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アルバイターズ  作者: 野方送理
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第15話 知恵の神と鬼神

第15話 知恵の神と鬼神


それはそれは凄惨な光景だった。


先ほどまで夕日に映え、その緑を輝かせていた森は赤とも黒とも取れる液体にまみれていた。


そこにいたのは


「あぁ…あぁ…これだよこれぇ…たまんねえなぁ!」


「日頃のストレス発散にもなった、悪くねえな」


「本当に頼もしい限りね…陽太君と奈美もお疲れ様」


「あ、あぁ。ほとんど何にもしてないけどな…」


「大半をあの二人が潰しちゃったからね…」


戦いを終えた5人であった。


「いやぁ、助かったよ…にしたってあの子すごいねえ…あの大きさの魔物を拳一発で潰すんだから…私もぶるっちゃったよ…」


ムルチは本当にからだをふるわせながらそう呟いた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「サンサンとルナルナだって!?それは…また、すごいのを憑かせたねえ…きっと君なら上手くやれると思うよ」


「え、ええ、ありがとうございます(すごいのなのか…?)」


「さてと鍵瓜くん、君の今日やるべきことはとりあえず終了だ、お疲れ様。よければ身代人形だけ作って行ってほしい。あぁもちろん、あの5人の帰りを待っててもいいよ。この建物にある施設は好きにしてくれ」


「はい、じゃあ雅信、この建物の中で待ってるわ、いい神様いるといいな」


「うん、ありがとー」


そう言って鍵瓜は別室へと消えた。


「さて…と」


イレズマは坂上に向き直ると


「では…覚悟はいいかい?坂上くん」


真剣な表情で坂上にそう尋ねた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「お初にお目にかかります。私の名はアリス・バルムガン。戦いの神の一柱でございます。あなたが…坂上様ですね?イレズマから話は聞いております…どうしたものでしょうねえ」


「す、すみません」


「ええ、本当に困りますよ…まったく難しいことは全部私任せで…あ、そうだ簡単な話じゃないですか!」


「本当ですか!?」


「ええ!それでは坂上様!」


丁寧な言葉遣いとは裏腹に残酷な笑みを浮かべると


「私に片腕をくださいますか?」


そう宣告した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「お、お疲れ様ー」


「あぁ雅信くん!どう?終わった?鍵瓜くんも」


「あぁ、2人とも終わったよ。次からは力を貸せるぜ」


「そっか!どんな神様なの?」


「それは…」


「まあ…」


「「見てのお楽しみということで!」」


「なにそれずるいよ!」


「はーい5人ともお疲れ様ー、ほら霧子。一応最後の4人の候補者だ、スカウトしてみるといい」


「あ、イレズマ様、ありがとうございます!そうですか…あと4人ですか…」


「…あと1人。欲しいかい?」


「い!いえ!充分です。これであと4人が参戦してくれれば…」


「11人にもなるね!力を貸してくれるといいね」


「あ?まだ増えるのか?私の取り分減ったらどうするんだ」


「まだ戦い足りないのか。天海さんせっかくならトレーニングルームで一発相手してくれないか?」


「おぉ!その手があったな!いいぜ原墨、フルボッコにしてやるよ!」


そう言って2人は部屋を出て言った。



「…あの2人まだやるのか…」


「…え、えーと、残りの4人は…春近さん…えっと剣道部の人かな。佐藤彩香さん…この人は知らないな。あと山藤くんと湯島くんか」


「山藤に湯島?おい雅信」


「あぁ、うちのクラスの奴らだな、たまに喋るよ」


「そういうタイプには見えんが…まあ話はしてみるな」


「じゃあお願いできる?じゃあ春近さんと、佐藤さんには私たちが。それじゃ、今日は解散ということで」


「私はあの2人が終わるまで待ってるから、奈美達は先に帰ってて、今日もお疲れ様、ありがとうね」


「いやいや、なんだかとりあえずは上手くやってけそうでよかったよ」


「油断は禁物だけど頼もしい仲間が増えたしな」


「それじゃあまた明日〜〜」


「ええ、また明日」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…別になにをしようとあなたの勝手だけどここまで傷をつける必要はなかったんじゃないかしら?」


「いやまさかあそこまで強いとは思わなかったんだよ…パワーだけじゃない…手も足も出なかった」


「いやいや!筋は悪くねーよ原墨、またやろうな!」


ボロボロの原墨と対照的にツヤツヤした天海の姿が夜の本部にあった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…というわけでバイトしないか」


「…全く話が読めないんだけど鍵瓜くん、勉強のしすぎで頭やっちゃった?」


「いやこいつ天才肌らしいから大して勉強は」


「俺はいいよ!危険かもしんないけどなかなかの額入るじゃないっすか!いいっすねえ!」


常識的な反応を見せる湯島とは真逆の反応を見せる山藤であった。


「そうか…ありがとう山藤。湯島も…まあ、できれば今日の放課後一緒に来てもらえるか?」


「…わかった。受けるかどうかも含めて、考えさせてもらうよ」


「ありがとう。水泳部は大丈夫なのか?」


「明日からプール掃除だよ」


「俺は部活やってないから問題ないよ〜〜」


性格もなにも正反対の2人だった。

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