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アルバイターズ  作者: 野方送理
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第66話 戦う理由

第66話 戦う理由


「で、今日のメンバーはこの5人、と」


そう言いながら奈美が確認する。


「暇だから付いてってやるよ」


愛羅が答える。


「私も今日は予定がないので」


伊有も続く。


「どんな原理でそんなことが起こってるのか気になるしな」


士郎がつぶやく。


「じゃあ彩香さん、坂上くん留守を頼みます」


「えぇ、くれぐれも気をつけて」


雅信が霧子に答える。


「じゃあ行ってきまーす!」


そういうと奈美たちはワープ装置の上に乗った。目指すはY市…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「よっと、この辺かしら…」


異界の力の反応が、起こっては消えるという不思議な現象の発生したあたりの神社に霧子たちは降り立った。


「今はどう?」


「とりあえずは…特に何も起きてないわね。各自にこの異界力センサーを渡しますので少し見て回ってもらってもいいですか?」


「「「「了解」」」」


そして5人は散らばった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「そんなに何か強い奴がいるような気がしねえんだよなあ」


そんなことを言いながら住宅街を愛羅は歩く。


「んっ」


その時だった。


「急にきたな、大きくはねえが」


反応の方に向かって走り出す。


しかしそこにいたのは


「…なんだあんた?」


いたって普通の格好をした人間らしき生き物とその足元で血を流して倒れる人間だった。


「…っ!?」


そのニンゲンは愛羅の顔を見るなり走り出した。


「あぁ!?待てこらァ!!アルラウス!」


「はい愛羅様!」


「神憑変化!」


変化しながら愛羅は後を追った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(見た感じ普通の人間っぽいのに…あれは…妖力反応?)


霧子も同じように反応のあった人間を追いかけながら考える。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「逃げなかったのは褒めてやるが、そのちゃちい武器じゃ俺のコレは落とせねえな」


欠片を周りに浮遊させながら、士郎が追い詰める。


「目的はなんだ、そしてその道具はどこで手に入れた」


「…ククク、ハハハ!」


「?…何がおかしい」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「貴方のような一般人が扱えるものじゃないわ、さあ、返しなさい」


「いやはや、本当にお強い…時に貴方」


「何よ」


「貴方はなんのために戦っておられるのですか?」


「?私?そりゃ世界平和のための」


「おぉ、おぉ!!なんと素晴らしい志!」


「て、照れるわね」


「そんな貴方にお願いがあります」


「なによ?」


「私共に、力を貸してはくれませんか!?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「私たちは世界平和のために戦う団体なのです」


「は、はあ?」


「たまたま手に入れたこの道具ですが、これこそ神が私たちに与えし力…平和を遂行するために必要なものなのです」


「…はぁ」


「先ほど見られてしまったあいつも、この町でよくない薬を若者に売って金を稼いでいた悪徳警官です。だからこそ!止めないでほしいのです!」


「うぅん…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「世界平和のためには!我々のような力を持ったものが!戦うべきなのです!ですから力を合わせて」


「…ぷっく…く、アハハハハひー!!!!待って!おなかよじれる!あひゃひゃはひ…ふひっハハハハハハハ!!!!」


「な、なにがおかしいのですか!?世界には弱き民がいて、虐げられ苦しんでいるのですよ!それを我々が救わずして…この力はそのためにあるに決まっています!」


「頼む!頼むから待ってくれ!苦しい!笑い死ぬあはははは!!!」


「〜〜っ!!では貴方はその力を!その強い力を!なんのために使う気ですか!」


「あぁ?この力を?あー、そうかそうか、そこからすれちがってた訳か」


「…?」


「別にこの力を使ってあんたを攻撃したのはこの町の平和…平和ぷふっ、すまねえ、を脅かしてたからじゃねえよ」


「な、なんだと!!??」


「私が力を使って戦うのは…楽しいからに決まってんだろ!?ハハハ!素敵な勘違いご苦労さん!!!」


愛羅が妖怪の道具を使い、「世界平和」を夢見る彼らを笑い飛ばしたその裏であるものの心が少しだけ揺らいでいた。

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