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あ (1話)

「長すぎる。」俺は怒っていた。何に怒っていたかというと、ライトノベルのタイトルについてだ。もう少し具体的に言うと、新人賞に応募してきた最終審査の一つ前の第三審査だ。


「あ先生、タイトルだけしか見てませんよね?」そう言って俺にじとーっとした目で文句言ってくるこの女は牧野(まきの)だ。身長は160ぐらいで胸は本人曰くⅮカップらしい。


cカップにしか見えないけどなんか地雷のような気がしたから本人には聞かなかった。因みに仕事関係の人たちで牧野の名は誰も知らないらしい。後、高校終わってすぐに牧野はここで働くようになったとか。


俺がライトノベルの作家になってから5年間一緒に切磋琢磨している。今では相棒のような存在だ。



「だって、ある日突然とかいう奴なんて、すげータイトル長いじゃん。」あと名前と、あらすじが長いのも鼻につく。俺はこの原稿を読むぐらいなら今ここで寝る。机に原稿を置き、椅子にもたれかかる。


「まあ確かに長いですけど少しぐらい読んでみたら?」ため息をついて俺の鞄に原稿を入れようとする。


「おま、ちょい、勝手に原稿入れようとするなよ。なんで家に持って帰んの?残業代貰えるのか?」貰えても家では読まないけどな。


「貰えるわけないでしょ、そもそも部数とか売り上げで貰える金額が買わるんですよ?」牧野は俺の机に原稿を戻す。


「まあ普通文庫だもんな」俺はそう言って笑いながら牧野にそれじゃあまたな、と言って帰る。


残念ながら俺は東京の一人暮らし、家に帰ったって料理もないし、人も居ない、ましてや風呂も沸いて無い。毎日料理を作るのもめんどくさい。だからこそおなじみのばーや食堂に行く。


もちろんばーやと喋りやすいカウンターに行く。もうすっかり東京のお母さん的存在だ、ばーやだけどな。


そういや母さんからメールが来てたっけ、メールの内容は「お母さん海でナンパされちゃった☆彡」だった。


俺は「もうすぐ40代後半だろ…」とだけ送る。するとすぐに「まだ前半ですー」という文章と怒っているスタンプがあった。これ以上返してもめんどくさいしスルーでいいか。


可使かし坊も来ておったか、今日もカレーかのぉ?」と元気そうに話しかけてくれる。そう俺の名前は女の子っぽい気がするため、ペンネームをいろいろ考えて最終的に「あ」というペンネームになった。因みに作品の名前も「あ」だ。今は仕事のことは考えずにうまいカレーでも食べるか。


「ええ、カレー1つで」ここのカレーは本当においしい。今まで来ていて、ずっと客が誰かしら居るのは驚きだ。

週に何回か投稿すると思います。

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