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ぼくと妖精とときどき悪夢  作者: 和鏥
ここは夢の中!
3/18

「これ、夢?」


 目を開けてすぐにぼくは言う。


「あら、偉いわ。よく夢だと分かったわね」


 ぼくのすぐ隣に立っているピンクの髪の女の人が言う。だけど、ぼくは驚かない。


「だって、分かるよ」


 そう答えて、ぼくは空を見上げる。


「天気はピンクだし、そこら中にアメがあるし」


 普通、空は青とかオレンジなのに、頭の上に広がっているのはピンク色ばかりだ。しかも、地面には棒つきのアメやカラフルなグミが刺さっている。


「アナタの夢を借りて、ワタクシがこの場所を創ったの。飴は嫌いかしら?」

「別にキライじゃないけど。それより、あなたはダレ?」


 ぼくがそう言うと、ピンク髪の女の人は微笑んだ。

 髪型も着てる服もあまり見ないものなのに、すごくカワイイ人だと思うのはやっぱり笑顔がカワイイからだ。なのに、大人っぽくてクラスの女子とは全然違う。


「ワタクシはマリ。アナタに呼ばれて来たの」


 マリがそう言うので、ぼくは今度こそおどろいた。


「ええ。ワタクシたち人の願望に弱いの。つい叶えたくなっちゃう。この世界はどう? 気に入ってくれたかしら」


 マリはそう言って、ニッコリ笑う。やっぱりすごくカワイイ。


「「明日が来ないといいな」って思ったでしょう? だからココに招待したの。ココでならアナタはツライ思いをしないもの」

「この……ぼくの、夢の世界に?」


 ぼくの疑問にマリはニッコリしてうなずいた。


「そうよ。ココでのアナタはヒーローだし、誰もアナタを怒らないわ。ゲームをしても、お菓子を食べても、夜更かしをしても誰も怒らないの」

「それって……、すごくイイね」


 砂場はポテトチップス、ブランコはグミとクッキーで出来ている。あそこのベンチなんかチョコレートだ。


「アナタの口の中に入るまで、チョコレートも、飴も溶けない。夢の中だからお洋服が汚れることも、虫歯になることも無いわ」

「なにそれ、サイコーじゃん」


 ぼくは、嬉しくなって言う。最近、人の悪い顔しか見ていないから、マリが嬉しそうにしているのが余計に嬉しい。


「この夢は気に入った?」

「うん。すごーくね。でも、お菓子ばっかりだけど、他に……ゲームはあるの?」

「勿論よ。あそこにも、ほら、あそこにもある」


 マリが指さす方向にはテレビが何台も置かれてあって、ぼくがやりたかったゲームが映っている。


「ワタクシはアナタの良いオトモダチだもの。ツライことから永遠に逃がして、離してあげる」

「けれど、君のご家族は悲しむだろうね」


 知らない男の人の声が突然聞こえた。

 ぼくがおどろいて振り返ると、そこには背の高い男の人がいる。

 マリと同じ、ぼくが産まれてきて一度も見たことのない人。

 晴れているのに赤いカサを持って、どこか上機嫌に歩いている。その様子を見て、ぼくは怖いと思い反射的に後ずさった。

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