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ネット釣り堀

掲載日:2013/12/05

「おはようございます!」

「おぉ、おはようございます」


「今日もこの釣り堀に来ましたか」

「ええ、しがない私の数少ない趣味ですから」

「あ、すいません失礼なことを言ってしまって……」

「いやいや、全然気にしていないですよ。

 休日にこうやってのんびり釣りをするのは、ちょっとした贅沢ですからね」

「そうですよねー、僕も同じような感じです。

 会社でたまったストレスを晴らすには、釣りが一番です」


「ほう、豪華な『餌』をたくさん用意してきましたか」

「でも、これは後に取っておくつもりです。今日はちょっと大物を狙ってみようかなと思いまして」

「楽しみですなぁ、私もその時は手伝いますよ」

「ありがとうございます。ベテランの釣り人の方の手助けは心強いです」

「そんなに褒めても何も出ないで……お、かかった!」

「来てますねー!結構良い当たり……あ、見えました!」


「おぉ、これは……うーん、ちょっと小物すぎるかな……」

「本当だ、残念ですね……。ちなみに『餌』はどのようなものを?」

「『エロ画像』を使ってみまして……まあ当然の結果ですけどね」

「あー、確かに仕方ないですね。

 『エロ画像』は凄いかかりやすい餌なんですけど、その分すぐに小さいのが寄ってくるのが難点ですし……」

「初心者向けってよく言われているのも納得ですな。

 ま、私は諦めませんよ。次こそ狙いの獲物をがっちり捕ってみせますから」


「じゃ、僕もそろそろ準備を……」

「ほう、『感動話』ですか。最近流行ってますな」

「ええ。『エロ動画』もいいですけど、やっぱり僕はこっちの方が好きですね。

 ちょっと時間はかかりますが、性別問わず堅実に釣る事が出来る餌ですし」

「まぁ、そこら辺は好みによる所が大きいですね」

「そうですよねー。じゃ、ほいっと……


 それにしても、この『ネット釣り堀』は本当に良く釣れる場所ですよね」

「全くですな、思った通りにどんどん釣れる。勿論大物狙いとなるとひと手間かかりますがね」

「それは仕方ないですよ。大物には大物なりの手法がありますし」

「その通りですな……おっと、かかっていますよ」

「あ、本当だ……おっ、これは良い当たりかも……!」

「お、見えてきましたぞ……!」


「やった、結構狙い目のものがかかりましたよ!」

「おめでとうございます、とても活きが良いのが釣れましたな。さすが釣りの名手ですな」

「いえいえ……運が良かっただけですよ。この前も同じように『感動話』で釣ろうとしたら、小さいものばっかり当たってしまった事もありますし……」

「はは、でも運の実力のうちと言う話もありますからな。

 では、私も負けずに……」



「お、またまた当たりが……!」

「ほう、これまた活きの良いものが釣れましたな」

「やっぱり『キラキラネーム』は安定して良いものが釣れるみたいですね」

「そのようですね……って私の方も……!」


「わ、結構いいのが釣れたじゃないですか!」

「ですな。ただ、私にはちょっと惜しい感じで……」

「そうですかね?僕はあまり『店での問題行為』って言う餌は使わないですから羨ましいです」

「そう言われると嬉しいですが、あまりここで妥協をするのもあれですし……」

「おぉ、さすがベテランですね……」

「いえいえ、次はもっと良いものを釣ってみせますよ」




「いやー、気付けば随分色々なものが釣れましたねー」

「私のバケツもそろそろ一杯になってきた感じですな。それは、例のあれをそろそろいきませんか?」

「そうしましょうか。

 これは絶対に二人がかりでないと使えない『餌』ですからし」


「ほぉ、囮の餌とは言え、結構色々と用意してますな。『未成年の飲酒』に『無断転載』、後は……」

「どれにするかはお任せしますよ。好きなのを選んでください」

「では、お言葉に甘えてこの『オタクバッシング』で行ってみましょうか」

「お、なかなか安定したものを選んできましたね」

「はは、あまり刺激的な餌を使うと、誰も寄ってこない時もありますから。私はこれが一番好きですね」

「さすが経験者ですね……。

 じゃ、僕の方はっと……『オタクバッシング』の餌に一番良く対応しているのは、やっぱりこれですかね」

「なるほど、『まとめブログ』が今回の真の餌と言う訳ですな」

「その通りです。『オタクバッシング』を囮にたっぷりおびき寄せた後に『まとめブログ』で……って、あまり語らなくても大丈夫ですよね」

「そうですね、時間が長いと鮮度が落てしまいますし」

「じゃ、早速始めましょうか」


「準備出来ましたか?」

「私はばっちりですが……あ、もう大丈夫のようですね」

「ええ、僕はいつでもいいですよ。先に入れて頂くのを待っていましたから」

「おっと失礼。

 では、早速『オタクバッシング』の方を……」

「おぉ、結構集まり始めましたね」

「でももう少し待たないと大物が……お、結構早く来ましたよ……!」

「じゃあ僕の合図で『オタクバッシング』を引き上げてください。

 同時に僕が『まとめブログ』の方を入れますから」

「了解!いつでも大丈夫ですぞ」


「それじゃいっせーのーでー!」

「「それっ!」」


「やった、来た来た!結構大物ですね!」

「おお、物凄い反応を見せてますね……手伝いますか?」

「あ、ありがとうございます!こんなに引きが良いのは初めてなので……くっ、これは……!」

「よし、私も……!」

「「せーの!!」」


「やったー!こんなに大きいのを釣ったのは初めてですよ!」

「本当に大きいですねー!おめでとうございます!」

「いやいや、手助けがあったからこそですよ。

 この『自作自演』手法、二人で一緒に行わないと上手く出来ないですし」

「確かにそうですな。

 今回のように、二つの餌を私たちが操ると言う方法ですからね」

「いやー、それにしても努力が実って本当に嬉しいです……本当にありがとうございます」

「こちらこそ、楽しませていただきましたよ」



「それじゃ、良い頃合いですし、そろそろ終わりますか」

「そうしましょう。僕もこれ以上は釣る気力が無いですからね……。

 おっと、その前に、釣ったものはちゃんと釣り堀に戻さないと……」

「キャッチアンドリリースですな。まぁ、家に持って帰ってもあまり使い道はないですから」

「そうですよね、ここで僕たちがたっぷり釣る事にこそ意義がある訳ですし」


「それにしても……」

「ん、どうしました?」

「いや、ここの釣り堀の『連中』は、何度同じ餌を使っても面白いようにかかってくれるからとても楽しいな、と思いまして」

「本当ですね。

 相手は全然学習しないですから、僕たちはいつも遊ばせて頂いてますよ」

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― 新着の感想 ―
[一言] この釣堀は水の代わりに油が入っているわけですね。解ります。
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