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四話

その後ミウ様の部屋ですと案内された部屋は広すぎて落ち着かなかった。ベッドもキングサイズである。もう少しランクの低い部屋はないですかと聞いたらないですと言われた。嘘だ…絶対に嘘だ。

そして一人の女性が入ってきた。


「ミウ様のサポートをさせていただきます。リサ・ミルスと申します。こちらでの生活は私にお任せください」


丁寧なお辞儀とともに自己紹介してくれたのは私の母親くらいの年齢だろうという女性だ。ここで私の世話をしてくれるらしい。


「こちらこそよろしくお願いします」


挨拶は大事なので私も丁寧に返す。より良い人間関係を築くには挨拶はしっかりすべきだ。


「分からないことがございましたら遠慮なく仰って下さい」

「はい…」


今日は疲れたので夕食を頂いてもう休むことにした。部屋に持ってきてくれるとの事でベッドでゴロゴロしながら待つことにした。

色々あって疲れていたのだろう、気づいたらそのまま寝ていた。

起きたら夕食ではなく朝食が用意されていた。

パンとサラダ、スープなどの料理が並べられていた。夕食は無駄にしてしまったのだろうか。申し訳ないことをしてしまった。


「いただきます」


手を合わせて食事を口にする。一言で言うと美味しかった。

パンはふわふわもちもちで日本人好みの味だ。おかわりもしたいくらいだ。というよりした。

異世界に来て緊張してご飯が喉を通らないかなと心配していたが普通に食欲はあったのでよかった。


食事を終えるとリサさんが今後の予定について話してくれた。


「まず、半年後にミウ様のお披露目会があります。そのための立ち振る舞いなど…」

「え?」


待て待て待て、お披露目会ってなんだ!そんなこと聞いていない。なにその明らかに目立ちそうなイベント。絶対に嫌だ!

それに立ち振る舞いを学ぶって結構大きいイベントなのでは!?


「無理です。辞退させていただきます」

「ダメです」


一蹴された。人見知りにはハードルが高いイベントだ。

無理無理!と駄々をこねるが聞いてもらえない。それどころか追い討ちをかけるようにリサさんは言う。


「そこでミウ様には神のお力を使っていただきます。出来れば規模の大きなものを」

「……」


力を使うってなんだ、創造神の力か。何が出来るのだなんでもつくれちゃうのか?

考えていたがリサさんは次の話へ移っていく。


「今日の予定はですね」


今日からもう予定があるのか。一日くらいゆっくりしたいのだが…。その思い虚しく今日の予定を聞くと大変そうの一言だ。

お披露目会の段取り、力の使い方を学ぶそうだ。

正直逃げ出したい。だがそういうわけにもいかず私は別の部屋へと連行されていった。


「もう少しゆっくりしたかったです」


私が愚痴をこぼすとリサさんは苦笑いをして宥める。


「ごめんなさい。力は直ぐにでも使えるようになった方がいいとの事で」


力さえ使いこなせるようになればお披露目会の事だけを考えれば良いので少し時間に余裕が出来るらしい。

あれこれ説明されていると目的の部屋までたどり着いた。

リサさんがノックをしてミウ様をお連れしましたと言えば中から若い男性の声が聞こえた。


「どうぞ」


リサさんに扉を開けてもらうとそこには緑色の髪をしたイケメンがいた。メガネがよく似合っている。アスールさんといいとんでもないイケメンが多い。


「貴女がミウ様ですか?」

「はい」

「私はグリード・エイガン。貴女の教育係となります」


なんと言えば良いか…頭の固そうな方だ。

怖いなと少し思った。


「よ、よろしくお願いします」


どんなに怖かろうが挨拶はしっかりする。

先ほども言ったが挨拶は大事なのである。


「こちらこそ」


返事は返してくれたが少し冷たさを感じる、気のせいだと信じよう。そうでなければこれからやっていけない。


「ではまず力についてですが」


グリードさんは無駄話などせずに本題に入る。

話によると力を使うにはつくりたいものをイメージして神に語りかける。神がその言葉を受け入れると力を使えるそうだ。

さらに力を使うには私の体力、精神力を使うそうでこれらが尽きると回復するまで使えない。

つくるものによっても疲労度も変わる。また慣れていない最初のうちはちょっとした物しか作れないらしい。しかし力を使い続けることで体力、精神力が鍛えられ大きなものや多くつくれるそうだ。


「まず貴女の中にいる神に語りかけなければ話になりません。先代達の記録によると神の気持ちくらいなら感じることができるそうですよ」

「なるほど…」

「では早速試してみましょう」


さあ今すぐやれと言われているようだ。だがそんなに上手くいくものだろうか。でもやってみないことには話も進まないので挑戦してみることにする。

何て話せば良いのか…。てかやっぱり私の中にいるのか、光入ってきたもんね。

ここは長く付き合っていかねばならないだろうし素の私で語りかけよう。多分大丈夫。

フレンドリーにと言い聞かせた。


(こんにちは!私未羽です!いるんですか?)


心の中で問うと体が一瞬ポッと温もりを感じた次の瞬間。


『は~い。メイナクリスよ~。よろしく!敬語じゃなくていいし、メイナって呼んでね』


すごく軽そうな神様であった。


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