第十一談【何者】
第十一談【何者】
井上が事態の深刻さに気づき冷や汗をかいた。
安達先生「君は何者だ?」
井上「...そんなことよりなんですかこの拘束は?」
井上は椅子に縛られていた。
安達先生が井上の質問に答えずこう返した。
安達先生「早く答えなさい。君は何者だ」
いつもと違う安達先生の気配に怖がりつつも井上は変に刺激しないように答えた。
井上「ただの学生ですよ」
安達先生は少し黙ってから近づきこう返した。
安達先生「そうか、、じゃあ質問を変えよう。「理科室の塩」をどこにやった?」
井上(心の中)「これって答えたら解放されるの?ていうか塩使ったの私じゃ無いし!」
井上が考えていると安達先生が動き出した。
安達先生「その反応...知っているが話さないつもりか?」
井上「そうじゃなくて...えっと...話したら解放してくれるんですか?」
安達先生は少し真面目な顔で答えた。
安達先生「ああ、約束しよう。君が話せば開放する」
井上は少し考えてから話した。
井上「分かりました。あの塩は...私の友達が使いました。」
安達先生は信じてなさそうに話した。
安達先生「...友達って誰だ?」
井上「それを答えたらあなたその人も拘束するんじゃ無いですか?」
安達先生は無言で井上を見つめる。
井上「安達先生。あなたあの塩について何か知っているんですよね。」
井上の確信付いた言葉に安達先生は反応を見せない。
井上「少し話し合いませんか?」
安達先生「どういうことだ?」
井上「私は先生を敵だと思っていません。少し話し合ってみませんか?」
安達先生が考えてから静かに話し出した。
安達先生「私の実家は神社でね。私は本当なら今頃神主をしているはずだったんだよ」
安達先生が話を始めた。
井上は真剣な顔で安達先生を見ていた。
安達先生「毎日学校から帰ると封印術やらを叩き込まれて育ったんだ。だが私はそんな日常ではない、普通の日常を欲しがったんだ。」
安達先生がどこか悲しげに話す。
安達先生「私がそれを親に話した時、親は私に怒り、呆れ、家を追い出された。私は校長に助けられてここに来たんだ。」
安達先生が井上を見て話を続ける。
安達先生「あの塩は最後に家から持ち出した家宝のようなものだ。昔の術師による術式が組み込まれている。」
井上が話を聞いて考える。
井上(心の中)「だから人体模型が特殊な塩って言ってたのか」
安達先生「そんな大切なものがなくなったと同時に君が塩について調べ始めた。」
安達先生が真剣な顔で井上を見つめる。
安達先生「君、あの家から金でも持たされて家宝を取り返しに来たんじゃ無いのかい?」
井上が焦りつつ弁解する。
井上「確かに話を聞いたら私めちゃくちゃ怪しいですね!でも私そんなんじゃ無いです。」
井上は先生が話してくれたことに安心して花子さんのことや近藤達のことを話した。
安達先生「まさか、、、花子さんの撃退に使うとは、、、。しかも花子さんに呪われた状態で過ごしてるだと?」
安達先生は呆れていた。
井上「すみません、、、そんな貴重な物と知らなくて」
安達先生「理科室に置いてあったらカモフラージュ出来ると思ったんだがね」
安達先生が拘束を解いて部室に井上と一緒に向かった。
部室に入ると近藤と阿部がいたので先生はすぐに怒った。
安達先生「近藤!!阿部!!すぐに来い!!」
近藤「急になんだ?」
阿部「わかりました。すぐ行きます」
二人が安達先生に連れて行かれて何やら話をしている。
安達先生「君たち、、、理科室の塩を勝手に使ったね?」
近藤「す、すみません」
阿部(心の中)「全然バレないから良いんだと思ってた」
安達先生「しかも怪異の撃退に使ったのかい?」
二人はびっくりしながら井上を見る。
近藤&阿部(心の中)「先生に教えたのか!?」
二人が井上が裏切ったと思って絶望していると先生が話を続けた。
安達先生「...?ああそうか。別に君たちの活動を私は邪魔するつもりはないよ。」
阿部「え?」
安達先生「私に害ないし。塩はもう使わせないけど。」
二人がびっくりしていると井上が話しに入ってくる。
井上「先生実は昔、幽霊の封印術とか教えられてて霊達のこと知ってるらしいよ」
井上の発言に近藤と阿部が話す
近藤「怪異の事知ってる先生がいたとは、、、」
阿部「しかもそれが顧問ってなんの偶然だよ。」
阿部の発言に井上が反応する。
井上「え?安達先生って顧問なの?」
近藤と阿部がびっくりしたように話した。
近藤「知らなかったのか?」
阿部「奈緒ってほんと幽霊部員って感じだな笑」
二人に笑われて怒っている井上の後ろで安達先生は何やらめんどくさそうに考えていた。
安達先生(心の中)「私は絶対怪異成仏手伝わない、、、。普通の日常楽しむんだ、、、。」
安達先生の謎の決心に三人は気付かずにその日の活動は終わっていった。
第十一談【何者】-完-




