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ぼくと妖精とときどき悪夢  作者: 和鏥
学校に行きたくない!
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和人(かずと)、行ってらっしゃい」


 じいちゃんとばあちゃんに見送られ、ぼくは重い足取りで学校に向かう。

 前まで学校はとても好きな場所だった。

 なのに。


「あ、アッシーと陸ちゃんだ」


 (いそ)(はら)(だい)()のヤツがそう言って笑う。

 アッシーこと足手まといは、ぼくのことだ。

 ぼくのテストの点が悪いからクラスの平均を落としてしまった”らしい”。それで、去年の四年生よりも今年の四年生は頭が悪いとウワサされてる。

 それなら三年生の頃の大貴も、ぼくと同じ悪い点数仲間だ。なのに、四年生になってから変わった。

 成績も、ぼくたちにする態度も。

 ぼくらをバカにするイヤなヤツになった。

 ”陸ちゃん”と呼ばれた(あい)(はら)(りく)君も、お姉ちゃんが使っているカワイイ鉛筆をうっかり学校に持ってきてしまったから大貴にそう呼ばれるようになった。


「トモキ君なら優しいのにね」


 (いし)()()()ちゃんが言う”トモキ君”とは、大貴のお兄ちゃんのことだ。勉強も運動も出来るし、なにより大貴と違ってすごく優しい。


「トモキ君、お受験して私立中学に入ったのよ」


 前にお母さんがそう言っていた気がする。


「ウルセーよ。ブスのくせに」


 大貴が奈々ちゃんに向かって言う。

 奈々ちゃんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。


「和人。大貴君のトモダチなんでしょ? 注意しなよ」

「そうだよ」


 女子に囲まれて、ぼくは驚く。

 コレじゃあ、まるでぼくが怒られているみたいだ。

 ガラリと扉が開いて「みなさん席についてください」と言うのは担任の先生だ。

 授業は厳しいくせにぼくらが大貴にイジめられているのは見て見ぬふりをする。

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