file.1 仲間達との作戦会議と告げられること
前章のあらすじ
アイドルのライブを無事成功させた帰り道、なんと主人公の実の父親が現れ勝手なことをいい去っていった。フェルヴェーレングの総司令官を名乗る実の父親との決着をつけろ!
句崇刃「あのクソ親父…言いたいこと言うだけ言って去りやがったな…」
春咲「にしてもまさか生きていたなんてね…」
信館「フン…あの愚劣漢め…今更息子に会いたかったなどと言うわけがない。気をつけろよ」
句崇刃「あぁ…俺の力を使って云々とか言ってきそうだ」
名織「にしても縁のある人ね…貴方達の他に呼ぶ人は決まってるのかしら」
句崇刃「とりあえず船で一緒にハイエンミュラーと闘った人たちには声をかけてある。ちゃんときてくれそうだ」
春咲「影のアイツは私と鉄菱姉妹、あと引岸さんがきてくれるそうよ」
句崇刃「怪我は大丈夫なのか?」
春咲「まあ数ヶ月あったからね、かなりピンピンしてるし悔しかったのか修練してたみたい。それにヤツは室伏ちゃんのことを覚えているわ、能力のこともあってできれば倒しておいた方が安心かもね」
句崇刃「とりあえずハイエンミュラーは船の人達とあと…そうか一応フラスコも仇っちゃ仇だな、忙しいかもしれんが連絡取ってみるか」
春咲「影の追葬は私達で行ってくるわ、そうすると…」
名織「……あの」
春咲「ん?どうしたの名織ちゃん?」
名織「いや、なんでもないわ」
信館「…………」
句崇刃「親父のとこには…俺1人で行くのはどうなんだ?」
春咲「夜鬼嶋ちゃん連れて行ったらいいんじゃないかしら?強くて頼りになると思うわよ」
句崇刃「そうだな…聞いてみるか、それ以外の人はこっちには来なくてもいいか」
鬼沙羅「ちょっと待って!!私も行くよ!!」
ライブの終了からそのまま名織組のとこに来ていたキサラが声を上げる
句崇刃「!?いや、流石に危険なとこにキサラが行くのはダメだろ!別に関係がないことだし」
信館「…いや、そうとも限らん」
句崇刃「なんか知ってんのか?」
鬼沙羅「うん……私の両親は知ってるよね?もしかしたらなんだけど、私は両親経由であの叔父さんに会ってるかもって」
句崇刃「なるほど、キサラの両親とクソ親父が知り合いである可能性があるってことか」
春咲「確かに危険だけども夜鬼嶋ちゃんも連れていくんだし…」
句崇刃「はぁ…まあ元から1人で行くつもりだったし、何も戦闘になるわけじゃないかもしれないしな…」
春咲「とりあえずイストリアでの行動はこんな感じかしら?」
・ハイエンミュラーの所には鉄菱姉妹を除く船組(バニシアス、バリトン、題舵鉢、ニルヴァン)とフラスコがむかう
・影の追葬な所には鉄菱姉妹と春咲と引岸がむかう
・鷹矢凪の所には夜鬼嶋とキサラと句崇刃がむかう
句崇刃「とりあえず振り分けは決まったから今日のところは」
雨桜「句崇刃君、ちょっといいかしら?」
句崇刃「んぅ!?雨桜、いや彼方さんの方か!?」
信館「そうか……あのことを話すのか」
彼方「結構重要な話だから2人でね…」
〜彼方と句崇刃は屋敷の縁側に座る〜
句崇刃「それで話ってなんなんだ?」
彼方「貴方の両親のことと貴方の似力についてよ」
句崇刃「とりあえず重大そうなのを後に回しておくか」
彼方「それじゃあ貴方の似力についてなんだけど、実はただ鬼の力を宿しているわけじゃないの」
句崇刃「そうなのか?具体的にはどういうことなのかまだよく分かってないんだが」
彼方「貴方の出身は躯体位・ラッドRASなんだけどあの地域があんな感じなのは特段の理由があるのよ」
句崇刃「へぇ、そういえば今まで聞いたことがなかったな」
彼方「それはあの地域が元は戦乱荒れ狂う特異な状態から無理やり纏め上げたからなのね、そしてその元締めの存在が鬼の力を持っていたわけ」
句崇刃「それが俺の力となんの関係があるんだ?」
彼方「その根源の鬼の力なんだけど…貴方の鬼の力はその元締めの力が伝達されたものなの」
句崇刃「え?そんなにやばいやつなのか、思ったより制限あるから普通の似力だと」
彼方「それは夫が黙ってたみたいね…その力を持つ人を狙ってみたいなことはいつの時代もあったことだし…」
句崇刃「今になって話すってことは…やっぱりクソ親父絡みか?」
彼方「あの人はそのことを偶然知っている、そもそもイストリアに誘き寄せるのもその力を欲しているとしてもおかしくない…それほど…根源の鬼の力は…」
句崇刃「……?」
彼方「そして貴方の両親のことなんだけど、父は会ったでしょうけどあの鷹矢凪さんで母親は句崇刃鬼姫さんっていうんだけど…」
句崇刃「聞いたことはなかったが、俺の名字は母譲りだったのか…」
彼方「その母親のことなんだけどね…別に死んでるから貴方に会わせなかったわけじゃないのよ」
句崇刃「何!?ならなんでなんだ?」
彼方「それは貴方を産んだ時に根源の力の譲渡が行われてそれで未だに意識が目覚めないからなのよ」
句崇刃「そうなのか…それで今はどこに!?」
彼方「鬼姫さんもイストリアにいて、その最深部で今も眠っているわ。あの人があそこを拠点にしてるのも思い入れがあるからなのよ、あの人の鬼姫さんへの想いは本当だから…」
句崇刃「なんだか複雑な気持ちだ…」
彼方「たとえあの人と争うことになっても鬼姫さんのこと助けてあげてね、貴方と触れ合えた時間はそう多くないんだから、今からでも取り戻せる必ず」
句崇刃「あぁ!任せといてくれ」
彼方「ふふ、たのもしくなったわね。それじゃ話したいことはこれだけよ、私ももう眠らなきゃ…」
句崇刃「それはどういう…」
彼方「元々もう長くはなかったの、最後に貴方に全てを伝えて離れることができるから心残りはないわ」
句崇刃「待ってくれ、まだ」
しかしその空間にはもう彼方さん、雨桜の姿はない
信館「いってしまったか…すまないな辛い想いをさせて…」
句崇刃「師範代こそ最後に彼方さんと話さなくてよかったのか?」
信館「…いや儂はもう十分あいつから貰ったよ、何もかもを優しさも、高潔さも、そして慈しみをも」
信館は涙を静かに流す
名織「お爺様…」
句崇刃「さて…全てを終わらしてまた平穏な日常に戻らせてもらうぜ!クソ親父!」
〜そして約束の日〜
鷹矢凪「…きたか息子よ」
ハイエンミュラー「きやがったね!この前のようにはいかないよ」
影の追葬は春咲の姿を見て今までに見たことない体の捩らせ方をして蠢いている
鷹矢凪「ほう…おもったより関係者は多いようだな」
ニルヴァン「俺たちはハイエンミュラーを叩く、そっちのバケモノは任せるとしよう」
春咲「ついに相対したわね、あの時のトラウマ!もう過去は戻らないけどここで完全に倒してみせる」
ハイエンミュラー「今度こそ終わりにしてあげるよ!」
影の追葬は今までにない殺気を放ちながらついて書いたでも言わんばかりに移動する
鷹矢凪「俺についてくるのは息子と…あいつらの娘と…あの時の血気盛んなガキか」
夜鬼嶋「何かあるかもしれません、わたしが前になって移動しましょう」
鷹矢凪「フッ…お前ほどの実力で俺が止められるとでも?」
夜鬼嶋「……クッ」
鬼沙羅「大丈夫だよ、この人こちらを殺そうって意思はないみたいだから」
鷹矢凪「フン…それはどうかな、にしてもよく見抜こうとしてくる…その度胸はあいつら譲りだな…」
句崇刃「何を企んでるか知らねえがここで決着つけてやるぜ!」
クソ親父と会ってから名織組に戻ってきたみんなは作戦会議を立てる。それらが終わろうとする時雨桜の中にいた彼方さんから自身の似力の根源と両親、特に母親について聞かされた。そして消えゆく雨桜と彼方さんの想いを胸に句崇刃は最終決戦に臨む!
file.2に続く…
come・me区に語り継がれる伝説その4
その根源の力は全てを破壊した。しかしそこに現れし相反する鬼の力によりかろうじて原型を留めることに成功した。それから根源の力と鬼の力は混ざり合い受け継がれることになった。