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アルバイターズ  作者: 野方送理
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第40話 陽太VS士郎 1

第40話 陽太VS士郎 1


「ダンシュラの能力はいくつかあるが、その中にいつも発動してるものとして拳から衝撃波が出せる、ってのがある、らしい。終わった後に聞いた」


健と愛羅は模擬戦を終え、帰ってきた一郎太の話に耳を傾けた。


「つまり、あれは1つの技として遠距離攻撃のために意識して使ってたけど、そんな必要はなかったみたいだ」


その体にはいくつもの擦り傷と、包帯が巻かれていた。


「ダメージでいったら負けたみたいな格好だな」


「お、おい愛羅さん」



愛羅が笑いながら茶化すのを健がたしなめるが


「その通りだ…ラッキーパンチが入ったからよかったにせよ、あのアッパーを避けられた時点で俺の負けみたいなもんだ」


一郎太は真剣な表情でそう言った。


「…にしてもなんであんなダメージ出たんだろうな?」


場をとりなすように健が疑問を投げかける。


「あの子は熊の神様だろ?だからだよ」


「?…どういうことだ?」


「熊の弱点は鼻なんだよ。スウェーバックして避けたはいいがそれが逆に最も弱い鼻に、予期せぬダメージを引き起こしたわけだ」


「…なんでそんなこと知ってんた?」


「いつか役立つかもしれないだろ?」


「……」

「……ちょっとトイレ」


改めて健と一郎太は愛羅の恐ろしさを思い知った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ここ…は?」


「よかった!目を覚ました!


「!?…彩香ちゃん!?あれ…私…そっか負けちゃったんだ」


「…ううん、ほとんど互角…いや押してたよ」


「そう…?」


治療室のベッドの上で伊有は目を覚ました。彩香の声を聞き起き上がろうとする。


「あ、あれれ、手に力が」


「あ、こら。無理に起き上がっちゃダメよ」


ベッドにパタパタと真春が近づいてくる。


「キュラスによると軽い脳震盪を起こしてるみたいだから、横になってゆっくり休んで」


「脳…震盪?避けた気がしたんだけどなあ…」


「多分だけど鼻に拳がかすったんじゃないかしら、調べたけど鼻が熊は弱点だそうよ」


少し違うが概ね正解を真春は伝えた。


「人間の尺度で顎は避けたけど甘かったかあ…」


「とはいえ、その毛皮と肉質の変化は驚きね。外傷はほとんどないわ、勝った湯島くんのほうが多かったくらい」


「そ、そんな、どうしよう…謝らなきゃ」


「その必要はないよ」


入り口から声がする。


「い、一郎太くん!…本当だ怪我してる。ごごごめんなさい!も、もっと力加減が」


「力加減なんてする必要ないよ。俺が弱かった、それ以外の何でもない。こちらこそラッキーパンチとはいえ女の子の顔を…殴っちまった、すまない」


「い、いいやいや!全然!大丈夫だから!気にしないで!」


「…そう言ってくれると助かる」


「2人とも、次の始まるよ〜〜」


彩香の声に反応し、2人はベッド脇のモニターに視線を落とした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「相手が女子じゃなくてよかったよ、敵ですら惑うのに、味方なんて」


(いい性格だと思うが敵は倒さないとだぜ?陽太)


「わかってる…まあ今日も頼む」


(OK!Here we go!)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(まさか…これを武器にするとは思わなかったよ)


(本当だよ!お兄ちゃんとルナのおもちゃを!)


「あぁごめんごめん、これ終わったらこれで遊んでいいから」


(本当!?)

(本当!?)


「ええ、もちろん、もっと面白くなってますよ」


(なら仕方ないなあ)


(許してあげる!)


「では今日も…お願いします」


((はーい!))


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


イレズマの声がスピーカーから響く。


「準備はいいかい…?始めっっ!!!」


「神憑変化!」


「神憑変化」


両者の姿が変化する。すでに皆が見慣れた弓を構える陽太。士郎の姿を確認する。


「なんだあれ…?」


陽太とモニターを見ていた全員が同じ言葉を口にしていた。


士郎は姿こそ見慣れた服装であったが、その周りに2つの浮遊する物体を伴っていた。


「これが俺の新しい武器であり2人の神器、『太陽の欠片』と『月の欠片』」


「…よくわからんが、手加減はしない!」


陽太が矢を放つ。


『太陽の欠片』が動き出す。


次の瞬間


パァンッ!


けたたましい音とともに矢が空中で弾ける。


「なっ…!?」


「うん、上手く行ったみたいだ。この武器は俺に対する攻撃を防ぐための」


士郎の言葉を遮るように陽太が次の矢を放つ。


パキィッ!


『月の欠片』が矢に激突し、その攻撃を防いでいた。


「…最後まで言わせろよ。これが俺の自動迎撃システムだ」










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