七話
ブラン君は時間がある時に私の元へやってきてお喋りに付き合ってくれるようになった。
何回か話すうちに私も慣れてきて自然に話せるようになった。
今日もブラン君とお茶を飲みながら会話する。
「へえ、ミウさんの世界にはそんなすごいものがあるんだ」
「うん」
私のいた世界にしかない物の話をすればとても興味深そうにきいてくれる。それにとてもワクワクしたように目を輝かせて聞いてくれるので話すこちらも楽しい。
私が話すたびに相槌を打ってくれるため話もしやすい。
「ところで前から思っていたけどミウさんの着てる服って変わってるよね」
「あっ、これ?これはねセーラー服って言うの。学校って言う学び舎での制服なの」
学校によって色んなタイプのものがあるんだよと説明する。
ちなみに私が今着ているのは白いラインが二本入った黒のセーラー服、スカーフはえんじ色だ。地味だが結構気に入っている。私は校則通りに着ているためスカート丈も膝下三センチだったりする。他のみんなはもっとスカートを短くしたりスカーフをリボンに変えたりと好き勝手に着こなしていたが。
リサさんがこちらでの服を用意してくれると言ったが私はそれを断った。
元の世界との繋がりが少しでも欲しかったのだ。元の世界から持ってきたのはカバンとこのセーラー服だけで他に何もない。
替えの服はメイナの力で出すので服は必要ないといった。しかし寝巻きだけは用意して欲しいとお願いしておいた。
「へー、色々あるんだね。こっちにも各機関で制服はあるけどそのセーラー服ってのはどこにもないかな。ちょっと見せて」
そう言って私の近くにやってくる。セーラー服をまじまじと観察され恥ずかしくなってきた。服の方を見られているとはいえ視界に私も確実に入っているので照れてしまう。
「このリボンみたいのは?」
「これはスカーフだよ。三角なんだけど折ってから結ぶの」
「なるほど」
それ以外にも好きな食べ物や日常であった話もする。ブラン君の話はとても楽しいし何より声がいいのでいつまでも聞いていたくなる。あれこれ話しているとブラン君は時計をみて驚いた。
「わっ!もうこんな時間。俺そろそろ行かなきゃ。アスール様のお手伝いしなきゃいけないんだ」
「本当だ。もうこんなに経ってたんだ。こんなに長く付き合ってくれてありがとう」
毎回楽しくて時間があっという間に過ぎていく。私はブラン君に楽しかったありがとうとお礼を言うと笑ってくれた。
「俺もミウさんと話すのは楽しいし、こっちこそありがとう」
じゃあまたね!とお茶を片付けて私の部屋から出て行く。私は手を振って見送るとメイナが話しかけてきた。
『いやー、ずいぶん仲良くなったわね!声もたくさん聞けて万々歳ね!』
(たしかに最初は声が好き!ってなったけど今はブラン君自身も大好きだよ。優しいもん、それに一緒にいて楽しいし)
もっと仲良くなれたらなと思う。