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アルバイターズ  作者: 野方送理
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第86話 炸裂!神業!

第86話 炸裂!神業!


「○×県の街に強い魔力反応!」


「交渉人支部の隊員じゃ対処できん!」


「伊有さんたち!お願いします!」


「承知しました!」


「●●●県の村にも魔力反応!」


「原墨くん!お願い!」


「昨日までの暇が嘘みてえだな」


そういって次々と転送装置に入る。


○×県の街、路地裏の神社に到着した伊有ら。ビルの屋上に大きな黒い影がある。


「神業を試すいい機会です…神憑変化!!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「数が多いなあ…まあでも今日は天海さんが来てないから思いっきり暴れられるな」


山中の神社に転送された健、羽虫のような魔物たちが空に浮遊しているのに笑みがこぼれる。


「おい置いてくんじゃねえよ健!!」


「なんだ付いてきてたのかよ」


肩で息をする柊にため息をつく。


「お前だけいい思いさせるかよ…」


「足引っ張んなよ」


「そっちこそ…」


「「神憑変化!!」」


同時に変化を行う。


「せっかくだから、使わせてもらうか」


ハンマーを体の正面に持ち直し


「破砕神・パキル・テジロの名の下に…」


ハンマーが光り輝く


『神業・豪雨!!!』

(レイン)


轟音とともにハンマーを振り下ろす。


すると…



ドガガガガガガガガガ!!!!!


無数の衝撃波が羽虫を叩き潰す!!


「うわ、こりゃすげえな」


自分の放った業の威力に汗を垂らす。


しかし


「てめえ何匹か外してんじゃねえか!」


「狙って撃ってるんじゃねえから仕方ねえだろ!!」


羽音ともに生き残りが攻撃を仕掛けてくる!


「これだから…盾神・オーフェンスの名の下に!」


そうは言いながら柊も輝く盾を構えて笑みをこぼす。


『神業・土の壁!!』


ドゴン!ドゴン!!


柊の声に呼応して、地面が盛り上がり羽虫たちを撃ち落とす!


「おー、やるじゃん…おいあれ!」


潰れる羽虫たちの後方、一際大きな体を持つ虫が背を向けて飛び去ろうとしている。


「ボスか!逃げられるとまずい…」


そういって盾を構え直す。


「健、お前をあそこまで飛ばす!トドメを刺してこい!!」


「あ?飛ばすっつったって…」


健の質問に答えるよりも早く


『神業・風の壁!!!』


盾を振り回すと目に見えそうなほど強い風が健を前へと飛ばした!!


「うぉおぁぁぁァァァァァ!?!?クッソこういうことかよ!!!」


戸惑いながらも健も空中でハンマーを構え直す


巨大虫は目前


少しずつ体を捩って槌を回す


『神業…』


虫が健に気づくももう遅い


『竜巻!!!』

(サイクロン)


ドゴォン!!!!!!


回転の勢いを乗せた槌が虫の体をバラバラに砕く。


「っとと、あぶねー。やるじゃねーか、柊」


「作戦成功だな!」


親指を立てる柊


「なるほどな、健は天候の動きをハンマーに乗せる、柊は属性みたいなものを壁として攻撃と防御両方行けるようにしたのか」


その後ろから


「…あ、天海さん」


「いやはや私の仕事を減らしてくれて助かったよ〜ステージ係の係会が割と時間食ってね」


「…あ、あの」


愛羅はニコニコしているものの、怒気が体から漏れ出ていた。


「あーぁ、私もお披露目したかったなあぁぁ。誰か相手してくれないかなあぁぁ…」


後ろ手を組んで2人の顔を覗き込む。

冷や汗が止まらない。


「さ、とりあえず帰ろっか」


肩に置かれた手は優しかった…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「春近さん!」


「こちらは私に任せてもらえますか!すみませんが、今日は…試したいことがあって!」


「分かりました!雑魚は任せて、無理だけはしないよう!」


そういって雅信は別のビルに散らばる猿のような魔物を追いかける。


強い魔力を放つツノのある大猿と対峙する伊有。


(少し前なら…恐れていたかもしれない)


「ゴアァァァァァァァァァ!!!!」


雄叫びをあげながら大猿が向かってくる


(怖いことは怖い、それでも)


「剣神・ソードハートの名の下に…」


(前を向いて、強くなる!!)


『神業・十年摩剣!!!』


ズシャ



ドチャリ



その爪は伊有に届くことなく

肩から先は斬られて落ちた


「ガァァァァァァァァァァ!?!?」


緑の血を吹きながら、大猿が暴れる。


(ふう、うまくいった)


息つく間もなく、大猿は再度伊有に喰ってかかる。


(慌てない、大丈夫、落ち着いて…)


スパン


大猿の手は伊有の体を捉えた

かのようにみえたが


ゴトリ


すでに大猿の首は胴体と分かれていた


『神業・琴心剣胆』


剣についた血を払い、鞘に収める。


「ふぅ…」


溜息なんかついてはいるが、心臓は早鐘のように鳴っていた。


少しずつ強くなっている。


その確信は伊有の頰を緩めた。




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