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ー2話配信
「あれが?ステージ?」
「はい。全部私物です」
「無理。絶対無理」
「メロディーメロディーはアカペラなので。アレで歌えます」
海原はノートパソコンをカスミの顔の前に持って来た。
「視聴者…200万人が待機中?」
誰?どうやって?インスタライブだって5万が最高なのに?チャット欄が滝のように流れ、スパチャが流木のようだ。
後ろから声が聞こえた。
「振り返るなシンガーソングライター!お前が音楽を選んだんじゃない。音楽がお前を選んだんだ!」
カスミはビクッとして背筋を伸ばした。青い輸送パレットに向かった。
「この言葉?何だっけ?確か………ウナバラって?最初の頃、コメ欄の、説教ジジイ!」
振り返ると海原は微笑んで頷いた。
帰って来た推し完結。