1
早くマリとシャロに報告をしたかった。二人はどんな反応をしてくれるのだろうかわくわくしてしょうがなかった。
だけど、その日の晩ごはんはハンバーグ。しかも、特別チーズ入りだ。味わって食べたいし、おかわりもしたい。
「先生から聞いたわよ。三者面談と大貴君のこと」
前言てっかい。早く食べて、早く寝ればよかった。
イヤな気分になって俯いて、すぐに食べ終わらなくちゃと黙ったまま手を動かすことに切りかえた。
「大貴君のママから連絡があったの、家族でいっぱい話をして塾はとうぶん休みにするって。だから、また遊んであげてねって」
「よかった」
ついホッとして顔を上げると、深刻そうなお母さんと目が合った。
「ねえ、和人。何かあったらお母さんに話をしてほしいな」
てっきり怒られるのかと思って身構えたけれど、お母さんは寂しそうにそう言っただけだ。
「家でのことならおじいちゃんやおばあちゃんたちからも聞けるけど、学校のことは何も分からないの。おじいちゃんも心配で部屋を何回も覗いてくれたし、おばあちゃんも「ゆっくり眠れるように」って何度も布団を干してくれたりしたんだよ」
そう言われて、ぼくは、じいちゃんとばあちゃんを見た。
「前に和人が相談をしてくれた時、ばあちゃんは忙しくてつい冷たく言っちゃったのよ。だから、和人がね、もう相談してくれないんじゃないかって思ったの。じいちゃんもよ」
ばあちゃんはお茶碗を置いて言った。
じいちゃんを見ると、じいちゃんも頷いている。
「……それなら、分かった。黙っててゴメン」
「じいちゃんたちもだよ。ごめんな」
そう言われて、ぼくはなんだか安心してちょっぴり泣いた。