「いろ」は
10年前とある事件が起こった
心臓移植をした後行方不明になった人がいた
その人は
「石井彩葉」、58歳
私は、とある森の奥深くに住んでいる何の変哲もない人間の石井彩葉だ。
そんな私のところに光っている赤色の生き物が現れた。
私が怖がっているとその生き物は紫に変わった。
多分その生き物も怖がっているのだと思う。
私は、感情によって体の色が変わるなんてなんと変な生き物なんだと興味が湧いた。
私は、その生き物を観察したい一心でその生き物を引き取ることにした。
名前は私からとって「いろ」にしよう
生き物にもう一度目を向け引き取ることを生き物に伝えると体はピンク色に変わっていた。
嬉しいと思っているみたいだ。
そうして感情によって色が変わる変な生き物「いろ」と一緒に住む生活が始まった。
毎日観察していくと「いろ」に愛着が湧いてきた。
私が憂鬱な仕事で働いている時も観察を続けていたが
なんと待っている「いろ」が青色になっているではないか。寂しいと感じていると思うととても愛しい気持ちになった。急にピンク色になったと思えば、なんと空にあおい鳥が飛んでいるではないか。それを見て嬉しい気持ちになったと思うとさらに愛しい気持ちになった。
私は街が嫌いだ。たくさんの人の、喜怒哀楽が見えてきて憂鬱な気分になるからだ。会社も同じだ。
しかし私の感情を世間はもちろん配慮してくれず街に行かなければいけないので「いろ」をちょうど握りこぶしが入るくらいのポケットに入れて連れていった。
街に着いた時私はいつもより憂鬱な気持ちになった。なぜなら今日は街で1番大きい祭りがやっている日だったからだ。こんな場所はうるさくて仕方がない。「いろ」も朝ごはんを一緒に食べている時は黄色だったのに今では灰色になっているではないか。「いろ」も私と同じだと思うと少し嬉しくなった。
私は「いろ」との生活を楽しんでいたが半年ほどで手放した。もう観察は終わったのだとても楽しい観察だったと生き物に言って別れを告げた。「いろ」も悲しそうな青色をしていたがすぐに赤色になった。
「いろ」を手放してから10年が経った。
私はもう68歳になった。
1年前ぐらいにまたあの時のような診断結果を貰ったが、いしは大丈夫だと思っていたのできっと大丈夫なのだろう。
そんなある日突然あの生き物を探さなければ行けないという使命感を感じ仕事帰りに探すことにした。
時間は18時であり空は黄色のようなオレンジのような色だった。
探し始めて30分経った。
空はまだオレンジ色である。
探し始めて1時間半が経った。
空は紫色である。
なぜ私は「いろ」を探しているのだろう
探し始めて2時間が経った。
空は完全に黒では無いが日が落ちてきたのを感じる。
探し始めて5時間が経った。
空は黒色でもう何も見えない。
だが「いろ」は光っているので見えるはずだ。
私は「いろ」を探している
私は「いろ」を探している
わたしは「いろ」を探している
いろはは「いろ」をさがしている
いろはいろはさがしている
「いろ」はいろはをさ、が、し、、、、、、、、、
彩葉という人間からはなれて10年が経った
あの人間と過ごして58年目やっと私は彼に認識され
「いろ」と名付けられた
今私はもう動くことは出来ないが
あの人間と過ごすのは楽しかった
私はもう70年弱存在しているが
あの人間と60年しか過ごしていない
他のものに奪われた
今はどうしているだろう
色の変わり具合も変わっていないので
平凡な日常を過ごしているのだろう
「いろ」は驚いた。急に体が真っ黒になったからだ。
早く彩葉に会いたいと思った。彩葉が危険だと思ったから。
「いろ」は驚いた。急に体が黄色のようなオレンジ色になったからだ。
「いろ」は驚いた。急に体が紫色になったからだ。
「いろ」は驚いた。また体が黒に戻ったからだ。
いろはおどろいた
めのまえでなにかがたおれている
いろはまわりにひかりがなくてからだがくろいろにみえる
いろはいなくなっちゃう
またね、さようなら、「いろ」は
最近のニュースでやっていたものだ
行方不明になった「石井彩葉」が9年のときを経て
ついに見つかったという
その人の心臓は大丈夫であったが
鬱病になっているとの情報が出ている
その後また森に消え行方不明になったが
1年で見つかった
倒れている「石井彩葉」の近くに心臓のような黒い物体が落ちていたそうだ。
なんとも不思議な話だ。
