信いけます!」
そこから春咲と引岸が影の追葬の攻撃を捌きつつ、かだんの剣のため時間を稼ぐが…
影の追葬「ウガァァァァ!」
春咲「なんなのこいつ….ほんとに際限がない化け物なのかしら」
引岸「流石に相手も死力を尽くしてかだんさんを潰そうとしてきますね…」
影の追葬「ァァァ!オグアォァ!!」
影の追葬の素早い拳がついに春咲の胴を捉えてしまう!!
かだん「まずい!チャージ中だからアタシは動けねえ!引岸さんは!?」
引岸「助けにいきたいところでは…あるが!」
引岸も修練を積んで戦いに喰らい付いているが、影の追葬もブチギレるほどの圧倒的な力には攻撃をいなすに留まっている
からん「いくら攻撃がわかってもあれじゃかわすことが!!」
春咲「(まずいわね……これは肋骨が何本か逝ったわね…まさか仇を取らず仕舞いなんて…ごめんね…)」
影の追葬が暴れる攻撃についに春咲が巻き込まれようとする!
かだん「くそ!今チャージを止めるのはまずいか!?」
流石に溜めを止めるとすぐにとは言いませんが結構な速度で減退はしますね…
かだん「流石に一回助けに行かねえと!」
しかしその場に現れた令嬢に皆の意識が取られる
かだん「何!?今の姿はまさか!?」
からん「来てくれたんですね!!」
引岸「この状況で一番頼もしいお方が来てくれたか…」
私の最初の友達に
な に し て ん の よ !
名織が放つ鬼帝の破蹄が影の追葬を大きく吹き飛ばす!
影の追葬「グオオァオァ!コノチカラァ!アノイマワシキヤツノチカラカ!」
名織「流石句崇刃君の力ね、これなら対抗できそうだわ」
春咲「名…織…ちゃん?」
名織「助けに来るのが遅くなってごめんね…でもちゃんと打開策、持ってきたわよ!」
そういうと名織はまばゆい光を放つ石を掲げる!するとみるみるうちに体が回復する!
春咲「これ…まさか回導の御石じゃない!?こんな稀少なもの使っていいの?」
名織「どうやらもう状況は予断を許さないってあの男も言ってたしね…私もこの戦いが終わったら加勢に行くつもりよ」
春咲「そうね…とりあえずこの戦いはもう終わらせましょう…」
引岸「そうですね…」
名織「そういえば…これも持ってきたわよ」
春咲「…!これは…お母さんの持ってた…」
名織「そう、凍雲恋織さんが貴方に残した大事なもの。今なら使えるんじゃないかしら」
春咲「そうね…やってみようかしら、
霜咲の純恋…」
春咲の装いがかわり、怪しく妖艶な感じになる…
春咲「……母のことを少し感じれるのは嬉しいんだけど…こんな格好しててうちの母は一体何してたのかしら…?」
引岸「皆、やる気みたいですね。私も消耗が激しいですが本気の型でいかせてもらいます!斬座上・天上天下の型!!」
引岸の纏うオーラがかだんの星の民の力に負けないぐらいの輝きを放つ!
春咲「凄い…どこまで修練すればこれほどの力…!」
影の追葬「ウァァガァァァ!?ソノカガヤキヲヤメロォ!」
影の追葬が引岸に掴み掛かろうとするが名織に逆に掴まれ動きを止められる
名織「余所見してんじゃ!ないわよ!」
引岸「ナイスです!名織さん!」
引岸の斬撃で影の追葬は更にかだんから距離を取らされてしまう
影の追葬「グオオ!オァァァ!ォオヴグエェ!」
影の追葬は口の中に何かを溜め込み放出しようと口を開ける!
春咲「何か大きな攻撃を仕掛けようとしてるのかしら…」
名織「なら好都合!この3人でドギツイ攻撃ぶつけて行動不能にさせちゃいましょ!」
引岸「せっかく本気の型使ったんでしすしこの前の借りも返したいですしね!」
そうして攻撃の溜めの間3人は集中し、奥義の発動の時を待つ…
影の追葬「オァァァ!グァァァ!!ガァァァァ!」
そのビームは極大で極太で殺意的だった…しかし
春咲「今はもう畏れもない…母の力と共に!」
名織「いい加減くたばりなさい!全霊の暴力と共に!」
引岸「覚悟せよ!悪鬼のもののけよ!この勇気と共に!」
紫 世 界 の 毒 薄 氷!!
鬼 拳 姫 の 破 断 殺!!
天 上 人 の 英 雄 譚!!
放たれたビームは3人の奥義にあっけなくかき消され逆に強大なエネルギーを叩きつけられた影の追葬はついに地に伏す…しかしそれでもまだその行動を止めようとはしない…
引岸「はぁ…はぁ…全く本当の化け物ですね…」
名織「でもこれでもヤツにアレをかわす手立てはない!」
春咲「……自分ではトドメを刺さないのがちょっと心残りだけど…頼むわ、かだんちゃん」
かだん「……あぁ!春咲さんの想いも合わせて!いかせてもらう!」
そうして充分にエネルギーの溜まった剣を振り下ろす!
星 の 民 の 光 断!!
影の追葬「ンオァァァ!グオァオオ!ァァァァァ……」
少しは抵抗していたが…ついにその太刀筋に真っ二つになり影の追葬は消えていく…
名織「終わったわね…ってえ?」
全てが終わったと思っていた皆の目線が影の追葬が消えた場所に現れた十数人の子供にうつる
かだん「なんだこれ…一体アイツはなんだっていうんだ…」
引岸「敵意などは感じられませんが…」
春咲「何かしらこれ…新生代プロジェクト??」
春咲がその資料のようなものを軽く読んでみたところ…
春咲「なるほど…巻き込まれた子達なのね…」
名織「どうするの?まあその顔見ればなんとなく予想つくけどもね」
春咲「とりあえずこの資料の方は後でなんとかするとして、連れて帰るしかないでしょうね…このままにしておくわけにはいかないわ」
子供のうち数人は春咲を見てママーと言っている。
名織「そういうと思ったわ、貴方なら。私の事務所くらいなら使ってもいいわよ」
春咲「ありがとう」
引岸「それは触ったら危ないですよ!」
かだん「うへー、子供相手は苦手だぜ」
からん「まあまあ…」
名織「……私には寄ってこないわね、まあいいわ。このまま力返すついでに句崇刃君達の助太刀に行ってくるわ。」
春咲「頼んだわね」
名織「ま、あっちの闘いも終わってそうだしそっちから助太刀してくれそうな人探してみるわ」
春咲「気をつけてね!」
名織「……!当然!!」
もう一つの戦い、影の追葬との戦いは最初はからんの強化された似力、拡散性星屑通信により有利な運びだったがすぐに対策されてしまう。その後はかだんも参戦し継戦していたがかだんが戦闘不能に陥る…しかし星の民の恩寵もあり、影の追葬を追い詰めるが星の民の力をみた影の追葬が喋り出し暴走する。更に春咲のピンチに名織が現れ、引岸の奥義の型についに影の追葬は強大なビームを放とうとするが春咲の新たな姿と名織と引岸の3人の奥義によって影の追葬は地に伏す。そしてかだんの持つ剣から放たれた星の民の光断によりついに討伐を果たした。
そしてその残滓から現れた数人の子供と新生代プロジェクトに疑問を持ちつつも子供達の保護をすることを決意する。
そして名織は句崇刃達の助太刀をしに後を追う…
file.4に続く…
come・me区に伝わる伝説その3
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