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「猟奇殺人、ってヤツ? それにしちゃ、遺体がなくて、骨が数本。

 床に残っていた血痕と、骨のDNAは一致。この部屋に住んでいた女のものだったらしい。」

 床に足を投げ出して座り、休憩に入った矢田部が話し出した。


「そんな・・・。残りの身体、骨とかいろいろ、どこ行っちゃったんすか?」

 同じく床に胡坐をかいて座っていた由利が尋ねた。

「さあね。だから警察も訳わからない。変な事件だって。自殺や変死して骨だけになったにしたって、残りの骨はどこへ行ったんだ。第一その女が亡くなって、骨だけになるにはどんだけ時間が掛かるんだって話さ。しかも数本しか残ってないって・・・」


「犯人が残りの骨を持ち出した、ってことっすか?」

「お前が犯人なら、殺人を隠すのに証拠になるモノをわざわざ少しだけ残して行くか?」

 そう言うと、矢田部は朝ここへ来る途中で買った缶コーヒーを開けて口に付けた。


「そりゃそうですよね。どういうことだ・・・。この部屋だってすごく汚れてるとか、ほこりが溜まっているってほどでもないし、自然と骨になる時間なんて経ってないっすよね」 

「警察の話じゃ、亡くなって、発見されるまで一週間も経ってなかっただろうってさ」

「ええっ? それじゃどうやって遺体を骨にしたんすか?」


「俺が知るか! 鍋でぐつぐつ煮て溶かしたんじゃねえの」

「うえ~。気持ちの悪いこと言わないでくださいよ~~」

 一瞬想像してしまい、思わず由利は口に含んでいたミルクティーを吐き出しそうになった。

「まっ、そんなこと有り得ないけどな。――このあいだ、亡くなった祖父じいさんの葬式に行ってきたんだけどさ、火葬場でおこつになるまで一時間以上掛かったよ。それを考えると、人一人をここで骨にするって、とんでもなく大変なことなんじゃねえの」

「ほんと、なんだかよくわからない話っすね・・・」

「そうだな・・・。まあ、いずれにせよ俺たちには関係のない話さ」

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