変化の兆し
『MAP』の未探索迷宮における有効表示範囲を、階層全部から半径十メートル程度に変更しております。ご了承ください。
該当部分は今後修正します。
「いってらっしゃーい」
「「「いってきまーす」」」
トウカの見送りに応え、ジン達も手を振り返す。今日はトウカを孤児院に預け、迷宮攻略の予定だ。
ジン達がリエンツに帰って来てからしばらくが経ち、このようにジン達が冒険前にトウカを孤児院に預ける光景は、もう日常の一コマになっていた。
ただ一ヶ月もの間留守にしていたこともあって、ジン達は何かと忙しい日々を過ごしており、まだ自宅の改築も始まっていない状況だ。予定としてはジンの部屋だった広い主寝室を二部屋に分け、そのうちの一つをトウカの部屋にするつもりだ。元々ジンは『無限収納』のおかげで部屋の広さをもてあましていたところもあったので、狭くなっても問題なかった。
ただ、この機会に一階の広すぎてデッドスペースが多い作業場の改築も案に出ており、その場合はジンが調合をおこなう作業スペースだけ残し、それ以外は普通の部屋にする計画だ。
どうせ作業部屋を使うのはジンだけなので、この場合はこの作業場と一体型になった一階の部屋が、新しいジンの部屋となる。
そうなると二階に一部屋余ってしまうことになるのが難点と言えばそうだが、ジンとしてはこちらの方で進めたいと思っていた。
(夜中にみんなに会うと目の毒だからな。俺だけ一階の方が気が楽だ)
ジンはたまに廊下で部屋着や寝間着姿の女性陣と遭遇することがあり、その艶姿はそういうことを連想しないように心掛けている彼にとってはいささか刺激的すぎた。
彼らが王都から帰ってきてから、その頻度が上がったかどうかは定かではない。
ともあれ、私生活においても変化を迎えつつあるジン達だったが、今のところはまだ比較的平常運転の日々が続いている。ただ、それでも大きな変化として、毎日の生活が子供であるトウカを中心に回り始めているということは言えるだろう。
こうしてダンジョンに向かうジン達の会話もまた、やはりトウカについてのものが一番多かった。
「しかし、トウカも孤児院に馴染めたようで何よりだ」
ジンは去り際に目にした友達に迎えられるトウカの姿を思い出しており、その目を細めて独り頷いていた。
「ほんとそうですね。アンちゃんにリンちゃん、ハンス君にホーカー君、他にもたくさんお友達がいるみたいです」
夕飯時にはトウカがその日孤児院であった出来事を楽しそうに話してくれるのだが、日に日に話題に出る子供たちの数が増えていくのだ。ニコニコと笑顔のレイチェルに続き、エルザとアリアも口を開いた。
「トウカはいい子だからな、すぐに友達ができると思っていたさ」
「ええ、トウカは私達の自慢の娘ですし、孤児院の子達もみんないい子ばかりですからね」
トウカは王都の孤児院ではどちらかというと大人しくて引っ込み思案な子供だったが、それは近しい者全てと死に別れた孤独感からくるもので、ジン達と出会ってからは本来の明るさを取り戻しつつあった。
ただリエンツという新しい環境に馴染めるか少し不安もあったが、そうしたトウカの変化がいい方向に影響したようだ。
また、ここは女性陣の変化にも注目したいところだ。誰もがトウカに対する親愛をなんのてらいもなく素直に表現していたし、アリアにいたっては自らの台詞のなかでトウカを「私達の娘」とアピールしていた。
彼女達の内心の変化は明らかだったし、地味ではあるが確実に何かが始まっているようだ。
「ふふっ、そうだね。俺達の自慢の娘だな、トウカは」
ただ、それが通じるほどジンは自分に自信があるわけでもなければ、恋愛方面の機微に通じているわけでもない。満面の笑顔で答えるジンだったが、ある意味いつもどおりに彼はアリア達の中にあるトウカへの愛情だけをくみ取っており、トウカに対する彼女たちの気持ちが嬉しいだけだった。
「ああ、トウカは私達の自慢の娘だ」
「ふふふっ、そうです。私達の自慢の娘です」
だが、女性陣もそんなジンの反応はとっくに想定済みだ。エルザとレイチェルも、まずはジンがトウカを自分達の娘でもあると認める発言をしたことが嬉しかった。
「それじゃあ可愛い娘にいい土産話ができるよう、今日も頑張りましょうか」
このアリアの台詞をまとめとして、ダンジョン前に到着したジン達は、親から冒険者へと気持ちを切り替えた。
(よし、がんばろう!)
のんきにそんなことを思うジンだったが、彼が向き合うべきは迷宮だけではないことにはまだ気づいていない。
こうしてゆっくりとではあったが、決戦に向けて着々と外堀から埋められつつあった。
王都に出ていたジン達がリエンツを留守にしたのは一カ月ほどだが、その間もダンジョンの攻略自体に大きな変化はなかった。ギルドは最深到達階層については公表をしていないが、ジン達が攻略を進めている三十階層に到達したパーティは彼らの他にはおらず、皆三十階層の手前をウロウロしている状態だ。
ただ、これはそれだけジン達の戦闘力が突出して高すぎるのだという意味ではない。ジン達のレベルはまだBランクの条件の一つである三十には達していなかったし、迷宮を探索するAランクはいなかったが、Bランクの冒険者もいる。こと戦闘においてはジン達に迫るか、特定の分野では勝る者もいた。
ただ迷宮探索に必要なものは、単純な戦闘力だけではなかった。
やはり迷宮というだけあってその構造は広く複雑なため、マッピングや探索に時間を取られるものだ。必然的に敵に遭遇する回数も増え、戦闘の回数が多くなってしまいがちだ。戦闘力が高いとそうした戦闘も大した被害を受けることなくこなすことができるが、それも準備万端の状態で挑めたらの話だ。
ジン達のように常に『MAP』で敵や迷宮の状態を確認できるなら話は別だが、迷宮に出る魔獣の中には『隠密』のスキル持ちも多く、不意の遭遇戦になってしまうことは少なくない。こうなると戦闘を無傷で終わらせるのはなかなか難しく、一日にこなせる戦闘の回数にも限界があるのだ。
それに迷宮で活動するには当然補給や休息が必要となるが、迷宮には十層毎に転送装置という便利なものがある反面、魔獣が出現しない安全地帯というものがない。結界装置もここでは役に立たないし、見張りを立てて寝たところで数時間の睡眠の間に数回は魔獣に襲われることになるので、戦闘音も気にせず見張りに任せて眠れるほど豪胆な神経でもない限り、迷宮内で夜を明かすということは不可能だ。それか徹夜で戦い続けるしかない。結果として迷宮探索は基本的に日帰りだ。
当然区切りとなる十層毎のボス部屋を目指すにしても、そこまでの道中を余裕でクリアできるほどの実力と準備が必須となる。ボス戦でも一応撤退は可能だが、その撤退の可能性も考えてポーション等の余力を残しておかなければ、ボス部屋の攻略失敗はほぼ全滅を意味する。だからボス戦の前準備として、それまでに必要になる戦闘回数を減らすための最短ルートの確認と、ポーションなどの余力を十分に残した状態でのボス部屋にたどり着くことが必要となる。それはたとえBランクであろうと同じで、逆にBランクだからこそ前準備の大切さを身を以て理解していた。
もちろん「勝てばいいだけさ」とイケイケで攻略しようとする冒険者もいるが、その結果は推して知るべしだ。
ゆえに持てるポーションの量にも限りがある普通の冒険者としては、どうしても慎重にならざるをえなかった。
ジン達が比較的容易に攻略を進めることができているのも、その実力の高さやジンが持つ『MAP』の存在だけでなく、『無限収納』による豊富な物資が生み出す余裕のおかげでもあった。
こうした理由もあって攻略は遅々として進んでいないようにも見えるが、それでも迷宮の攻略が始まってからまだ二か月程度だ。それほど遅いペースでもなかったし、そもそもの迷宮の発見が早かったこともあって、魔獣が迷宮外に溢れ出すことを防止するための最優先事項である魔獣の処理については、順調だと思われていた。
「よーし、これで三十八階の地図も全部埋まったぞ」
ジンの手元には、三十八階層の情報が全ておさめられた『MAP』が表示されている。
「やりましたね、これでボス部屋まであと二つですか」
レイチェルの言うように、これまでと同じなら四十階層にボス部屋が存在していることになる。
「さすがに豚鬼はもういいよ。さっさと次に行こうぜ」
半ばボヤキが混じったエルザの台詞だったが、これも無理はない話だ。二十階層までは小鬼やその亜種ばかりが出てきたが、現在は豚鬼とその亜種ばかりだ。この迷宮に出る魔獣は階層毎にかなり偏っているため、ここまで数えきれないほどの戦闘をしてきたエルザとしては、変わり映えしない敵に飽き飽きしているのが正直なところだった。
「でもそのおかげで強くなっているのも本当なんだし、贅沢言っちゃだめよ」
アリアが軽くエルザをたしなめる。彼女が油断しているわけじゃないことはわかっていたが、一応フォローのつもりでもあった。
ただ攻略を進めるだけなら、ジンの『地図』で階段を比較的容易に発見できるのでそれほど難しいことではない。だが、ジン達は『MAP』を完全に埋めてから次に進むことを、己への制約と課すようになっていた。
それは特にジンの慎重さゆえの行動だったが、結果的にそうしてきたことでジン達の地力も上がり、ここまで戦闘においてはさして苦労することもなかった。ジンが前世で親しんでいたRPGで例えるなら、常に適正レベルより上の状態で攻略を進めている状態だ。だから戦闘の仕方も従来の『MAP』を利用した不意打ちだけでなく、あえて正面から挑んでみるなど、様々なパターンを試していた。
「そういえば、エルザさんはゴブリン達の時も同じようなことを言ってましたね」
くすくすとレイチェルが笑いながら指摘したが、エルザにも覚えがあるのだろう、ばつが悪そうに頬をかいた。
「ははっ、エルザの気持ちはよくわかるけど、こうして『地図』を埋めていけばいざという時にも役立つと思うし、実戦で色々試せるんだから無駄じゃないと思うよ」
実際戦闘に余裕があるからこそ、あえて『MAP』無しで探索を進めることも珍しくはない。『MAP』は確かに便利だが、各々の『気配察知』や咄嗟の判断力を磨くには邪魔になることもあるからだ。
それに今は順調と思われる迷宮攻略だが、そもそも突然出現する『迷宮』という存在は何も詳しいことがわかっておらず、不思議の塊だ。今後もこのまま何事もないと断言できない以上、今はグレッグによって不要とされている迷宮の地図も、いつか必要となることがあるかもしれない。そうしたことを話し合った上で、ジン達は迷宮探索の方針を決めていた。
「悪かったよ。敵に対して飽きたなんて言ってちゃダメだよな」
ただエルザの意見もまた本音だったし、多かれ少なかれ他の皆にもそういった気持ちは存在していた。そこでアリアが更なるエルザのフォローとして、一つの提案をしてきた。
「いえ、エルザの気持ちもわかるわ。ねえジンさん、ちょっと危険かもしれないけど、一人で多数を相手にする訓練と思ってやってみせんか?」
「一人で敵の集団と戦うってこと?」
さすがにそれは舐めすぎだろうという考えがジンに浮かんだ。
「ええ。でもいきなり一人で四体も五体も相手にするのは無理でしょうから、例えば二人か三人だけが戦闘に参加し、残りはいざという時のフォローにまわるの。当然ダメージを受けることもあるでしょうし、危険なのは言うまでもないわ。でも一人、もしくは少人数で多数の敵と相対することもこれから十分あり得る話ですし、その不利な状況を経験できる機会はめったにないと思うんです」
「なるほど……」
ここまで安全策を取ってきた分、ジン達は迷宮では苦戦らしい苦戦をしたことがない。地力をつけるためにそうしてきたことだが、逆にピンチになった場合の経験が足りていないということでもある。確かに危険性はあったが、いざという時に備えてフォローする者がいれば、致命的になることはないだろう。アリアが言うことには一理あり、完全にジンにとっては盲点であった。
「戦闘に参加しない場合でも、判断力の訓練になるかもしれませんね」
レイチェルも賛意を示す。戦闘をしながら他のメンバーの動きに気を配るのは、パーティ戦闘において必須の技能だが、確かにそういった意味でも訓練になるだろう。
「ええと、いいのか? 私はそんなつもりじゃなかったんだが」
きっかけを作ったエルザだけに、今の話の展開に不安を覚えていた。仲間たちが傷つくであろう状況を望んでいたわけではないのだ。
「でも、エルザも賛成でしょう?」
「う……そうだな、危険なのはわかっているが、それでも賛成だ」
エルザにとって、アリアの提案はまさに求めていたものだった。もしかするとエルザがことさら現状に不満を感じていたのも、苦戦をしない今の状況に戦士としての危機感を覚えていたのかもしれない。
「……よし、皆もアリアの提案に賛成のようだし、今後はあえて少人数で挑むこともやっていこう」
それはメリットだけでなく、リスクについてもしっかり考えた上での決断だった。
そのジンの決断に、アリアたちも真剣な顔で一斉に頷く。その様子に油断はなく、危険であることも理解していることがわかる。ジンはそのことに満足して少し肩の力を抜いた。
「しかし言われてみれば、俺たちはパーティの人数としては少ない方だし、確かに多数相手の訓練も必要だよな。俺は抜けていたよ。気付いてくれてありがとう」
安全策をとるあまり、戦闘への緊張感が足りていなかったことに、ジンは今更ながら気付いていた。これまでも前衛と後衛を入れ替えて戦闘をおこなうなどしていたが、その程度では苦戦することもなく、根本的な解決にはなっていなかったということだ。
こうして自分に足りないところを補ってくれるアリアたちへ、ジンは心からの笑みを浮かべていた。
その後、ジン達は三十階層にある転送装置を目指して迷宮を戻り始めた。その道中に出る敵は判明しているので、多数対少数の戦いを早速始めていた。
「――癒せ『ヒール』」
「ふっ!」
ダメージを受けたアリアのHPを回復するべく、レイチェルのヒールが飛ぶ。その次の瞬間には、支援を受けたアリアの槍がオークの首をはねた。
「『ファイアアロー』!」
続けて襲い掛かってきたオークの顔面に、アリアの詠唱短縮で放たれた魔法が炸裂した。だがその一撃ではオークを仕留めるには至らない。
「任せてください!」
立て続けに攻撃したことで生じたアリアの隙をカバーすべく、顔面に魔法を喰らって怯んだオークにレイチェルの戦鎚が唸り、その一撃はオークの頭蓋を粉砕した。
「レイチェル!」
だが、まだ敵は残っている。アリアはレイチェルに注意を促すと、迫るオークたちを牽制すべくその槍を大きく振るった。
「はい!」
そしてレイチェルも体勢を立て直すと、アリアに並んで前に出る。このあとも十数合の剣戟が続いたが、最後にはアリアたちの勝利でこの戦闘は幕を閉じた。
「「お疲れ」」
ジンとエルザが荒い息をつくアリアとレイチェルを労う。今回の戦闘では魔術師などの後衛タイプは事前にジン達によって排除されていたが、それでも二人で五体ものオークを相手に立ち回っていた。
アリアもレイチェルも直撃こそ受けていないが何発か攻撃を喰らっていたし、ヒヤッとする場面もあったが、結果としては快勝と言っていいだろう。
「やっぱり同時に相手をするのが二体を超えると、一気に対処が大変になりますね」
アリアが先ほどの戦闘を振り返る。アリアは以前ソロで活動することが多かったので、複数を相手にした戦闘の経験もないわけではなかったが、そもそも本職は魔法使いなので事前に魔法でその数を減らすことで対応してきた。結果として直接戦闘で複数を相手にした経験は少なかった。
また、ここのオークは単体ではDランク上位くらいだが、集団となると連携も行うのでCランク中位にも相当し、それを二人で相手にしたのだから流石に簡単ではなかったようだ。
「やっぱりジンさん達に比べると決定力が不足してますね。殲滅速度といってもいいかもしれませんが」
レイチェルの戦鎚は十分な攻撃力を持つが、重量があって取り回しにやや難があるため隙も大きい。レイチェルには盾もあるのでそのカバーは出来るのだが、その攻撃一つとってみてもジン達に比べて改善の余地があるのは事実だ。だが、それは前衛が本職ではない分、致し方ない部分でもあった。
「いや、動きは良かったと思うぞ? 後は足回りや位置取りなんかを意識すればもっとよくなるんじゃないか?」
実際、アリアとレイチェルの動きは、とても後衛だとは思えない練度だった。思ったようにいかなかった理由は、やはり多数を相手にする経験が少ないことや、対応するスキルが未修得なことにあると思われたが、そもそもそこを鍛えるのが目的だ。
「ジンさんは一人でも大丈夫だし、エルザも誰かと組めば安定するのよね。役割が違うとはいえ、ちょっとへこむわ」
ジンはマッドアントの一件で多数相手の経験は嫌というほど積んでいたし、それに見合うスキルも身に着けていた。エルザはエルザでずっとシーリンとペアでやってきただけに、それなりに少数で多数を相手にした経験があった。エルザもスキル面はまだ完全には揃っていなかったが、経験はやはり力であった。
いくつかの組み合わせを試してみたが、やはりアリアとレイチェルの後衛組二人の組み合わせが一番安定しなかったのも道理だ。
「まあ、二人に簡単に俺たちの代わりを務められたら、逆に前衛の俺たちの立場もないけどね」
苦笑しつつジンが答える。
「でも確実にいえるのは、いつか二人も俺達と同じようなことができるってことだよ。俺達が今一歩リードしているのは、単に前衛ばっかりやってきたおかげだからね。後衛として見るなら、同じ詠唱短縮で魔法を使える俺でもアリアには劣るよ。前衛や後衛、いろんな組み合わせをやってみて、お互い経験を積もう」
例えばレイチェルを前衛に、ジンを後衛にしただけでも戦闘の難易度は変わるだろう。ただ、ピンチの場合一番危険なのは後衛なので、まずはアリアとレイチェルに前衛経験を積ませることが最優先だ。だが、己の弱点の補強だけでなく、強みも伸ばすためにも色々な組み合わせを試すべきだとジンは思っていた。
「はい。でも、帰ったらちょっと訓練に付き合ってくださいね」
「あ、私もお願いします」
いつかの話ではなく、可能な限り早く。アリアとレイチェルの向上心には果てがないようだ。
(これは俺も負けられないな)
簡単に追い付かれてはたまらないと、ジンもまた自身に気合を入れた。そしてふと自分を見つめるエルザの視線に気づいた。
「二人の訓練の次は、私とやるぞ」
エルザの向上心もまた、果てしないようだ。
こうしてジン達の迷宮探索に、一つの変化が生まれた。それはこれまで以上に危険と隣り合わせではあったが、それぞれに足りなかったものを補い、強みの部分を伸ばしていくことになる。
そしてもう一つ、ジン達の行動だけでなく、迷宮そのものにも一つの変化が現れようとしていたが、それをジン達が知るのはもう少し後のことになる。
お読みいただきありがとうございます。
久しぶりに7000文字を超えた気がします。
いよいよ書籍版の発売が五日後に迫りました。私が住んでいる地域は二日遅れでしか来ませんが……。
詳しくは活動報告で。
ありがとうございました。