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年賀状 たくさんあると 得するよ

作者: 山木 深

「1枚、2枚、3枚………………。よしっ、全部で34枚もある。これならあいつをぎゃふんと言わせれるな」


「へー、誰をぎゃふんと言わせるの? も、し、か、し、て。私だったりするのかなー?」


「うわっ! ちょ、いきなり後ろから来ないでよ! 姉ちゃん!」


「ふーん、なに、疚しいことでもあるのー? うりうりー」


「あっ、ちょっ、もう! なんだよ姉ちゃん、何か用!?」


「瑞季がどれくらい年賀状もらったのかなーって。瑞季、今年どれだけ年賀状もらえるかで私と勝負したじゃない。それの確認よ」


「うっ、やっぱり覚えてたのかよ………。むぅ、いいぞ、やってやる。今年はいっぱいもらったからな、姉ちゃんにだって負けねぇし!」


「そっかそっか。ねぇ瑞季。それ、何て言うか知ってる? フラグって言うんだよ」


「ふんっ、あんまりでかいこと言わない方がいいんじゃない? 弱く見えるよ」


「へぇ、瑞季のくせに随分と生意気言うじゃない。いいわ、そんなに自信あるならハンディもあげないどくから。………………それじゃあ、瑞季から出しなよ」


「俺は、全部で34枚! 内訳は、親戚8、男友達23、女友達3! 親戚1枚一点、同性1枚3点、異性1枚5点だから、全部で92点だ!」


「…………瑞季、女の子から年賀状もらえたの? 万年ぼっちの瑞季が友達をそんなに作れたのもびっくりだけどさ」


「ふふん、もう今までの俺とは違うんだよ」


「そうね、そうみたいね。なら、それを真っ向から叩き潰すのが、姉ってもんよね。瑞季、私はね、全部で77枚あるのよ」


「……………………………ふぁっ!?」


「親戚19枚、同性38枚、異性20枚。しめて233点よ。どうにも瑞季が自信満々だったから念のためにいつも送らない人にも声かけといたのよ」


「な、なななななっ! ず、ずるいぞ姉ちゃん!」


「ルール違反はしていないもの、ずるくなんかないわよ。大人しく諦めて罰ゲームを受けなさい。今年は、えっと………………。あ、猫耳メイドコスだったわ」


「ちょちょちょい待ちぃ! あ、あれだよやっぱおかしいって! なんで俺の罰ゲームが猫耳メイドコスなんさ!」


「あら、私だって同じじゃない」


「姉ちゃん趣味! 俺違う! しかも俺の場合女装もついてくるから!」


「え、なに、瑞季性転換したらいいってこと? なら私、知り合いにその手の専門家いるからやる?」


「やらない! あぁ、もう、ほんとにやらないといかん?」


「うん、いかん。むしろ、やれ」


「…………姉ちゃん。彼氏とか彼女って、150点だよな?」


「そうだけど。え、なに、まさか瑞季、彼女いるとか? はぁ、あのね、いくら嫌だからってそんな嘘ついて騙そうたってそうはーーー」


「ん!」


「って何よ。…………………。うんん!? ね、ねぇ瑞季、これ、え、隣のこの、眼鏡かけてる娘って…」


「あー、うん、まあ、彼女。クリスマスに告って、まあ」


「………………………まじか」


「まじ」


「そ、そっか……」


「なぁ姉ちゃん。点数逆転したよな?」


「……………さいならっ」


「逃げんなぁ!」

読了感謝です

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