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怪闘王  作者: 恋魂
第四部 戦士(ファイター)
22/52

一話 ジョニーは戦場にいった

 

 バトル漫画が大好きや。

 燃える。

 ワイもいつか漫画のような必殺技を身につけたい。


 小さい頃からの憧れだった。

 自分で巨大な亀の甲羅型重りを作り、それを背負って毎日走った。

 だが、未だにハメカメ波はでえへん。


 格闘技の主将はおらへん。

 格闘漫画だけを見て、鍛え、技を身につける。

 強く、どこまでも強くなる。


 漫画と現実を一緒にするな。

 周りの人間はそう言うが、逆に聞きたい。

 漫画の主人公のように生きたいと思わへんのか?



 眠矢町(ねむるやちょう)に到着する。

 練剛(れんごう) (おう)に会うため、この街にやってきた。

 魔王(サタン)と呼ばれる男は、人でありながら漫画のような男やった。


 すべての相手を一撃で倒す。

 人間離れした力。

 これや、こいつ倒したらワイも人間を超えられる。

 いまはただの戦士のワイが勇者になれる。

 怪物退治や。

 夢や希望、ありったけのもの全部詰め込んでワイは生まれた街を飛び出した。


 そして路頭に迷う。

 有名人が住んでるならすぐに家が見つかると思ったんやが甘かった。

 見つからへん。

 なんやねん、有名人やったら目立つとこ住めやっ。


 持ってきた金もなくなり、いよいよヤバくなる。

 腹もへる。あかん、どないしよ。

 禁断の箱を開けようとする。

 ゴミ箱や思うたらあかん。

 弁当箱と思うんや。


 街の片隅でプライドを捨てる。

 中には紙くずしか入っていない。

 絶望、だが絶望の中に希望はある。


「なんやこれ」


 ゴミ箱の中、一枚のチラシを見つける。


『怪物製作所 懸賞首ファイル』


 モンスターファイル①


 練剛(れんごう) (おう)

 モンスター名は、魔王(サタン)

 戦闘力 測定不能 (人間の能力を遥かに超えている)


 二十一歳

 身長1メートル94cm

 体重135キロ


 得意技は力任せに殴るのみ。

 人間離れした力の為、いまだ全力で人を殴ったことがない。

 格闘技の世界大会では、十五歳の時から六連覇し、敵となる者がいない。そのため常に強者を探している。


 賞金 二兆円


 探していた男がそこにいた。

 ご丁寧にジムまでの地図までついてる。

 さらに賞金まで。


 全部で七人のファイルがあり、それぞれに賞金がある。


「これは、まるで!」


 思わず叫ぶ。


「まるで漫画だっ!」



 いまだかつてない程の高揚感で怪物製作所に辿り着く。

 ジムの中には巨大な男と顔色の悪い男の二人。

 ファイルにあった岩人形(ゴーレム)不死(アンデッド)や。


 練剛 王はいないがそれでいい。

 ラスボスは最後に倒せばいい。


「戦いにきた」



 今なら、このテンションなら出来るかもしれない。

 長年練習してきた、あの必殺技が。



 両手を腰の位置にかまえ、気合いを込める。

 岩人形が、ワイの攻撃に備え、全身に力を入れる。

 筋肉の鋼鉄化か、だがワイの必殺技が決まればそんなもん通用せえへん。


 全ての力を両手に込める。

 気合いを入れる為の叫びも忘れない。


「ハーメーカーメー」


 両手を思いっきり岩人形に向けて放つ。


「はぁーーー!!」


 ハメカメ波は出なかった。

 かわりに岩人形の巨大な拳が飛んできた。




 

 

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