表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BLAZE-ブレイズ-  作者: 天道空斗
第二章~この異能をお前に授けよう~
9/15

用意周到

 鷹翔は綾取と別れ飛び、近くのビルの屋上へと降り立った。


「貴様がこんなところで、何のようだ?」

鷹翔の後ろから声が聞こえる。


―この声は....

鷹翔は強烈な殺気に冷や汗を流す。


「さて、貴様の鮮血でも見せてもらおうか。」

男が懐からナイフを取り出す。


―こいつやはり...ガッキマツだ!!

鷹翔はすぐさま後ろを振り向き笑顔を作った。


「久しぶりだのう、ガッキマツ。貴様は今どこに所属しておるのだい?」

鷹翔は何もなかったかのように云った。


「フッ。俺を覚えていてくれたか、ありがたいな。でももう、これでお前とは永遠に会うことはねえ。」

ガッキマツがナイフを懐にしまうと、

「異能力、堕天使ルシファー!!」

ガッキマツの背中から紫の翼が生え、パスカルパープルのレーザーのような光が角のようにして湾曲しながら生える。


「しかと、その力味わわせていただこ―」

鷹翔が云っている最中に腹に渾身の一発をガッキマツが与えた。


「ぐはぁっ!」

鷹翔が血を吐き、ビルの屋上から落ちる。


「逃すかぁ!!」

ガッキマツが背中から落ちている鷹翔を猛スピードで追いかけ、急降下しながらさらに腹に一発打ち込んだ。


「あれは....鷹翔」

綾取が鷹翔に向かって走っていく。

 鷹翔が落ちている最中に懐から注射のようなものを取り出し、左目に刺した。

 鷹翔がものすごい音を立てて地面に落ちる。周囲に粉塵が舞う。鷹翔が口から大量の血を吐いた。


「くっ!殺ったか!?」

ガッキマツが異能を解除して云った。


「おい、貴様、鷹翔に何をした?」

綾取が訊く。


「殺した。」

ガッキマツがそう云うと綾取らのいた路地裏に車が一台突っ込んできた。


「貴様、死ぬぞ。」

綾取が言い放つと、近くの施設の窓を割り、車を避けるようにして中に入った。


「―っ!?」

ガッキマツが瞬時に異能堕天使を展開し、円球状のバリアを張った。

 飛んできた車がバリアに衝突し、轟音を上げて爆発した。火が路地裏に道のようにして燃える。

 施設の職員らが大慌てで電話をする。爆風でビルや施設の窓ガラスが割れる。


「死ぬ....か....」

ガッキマツが爆発の衝撃に耐えながらバリアを張り続ける。が、バリアにヒビが入り、ついには割れてしまった。

 ガッキマツを炎が襲う。まるで、大蛇(オロチ)のように。


「ぐはぁああああああああ!!!!」

ガッキマツは狭い路地で炎と、爆発により飛散した車のパーツをくらい、()()()


「異能力、追跡者(チェイサー)、さすがじゃのぉ...」

煙から出てきたのは、―死んだはずの鷹翔だった。


「!?生命力のあるくそ爺が...」

綾取が吐き捨てるように云う。


「どんな手で蘇生したか知らんが、これで引き分けだな。鷹翔。」

と、死んだはずのガッキマツが云った。


「俺の異能が、効いてない?」

綾取が呟く。


「まず儂から説明しよう。」

と鷹翔。

「儂はビルから落ちているときこの左目に注射を打った。この眼は蘇生眼となった...蘇生眼とは、死んでも何事もなかったかのように死んだ場所から復活できる。この蘇生眼は実に便利なものでのぉ、時間設定をして蘇生するタイミングも調整できるんじゃ。まあ、蘇生回数には限りがあるがのう。」

と鷹翔が説明した。鷹翔の左目は瞳孔も、結膜も目全体が血の赤に染まっていた。

そして、瞳の部分に黒い小さな点があった。


「では次に俺だ。俺は仲間に蘇生してもらった。以上だ。」


「それじゃあ判りにくいですよ。」

と、色白の男がどこからか現れて言った。とても痩せていて猫背気味。何かのノートを抱えていた。

「私がこのノートで蘇生させたのです。ガッキマツ君の名前を書いて。どこかの書いたら死ぬアニメに似てますがそういう異能なのです。」

と、男が云った。


「便利な異能じゃのう。儂は死ねばしぬほどこの目に黒の輪が生まれる。補足説明じゃ。」


「ところで貴様、なぜ俺が死ぬとわかった?」

ガッキマツが綾取のほうを向いていった。


「俺の異能力、追跡者(チェイサー)は人を殺意を持って殺したらその犯人が何があろうと車によって死ぬ能力だ。貴様は先刻、鷹翔を殺したと申した。そして鷹翔があの高さ、約30mの高さから落下し、さらに速度をつけられたのでは死ぬのは当然。貴様が鷹翔を一回殺したから車によって死んだ。」

綾取は冷静な口調で淡々と答えた。


「実に、面白い異能だとは思わんかのう?ガッキマツ」

鷹翔がそう云って呵呵と嗤った。


「へぇ~。それは面白い。でも、そんな異能力ぜんぜん使えないよな?」

ガッキマツが舐めたような口調で云う。


「この異能は一度その事件にかかわってしまえば犯人が判明次第死ぬ。テレビを見てれば嫌でも事件にかかわることになり、テレビで事件の犯人がわかったと報道が出ればそれで犯人は死ぬ。嫌な異能力だ。使えるか否かではなく使われるんだ。そしてこうやって鷹翔の起こした事件にかかわっているのだが、鷹翔は異能力を()()()()()。異能をもらった使用者が殺意を持って人を殺したのだから鷹翔は死なない。俺は鷹翔を殺す。」


「面白い、綾取君!!儂は君にもっと何事件を解かしてみたくなった!」

鷹翔はそう云って呵呵と嗤った。


「そしてガッキマツ。お前は非合法武器製造組織ζの一員だろう?後ろのやつも。」

綾取が云った。


「なぜ?なぜ判る?なぜζの存在を?貴様BLAZEの人間か!!」

ガッキマツが動揺する。


「BLAZEなど死んでも行きたくない。今この場で、推理した。」

綾取が云うと、消防車が到着した。火はもう、対象(ターゲット)を殺し、消えていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ