第11話 鬼才と天才
第11話 鬼才と天才
イレズマの部屋を後にした4人は憑いてもらう神を選ぶため異界通信室へむかった
「ぶっちゃけて言って仕舞えば98ってのはほぼ魔物か精霊レベルだよね…」
「ええ…数百年に1人だけいるそうよ…」
「お、ここか、入っていいのか?」
「あ、うんあけるね」
ー果たしてそこにあったのは青白い光を放つ円を部屋の中心に据えた厳かな雰囲気の空間であった。
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「えーと俺が円の前に立てばいいんだな?」
「うん、協力してくださる神様の中で原墨くんと合う神様が現れるはずだから」
「わかった」
そう言って原墨が円の前に立つと
ゴッ
「!?」
青白い光がより一層強いものとなり
「私の名前はパキル。パキル・テジロ、全てを砕く神。私の力を欲するものは誰です?」
「…すっげえ、本当に現れるんだな…お、俺です」
「ふむ…あなたですか…いいでしょう、これから1年、あなたに力を貸してあげましょう」
「あ、ありがとうございます」
「それでは有事の際はまた呼んでください」
そう言ってパキルは霧のように消えた。
「な、なんだか案外あっさりいけるもんなんだな…」
「ええ、この交渉という活動に理解を示し、協力を申し出てくださっている神様だけが現れますから…」
「うっし、次はあたしのばんだな!強いやつ出てこーい!」
そして天海が円の前に立つと同じように光が起こりー
「我が名はアルラウス…私の力を欲するものはあなたか?」
「ふーむ、なんだかなよなよしているな」
「ちょっと!天海さん?」
「なんだと?お前のような生娘がなにをいう?」
そう言ってアルラウスは天海の胸倉に掴みかかった
が、その手首を天海がしっかりと掴んでいた
「何人たりとも私に気安く触れるんじゃねーよ」
「あ、あ、あ、天海さあん!?」
「例えそれが神であろうと私は嫌なことは嫌だね」
「なんだと?」
アルラウスの周りに白いオーラのようなものが流れる。
と同時になぜか天海から赤黒いオーラが発せられる。
「う、嘘でしょ、生身の人間があんなオーラを…」
「やっぱりおかしいって霧子!愛羅ちゃん人間じゃないって!」
「こいつはたまげた…」
原墨も口を開けている。
そしてとうの2人は
「ふ、ふふふふ」
「なんだ、なにがおかしいんだ?神様」
「いやはや…なんて、なんて…」
アルラウスは腕を振りほどいたかと思うと
「なんて素晴らしいお人だ!」
膝をついて敬意を表する構えを取っていた。
「「「「は?」」」」
「いやはや、主人にするならば貴方のような芯の強い女性がいいと思っていたんです…私の無礼をお許しください…私にどうか貴方に力をお貸しすることをお許しください…」
「ふむ。いいだろう気にいった。よろしく」
「なんとありがたきお言葉!」
「霧子…愛羅ちゃんって…」
「ええ…とんでもない人を仲間にしたかもしれないわね…」
こうして2人の憑き神が決まった。
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次の日
「奈美、一応次の候補者を選んでいただいて来たわ」
「はいよ〜〜、ふむふむってこの人」
「…ええ、入学者挨拶をした鍵瓜くんね。こんな突飛な話に食いついてくれるかしら?」
「とりあえず…話はしてみようか…」




