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アルバイターズ  作者: 野方送理
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第96話 Which is crazy?

第96話 Which is crazy?


文化祭2日目、昨日いなかった


伊有が


「そう…ですか、霧子さんも自分のために…いえ、私も同じですよ。私もあてもない復讐相手を探し続けるだけです。そうである以上やめられません」


彩香が


「…ちょっとだけ、考えさせてほしいな。霧子ちゃんに怒ってるわけじゃないけど、少し怖いのは本当だから…」


柊が


「神城さんそんな過去を…そっか…俺じゃなくても、いいんだ、そっか。恥ずかしいけど…俺ちょっときついなーなんて…」


そして


「はーんなるほどねえ」


愛羅が答える。


「あいつもあいつで色々抱えてたわけね。いいよ、私はやめない。辞める理由がない」


「そう言ってくれると思ってたよ」


奈美が頷く。


「そもそも、めちゃくちゃ金に困ってるとかではないにも関わらず法外でもない金のために命かけてるんだぜ?」


「それは…そうだけど」


「異常なのは、どっちかっつー話だよなあ」


「どっち…?」


「向こうからやってくる化け物と、好きこのんで戦う私。命がけなのはどっちも同じとして、な」


「…向こうが普通…って言いたいの?」


「普通とまでは言えないにせよ、向こうにとっては人間界の侵略なんてよくあることなんだろ」


「…でもたとえ普通だったとしても…それに屈する必要はないでしょう」


「その通り!」


目をギラつかせて愛羅が身を乗り出す。


「弱い生き物を呑気な顔して食いにくるやつらを噛み殺すんだよ」


「その繰り返しね」


「あんただって薄々気づいてんだろ?」


「何を」


「戦うの楽しいだろ」


「…そんなわけ」


「まあいいや、戻ってきてくれて嬉しいよ。また楽しくやろうよ」


「っよろしく」


「後でもお前んとこ遊びに行くよ」


「待ってるよ」


愛羅と話すたびに、なにかを見透かされたような、考えないようにしていたことを突きつけられるような、そしてそれが、とても大事なことのような気がした。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「昨日はありがとうございました、イレズマ様。私をかばってくれて」


「かばったわけじゃないよ。ただ君が本当のことを言わないのを見逃せなかっただけさ」


「…後悔はしていません。ほんとは最初に話しておくべきでした」


「君を選んだ後、君の願いを聞いてそれに乗ったのは私だよ。私も共犯みたいなもんだ」


「今日の今日まで誰も死ななかった幸運に感謝して、正規の訓練生を呼びましょう」


「…誰かは残ってくれるかもしれないじゃないか、奈美ちゃんだってそう言ってたじゃないか」


「だとしてもその優しさに漬け込んだら…おしまいです。それに奈美や…天海さんがもし残ってくれたら、他の人が辞めづらくなります。ここでみんなに外れてもらうべきです」


「…そうか、また文化祭が終わったらみんなに集まってもらってお話しようか」


「ええ、すみませんが私もシフトがあるので少し…」


「体は大丈夫かい?せめて今日くらい楽しんでおいでよ、たった3回しかない文化祭なんだから」


「はい、気をつけて行ってきます」


そうして霧子は城波神社を出発した。


ガチャン


「…?」


高校に着くと、下駄箱に手紙のようなものが入っている


「…!!」


それを開くなりその手紙をそのままカバンに突っ込んだ。


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