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三話

そうして連れてこられた部屋はとても広く上品にまとめられていた。

アスールさんに向かいの席に座るよう言われ腰を下ろす。

するとタイミングよく一人の少年がお茶を出してきた。


「どうぞ」


そう言いすぐに去ってしまったが私は一つ気になったことがあった。しかしアスールさんが話し始めたのでそちらに集中した。


「あ、あの…」


先程まで混乱していて普通に喋っていたが私は少しだけ人見知りである。心が少し落ち着いてきたのでそれが発動した。

私はどうしてここに来たのか、何をすれば良いのか。そしていつ帰れるのかなど聞きたいことが山ほどあるが言葉に出来ない。もどかしい。


「ふふ、お茶をどうぞ」

「あ、はい」


あたふたしている私を気遣ってかお茶を勧めてくれる。お茶を一口飲むと喉が潤され少し気分が落ち着く。香りも良いしとても美味しい。お茶の良し悪しがわからない私でもこれは美味しいとわかった。


「落ち着きましたね」

「はい…」


ではとアスールさんは口を開いた。


「ミウ様がこちらの世界に何故よばれたか、まずこの世界の初まりから話さねばなりません」


そう言ってアスールさんは一冊の本を取り出すと私の方へ向けてくれた。

しかし私はこの世界の文字が読めるのだろうか。そう一人で心配していたら開かれた本は絵だけだったので字が読める読めないは関係なかった。


「この世界は二人の神によってつくられた。一人は創造神メイナクリス、もう一人は破壊神レハガルト」


そう言って男女の絵を指す。綺麗な女性と男性が描かれている。

女性の方が創造神メイナクリス、男性の方が破壊神レハガルト。

創造神メイナクリスは思いつきで世界をつくった。大地を空を生命体を。

しかしメイナクリスのつくったものには余分なものも存在した。大きすぎる大地、多すぎる生命体など様々だ。

これでは世界はバランスが取れず消えてしまう、世界が成り立たない。そこで破壊神レハガルトがそれらの余分なものを破壊した。バランスをとったのだ。

バランスのとれた世界は消えることなく廻る。そして力を使い果たした神々は眠りについた。


「と言うのがこの世界の始まりです」

「な、なるほど…」


眠りについたのならそれでお終いではいけないのだろうか…。

まあ、ダメだからここに来たのだろう。


「そこでここからがミウ様の出番です」

「はい」


眠りについた神々は眠る事で神力が回復される。そしてそれはどんどん溜まっていくのだ。溜めすぎると神々の力があふれてしまい世界に…この世界以外にも影響が出てしまう。そこで力を発散させるためにメイナクリスがこの世界全体に大きな結界を張る。それによりメイナクリスの力は発散される。そしてその結界をレハガルトが破壊する。これによりレハガルトの力は発散される。

それがだいたい200年から300年おきに行われる。


「えっと、それって私必要ですか?」


別に私がいなくてもいい気がするのだが…。


「必要です。破壊神の方が力が強いと言われています。そのため創造神の力を上げるため神と魂の波長が合う人間に力を借りるそうです」


波長の合う人間は異界の人間の方が多いらしく、だいたいいつの時代も異界から連れてくる。そして役目を終えると創造神が異界への扉を創造し元の世界へと戻れるのだ。


「そう言うことですのでどうか力をお貸しください」

「まあ、帰れるなら…」


というよりその役目を果たさなければ帰れないのではないか?拒否権はないのではないか?と思ったが突っ込むまい。


「あの、何かやることはあるんですか?」

「それはまた後日別の者が説明します。今一度に言われても大変でしょうし」


まあ、たしかに。一気に色々言われると混乱しそうだ。そうしてくれると助かる。


「また、こちらでの生活は保障されますのでご安心下さい」

「お願いします」


保障されなければ流石に怒るけどな!

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