表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

光の勇者、空を飛ぶ。

作者: 澪姉

うたたねしてたら、夢に見たので。

 転生した。

 光を操る力を授かった。


 天から光を呼んだり。

 敵に向けて放ったり。

 思考が速くなったり。

 無限再生力あったり。


 有頂天。

 夢にまで見たチート転生。

 聖光無双。

 実質不死身。

 いぇい。


 聖なる光の勇者。

 民衆も貴族も国王も、俺の前には跪く。

 魔王討伐、どんとこい!


 ただ。

 最後の最後までは、割りと順調だったのに。

 対魔王戦。

 これは予想外。

 聖なる光の力を借りても、倒せない。

 魔王の名に恥じぬ、凄まじい難敵。


 勇者パーティの面々も次々に倒れ、敗北寸前。

 起死回生の一手が、必要だった。

 だから、実行したのだ。


 転生の神から、できればやめとけ、と言われていたっけ。

 生命力を消費して、全身を光に変換。


 聖光転身。

 聖なる光の威力と速度で、敵を討つ!

 一撃必殺、光の勇者、最大最強の絶技!!


 ──かっこいいから、死ぬまでに一度は試そうと思ってはいたが。

 ……まさか、こういう結果になるとは予想外。

 現代人なんだもん、事前に想定すべきだったよなあ、的な。


 つまり。

 魔王は、倒せたと思う(たぶん)。

 そこまでは、問題ないんだ。


 ……計算してみよう。

 光の速さ。

 つまるところ。

 秒速、30万km。

 音速、マッハ88万超。

 時速、10億8千万km。


 ……光に変わった俺、魔王に体当たり。

 予定通り、貫く。

 歓喜しながら、全身を生身に変えて止まろうとした。


 脳の思考が全身に届くまで、1~2秒。

 つまり。2秒後の、俺の位置は。


(月の裏側って、ほんとにでこぼこなんだなあ。。。)


 大気圏を超え、宇宙空間に到達した俺。

 月までの距離、約38万kmを秒で飛び越え。

 どことも知れぬ、遥かな旅路へ。


(たぶん。偶然なにかにぶつかるまで、止まれないよなあ。。。)


 慣性の法則。

 動き出したら、止めない限りは動き続ける。

  ガリレオさんっ、ニュートンさんっ。

 あなた方は、正しかったです。


 ……そして、俺は。

 宇宙(そら)に煌めく、一筋の流れ星になった……(投げやり)


 神様。

 あんまり勇者を気にかけられないくらい、忙しいって言ってたけど。

 ……うえぇぇぇん、助けてぇぇぇぇ(号泣)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ