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アルバイターズ  作者: 野方送理
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第12話 幼馴染の参戦

第12話 幼馴染の参戦


「なーるほど大体の事情はわかりました」


霧子と奈美から呼び出しを受け空き教室でアルバイターズについての説明を受けた鍵瓜はそう呟いた。


「もちろん、交渉が決裂し、戦闘へ発展して怪我をすることもあります。最悪の場合…」


「死ぬ…か、ふむふむ。興味深いなあ」


「興味深い?」


奈美が怪訝そうに尋ねると


「あぁイヤイヤ、どうにもゲームやファンタジーが好きなものでね異世界の住人たちに非常に興味があったんだが…まさか実在するとはね…ちなみに時給とかは?」


「一回の交渉につき3万円です、その交渉に適した人に手伝ってもらいますが…月に2、3回はお仕事をしてもらいます」


「ふむなかなかいい額じゃないか…いいでしょう、高校という場所にも退屈してたことですし、お受けします」


「ありがとうございます…では本日そのほかの説明等もするので城波神社に来てもらえますか?」


「了解でーす、んじゃ弁当食べてないんで戻りますね…おーう雅信、なんだよ告白じゃねーよ。あー、なんつーか」


「ん?雅信?」


奈美が聞き覚えのある名前に声の方を覗くと


「同じクラスの神城さんと…なっちゃん!?」


「雅信くん!?」


そこにいたのは幼稚園と小学校のとき同じクラスだった坂上雅信という男子生徒であった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「そっかなっちゃんもこの高校に来てたんだ〜〜」


「雅信くんも!たしか…四年生の時に隣町に引っ越しちゃったよね?」


「うん、家の事情でね…なんの話をしてたの?もしかして告白?ふふふ」


「だから違うっつってるだろ」


「あ、えーとあの」


「坂上さん…と言いましたか…あの、アルバイトとかは考えていませんか?」


「あー、うんと、まあいいのがあればやろうかなあ、なんて」


(ち、ちょっと霧子)


奈美が小声で霧子を小突くが


(誰でもいいから今は仲間が欲しいわ、ダメなら忘れてもらうし)


(もう…強引だな…)


いつになく強行手段な霧子を不審に思う奈美をよそに


「それでしたらいいのがあるのですが…ご一緒にどうですか?」


「ふむ、ちょっと考えさせて欲しいな、僕も一緒に説明受けれる?」


「ええ、では放課後お待ちしております」


そう言って4人は別れた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「おまえ、盗み聞きしてたな」


「なんのことかな?」


「おまえと神城さんの会話に俺が城波神社に行くことは出てこなかった」


「…そうだっけ?」


「…そんなにおまえも異世界に興味があるのか?そこも聞いた上でカマをかけたわけだろう?」


「お生憎様、ゲームはやるけどそこまでじゃないさ」


「ならなんで…」


「なんだっていいでしょう、一緒にバイトしようよ」


「…まあ、お前もやるなら少し安心だな。空手やってだんだろ?」


「じいちゃんの我流武術だよ…まあ、戦うかどうかはわかんないけどね」


「そだな、っと次移動教室だ、行こう」


「あぁ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(なんだってよかったんですよ。あの子にあの時の借りを返せるならば。むしろそんな訳の分からない事態になっているなら好都合だ…今度は私があの子の助けになれれば…)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…がみくん、…かがみくん!坂上くん!」


「は、はいっ!」


「この問題の答えをお願いします」


(やっばい、考え事してた…)


「√5だよ」


どこからか答えを囁く声が聞こえ


「る、√5です」


「はいよろしい、もう少し集中してね」


「はい…すみません」


初老の女教師の注意を受け、クラスに笑われてしまった。頭をかきながら坂上は振り向き、1つ後ろの席に座る女子に感謝を伝えた。


(ごめん、真春さん…助かった)


(別にいいわ、言われた通り前向いてたら?)


(うう…ごめん…)


すぐに言われた通り坂上は居直った。


そのために


真春と呼ばれた女子の頰が少し赤くなっていたことに気づいたものはいなかった。




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