プロローグ
ここに出すのは初めてですので暖かい目でご覧くださいw
「ほう、ここがうわさの......」
一人の男がそれを見て呟いた。
それは、漆黒の岩石に囲まれ、紫のゲートが構えていた。紫のゲートは半透明の映像のようなものであった。
「入り口がこれなんだな。」
男はドアノブのない、映像のような紫のゲートへ足を踏み入れた。
その瞬間、視界が大きく歪み目の前が紫で染まる。数秒後、視界があけたところには部屋があった。
その部屋は、鉄でもなく、鋼でもない、黒の岩とも言えない何かによって作られた空間であった。
そして謎にオウムが一匹逆さまになって部屋の一角のイスに乗っていた。
男は部屋の鉄製のドアを開け、一本道を進む。黒き何かのトンネルを抜けるとそこは大変な悪臭がした。
例えるのであれば、人の死体の臭い。
「おい、あんちゃん。新入りかい、オラァ!ここへきたらな、まずは有り金全て渡せ!さもなくば殺すぞボケェ!!」
よくいそうなチンピラたちが4,5人でやってきた。
「フッ、やはり荒れまくった闇世界で間違いないようだな...おい、ガキどもにきく。ここは人を殺しても問題ないか?」
男はニヤリと口角をあげ言った。
「問題ねえぞ。もしかしててめぇ、やる気かごらぁ!!!!」
チンピラたちが一斉に襲い掛かってきた。
「クソガキが調子に乗りやがって」
男は加えていたタバコを捨てチンピラたちをことごとく投げ技で倒した。
「終わりか?」
男は倒したチンピラを睨みつけて言った。
「まだ....終わり..じゃ...ねえ!!!」
チンピラの一人が立ち上がり、持っていた金属バットを振りかざす。
が、男の肩に当たった瞬間、金属バットがくの字に折れ曲がった。
「いててててて...強引なやり方だが肩こりがとれたぜ」
男は平然と言い放ち渾身の一撃をチンピラにかました。
チンピラは顔面から血を流し気絶した。男一人の手によってほかの野郎たちも同様に。
「とてもスッキリできる世界に来たようだな」
男はそう言って笑みを浮かべた。
男の名は天夜。黒髪に恐ろしく鋭い眼光。身長は1m90cm程度。武術剣術の達人で、裏の世界では知る人ぞ知る偽善者狩りと呼ばれた男だ。警察も秘密裏に捜査を開始したが天夜を確保することはできず、天夜によって命を落とした警官もそう少なくは無い。
この物語はそんな天夜のお話だ。
天夜はチンピラたちを越えて先へ行った。
そこには、たくさんのビル、家、店が並んでおり、この悪臭がなければ普通の都会とも思えるほどであった。悪臭と空色を除けば。
空色は現実で見る水色とは違い、血を連想させる赤色であった。酷い悪臭もしたが少しあるけばその臭いは消えていった。
天夜は臆すること無く奥へ奥へ道あるところを進み続けた。すると天夜のすぐ近くのビルが爆発を起こした。
「なんだ?」
天夜は構えを取りビルに対峙する。別に誰かが襲ってくるわけでもないのに構えていた自分に嘲笑し構えを崩そうとした瞬間、何か気配を感じ天夜は後方へ引いた。すると気配を感じたほうから手を叩く音が聞こえた。
「素晴らしいねえ。君。よく僕の見えない攻撃に気づいたねえ。君、武道してたでしょ?」
何者かがうれしそうな顔をして言った。
「貴様は何者だ?」
天夜は構えをとりながら言った。
「ん~答えてくれないか~。まあいいや。僕は蓮。異能力者だ。異能力【折紙】、分かる?」
蓮と名乗った男は異能力者と自称した。
「ずいぶんと舐めた口調だな。しかし異能力とは中二病臭くて面白い。では、見せてもらおうか?」
天夜は異能力など認めず嘘だと思いながらお遊び感覚で言った。
「いいよ。」
蓮が言うと大気を手を縦にして正方形を書き始めた。
すると、書かれた大気が周囲の大気と何かが違う、まるで紙の真ん中を正方形で切り取ったようになり、それで瞬時に紙飛行機を作った。
「これが、大気飛行機。縁だけ大気が丸まったり角が出来たりしてるから見難いけど紙飛行機には見えるでしょ?」
蓮は楽しそうに言った。
「ほう、面白い....私は天夜だ。貴様を異能力者と認めよう。」
天夜は動揺を隠しながら言った。
「天夜?聞いたことある名前だな。もしかして......!!貴様ぁ!!偽善者狩りの!!!」
「何を驚く。別にたいしたこと無いだろう。この"世界"では」
「貴様も異能力があると聞く....一体なんの能力なんだ?」
「私に異能力など無い。しいて言うならこの鍛え上げた武術だけだ。」
「天夜、君についていきたい。いいか!?」
蓮は作った大気飛行機をどこかへ投げ、天夜に近づいて言った。
「面白い。だがお前だけでは私の戦力外だ。私一人で十分だ。ほかにも異能力者、超能力者はいないのか?」
「こ、こ、このや闇世界にならごご五萬といるさ!!」
蓮はとても興奮気味に言った。
「そうか。まあそれは追々集めるとしよう。これから何をするか計画は決まってるのか?」
「それは......」
「偽善者殺しはもうしない。こんだけ荒れた、逆にこんだけ整った闇世界はそうそうない。たっぷり金を稼ごうと思う。貴様、借金は無いのか?」
「借金...昔に1000万借りて返せなくてここへ逃げてきたんだ。大丈夫かな..」
「お前の異能力があれば借金取りなんて楽勝だろう。やばいところだろうがなんだろうがここへ逃げてきたのなら問題ない。まあいい。こい」
―これが、後に大規模組織になるなんて誰も知らなかった―
今回は組織の結成秘話でした。これからはメンバーが増えてく話ではなく、ある程度人数がいる状態からのお話にします。