大犯罪者の誕生
更新遅れました。すみません。
「はあ、はあ、はあ、やってしまった....」
ルイは教室の光景を見て呟いた。
ルイは、殺人、強盗、強姦、暴行、器物損害....たくさんの犯罪を犯した。
その自身の異能を持って。
「絶景だぁ!俺をいじめた者たちがこのようにして俺によってこうなることは綺麗すぎる景色なんだよぉ!!なんだか、物足りないな...他の人にも同じようにしてやろうか....グハハハッ!!!」
ルイは今までにないような不気味な笑いをあげた。
「何事だ!!」
他クラスから野次馬が来る。教師がドアを強引にあけて入ってきた。
「何...俺をいじめたやつに復讐しただけですよ...悪いですか?僕はこいつらのせいで何度自殺を考えたか、死に方を考えたから分かりますか?!分からないでしょ!!」
「だからと云っ....」
教師が教室中を見渡しているときに血だらけで死んでいる生徒を見つけた。
恐怖で言葉が詰まる。教師の顔はどんどん青ざめていき、教室から飛び出した。
「お前ら!あの教室には近づくなぁ!!!」
教師が大声で叫んだ。
「ふっはっは!!!」
ルイは高笑いをしながら廊下を歩いた。そして、一人の女子を見つけ、『服従』とかかれた紙を見せた。
「ついてこい。」
ルイがそういうとその女子は頷き、ついていった。
* * * * * *
「もう一度…それ」
ルイらは正面玄関に来ていた。そこから外に出て、ルイは『絶対服従』とかかれた紙を見せた。
するとその女子の目に、能力者にしか見れない異能痕が生まれた。
「ん?なんだあれ、異能か?」
学校の前の道を通っていたハンチング帽を被った探偵のような人が呟いた。
ルイが紙を下げ、その女子の目が見えた瞬間、探偵のような人物はルイにむかって走りだした。
「おい、君!!その女の子に何をした!!」
ルイはハンチング帽の男から逃げる。
「援護を頼む!木下!」
ハンチング帽の男は携帯で伝えた。
<場所はどこだ!!>
木下が問う。ハンチング帽の男が答えるとルイの目の前に一瞬で男が来た。
「遅いぞ!木下くん!」
先ほどまで電話していた木下がルイの目の前にいた。
「これでも急いだ方なんだがな江戸川!!!」
木下がルイをうつぶせさせ手錠をかけるように手首を絞めた。
「はいはい、」
江戸川と呼ばれた探偵はルイと女の子にふれた。異能により能力者にしか見れない女の子の異能痕が消えていく。
「お、おい…な…なにを…した!!!」
ルイは木下に抗う。だが、押さえつける力が増しただけで自由にはなれなかった。
「能力を無効化しただけだよ。僕の超能力でね。」
松井はそう答えた。
「お前の異能力など江戸川の前では通用しない。よってお前はただの中学生に過ぎない。ただの中学生を締め付けるなど造作も無い。貴様、何をした?あの女の子に何か異能を吹き込んだのか!?そしてお前の異能力は初めからあったものか!!」
木下がまくし立てる様に云った。
「そう切れていうとその子泣いちゃうよ?もう少し、優しく聞かないと。ねえ?鷹翔《・》たかとびに異能をもらったルイ君?」
江戸川は最後を強調していった。そしてなぜかルイの名前を知っていた。
「う...そうだ、お、おれは...ああっ!!」
ルイが苦しそうに云った。
「どいてあげなよ、木下君。」
江戸川が木下がどいたタイミングを見て、腕を掴み固定した。
「で?何?」
江戸川の声は低く、威圧があった。
「ゴホッ、ゴホッ、60代くらいの人に、この異能をもらったんだ...そして異能をもっていじめてきたやつに復讐をした...あの子にはなんの罪もないけど...」
「復讐か...何したの?」
「殺してしまった。人を...」
ルイはうなるようにして云った。
「そうか...君の異能力は支配系の異能だ。その異能はいいようにも悪いようにも使える。後、知らないと思うけど君の寿命10年あの老人にとられたよ。」
「え....?」
ルイが聞き返したところで、木下が呼んでいた政府の表向きにはないとされている組織、能力特高課の車輛が着いた。
「内務省能力特高課のレツです。殺人罪の疑いであなたを逮捕します。」
レツと名乗る政府の人間が黒塗りの車から降りて云った。
「....はっ....」
ルイは小さく驚き、うつむいた。この世の終わりかのように暗い表情をし、涙を流した。
そしてルイは、おとなしくレツにつれられて車に入った。
「鷹翔め....」
江戸川は誰にともなく独り言ちた。
* * * * * *
「儂は異能をあげただけじゃよ。そうカッカするな、雉。君には関係の無いことだろう...」
鷹翔はそう云って呵呵と嗤った。
「嗤うな鷹翔。お前の嗤い方は虫唾が走る。俺の前で次嗤ったら殺す。」
遮光眼鏡をかけ、キャップを被った長身の男が云った。
「ハッハッハ!面白い!貴様の異能力では儂を殺せんだろう?」
鷹翔はもう一度、呵呵と嗤った。
「てめえ....」
男が睨むと鷹翔は笑みを浮かべ、背中から翼が生え飛翔した。
「超能力、飛翔羽....名前にお似合いな超能力を持ちやがって....」
男――綾取が云った後、もうひとつの強大な気配に気づいた。