冬の入り口に R5.10.16
これまでとは思ってない
HI-C orangeを両手で握りしめた幼い手
友達の自転車の後を追って走った夏
父親の暴力と母親のヒステリー
振り向いても誰もいない帰り道の石ころ
雨降りに空を見上げた雨粒達
荻野目洋子の歌と冬の新聞配達
階段から見た朝帰りの路上を走る通勤車
LAWSONの脇に佇み、ひもじく泣き呼ぶ黒子猫の今
俯いた先にある水溜まりに見た虹
二度と会う事も無い、過去に愛した人との時間
忘れられない快感と現実を食べ続ける毎日
アルバイトの冬
踵の痛み
信じる事が出来ない笑い声
我が子の寝顔と妻のイビキ
そして
名も無き私とあなたとの出会い
これからだとも思ってない