ローレン
目が覚めると、もう窓の外はほんのりと紺色になっていた。昨日、いやなことからにげるように帰ってきたあと、作りおきのお菓子を食べられるだけ食べて布団に入った。あれはまだ夕方だったから、かなりの時間寝ていたことになる。それでも、まだだるい。からだをぐったりと布団に預けたまま、天井をみつめて、ぼんやりとしたこころの整頓をしようとした。
いやな記憶に、脳が警笛を鳴らして、耳をふさぎたくなる。ぜんぶ、わたしが選んだことー。
目を閉じて深呼吸。じわじわと飽和状態のこころから溢れたものが流れ去っていく。
窓の外がオレンジ色に染まっていく。わたしの中のいやなものを、ぜんぶ、洗いながしてくれる。
さまざまな色があふれてきて、わたしの大切な記憶と、きもちを、鮮やかにする。