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BLAZE-ブレイズ-  作者: 天道空斗
第三章~表裏と裏~
14/15

鎌鼬vs樹懶

 黒銀混ざった髪の男の名を、クグリ。

 ガムを噛んでいる黒髪の男の名を、サガ。

 砂を操る葉巻をふかした男の名を、サイショウ。


 対するは、

 糸を操る、夜縷。

 鼻水を操る、夜泡。

 ダルそうな、夜怠。


 三対三のとても緊迫した空気。今にも空気が割れそうなくらいの空気だった。

どれも顔は平気でいるが今か今かとタイミングをうかがっていた。


「やるぞ。」

クグリの言葉を合図に6人はそれぞれ向かっていった。


「俺の相手はてめえか。鼻水野郎。」


「べへ。おでがあいでしてやるで~~」

サイショウvs夜泡。


「はあ、まったく。僕の相手は大変弱そうだよ。」


「あ~、ダル。」

サガvs夜怠。


「フフフ、楽しませてもらおうか。」


「それは俺からも願う。」

クグリvs夜縷。

 それぞれ干渉しないように離れた場所へ行った。


* * * * * *


「さーて?ダルそうだけど、僕と戦うのがそんなにいや?」

夜怠に向かって言うと、つむじ風が吹いた。するとサガがそこからいなくなった。


「あー、ダル。」

つむじ風が夜怠を通り過ぎる。その瞬間、夜怠の体がズタズタに引き裂かれた。


「さーて?どう痛い?やる気になった?」

サガが笑みを浮かべて問う....が、当の夜怠は面倒くさそうなのは変わらずずっと寝ていた。


「な......そんな...効いてないわけがない!!」

サガが夜怠にさらに追い打ちをかけるように切り裂く。が、夜怠の様子は変わることはなかった。


―何故だ、あいつの近くによると速度が遅くなる感じがする...


「お、おい怠け野郎。お前戦う気あるのか?そんな怠けていていつも気楽だろうな!」

サガが怒りのままガムを吐き捨てた。その瞬間、夜怠からでる雰囲気が一変した。まるで殺気の権化のように、空気を割いた。そして、次の瞬間には夜怠はサガの後ろにいた。


―見えなかった....一体何がっ...!!!!!

サガが気付いた時には遅かった。体という体がケモノの爪によって引き裂かれていた。


「今...なんと言った....今....なんと言った....!!!!」

夜怠はサガのほうを向くと物凄い形相でサガに叫んだ。手の甲からは鋭利な、そして大きな爪が三本伸びていた。全身獣毛に覆われ鋭い眼つきをしていた。


「ぐっ......やっと...やる気になったんだね...」

サガは一度、二度血を吐くと夜怠に向き直り構えた。


「許せない....!!!」

二人はともに衝突した。夜怠の鋭利な爪、そしてサガの”鎌鼬(かまいたち)”として変化した鎌が互いに打ち合った。容赦競り合い、互いに押し合い、対峙した。爪と鎌が擦れ、火花が散る。


「ぐっ.....おおおおおおおああああああああ!!!!!」


「うっ.....!」


爪と鎌が互いに反れ、互いの腹を切った。

夜怠の厚い獣毛により刃は通らない、一方のサガも空いた鎌で攻撃を受け流した。

そしてサガは空中を蹴って反転し、夜怠の元へ風を起こしていった。


―視える....!!!

夜怠の異能力、『樹懶(なまけもの)』は暴走状態に入ると意識を集中しているものの3分後までの未来が見える。しかし視ている時間3秒間は無防備になる。その能力を使い夜怠はサガの動きを予測し、攻撃を次々と流して腹を裂いた。


「なぁっ!!」

サガは攻撃を受け流しきれずまともに受け、血を吐く。そして夜怠はサガの目の前に瞬時に移動し、右下から左上にかけてサガの顔面を引き裂いた。

ブシャッ、という音を立てて顔面から鮮血が飛び散る。サガは地面へ倒れていった。

 そして夜怠はさらに空を蹴ってサガ目掛け爪を構える――が、次の瞬間、夜怠の厚い獣毛を破り夜怠の体にバツ印を鎌で刻印していた。夜怠は後ろを振り向くがそこにサガはもういない。サガは夜怠の後ろに回っており、車輪のようにして夜怠の背中を切り裂いた。夜怠は血だらけになり気を失って落下し倒れた。


「形勢逆転僕の勝ち。」

サガは地面について言うと、胸ポケットから板ガムを取り出し、慣れた手つきで包み紙をとって食べた。

次回はサイショウvs夜泡です!

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