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聖女 街で休息をとる 1

 山賊の襲撃にはあったものの、無事山道を抜け隣国へとたどり着き比較的大きな街へとたどり着いた聖女ご一行。

予定通りに街一番の宿へと向かい、ハリーテは部屋で寛いでいた。 トントンと部屋をノックする音が響き

誰何(すいか)する前に「エドワードです」と声がかかった。


「入ってくれ」


ハリーテも簡潔に答え、エドワードとアドルファスと共にクレイグも入室してきた。


「どうしたのだ、皆そろって何か大事な話でもあるのか?」


面白そうにハリーテが問いかけつつ椅子を勧めるとエドワードが


「ええ、ハリーテ様。 大神殿よりこちらに使いが先行して来ておりました」

とソファへ腰かけつつ報告し始めた。


「大神殿から? 何用があったのだエド兄」


「こちらの街には比較的大きな救護院がウォルセア神殿に併設されているそうなのです。 それで、今回聖女一行が街へ立ち寄る予定であると知らせを受けたようで、ぜひ聖女様に慰問に来ていただきたいとの事なのですよ」


「なるほど慰問の依頼が来ておるのか。 わたくしとしては否はないが大丈夫なのか?」

とハリーテは慰問中に襲撃されないかと懸念を抱きエドワードへ問いかける。


「完全に大丈夫だとは言い切れませんが、そこまで大それた真似はしてこないでしょう。 本気で仕掛けるならば、このような街中よりも人気のない道中のほうが狙い目なのですから無理する必要もありませんし」

淡々とエドワードは答えを返す。


「それにハリーテ様は馬車の中で退屈されているようですから、多少は気分転換になるのではないですか?」

といいながらニコリと微笑む。 その言葉に便乗するようにアドルファスはニヤリとしながら


「ハリーテもいい加減ネコ被るのに疲れたんじゃねぇかっていう、エドワードの優しい気遣いってやつなんだから何も考えることはねぇ、黙って救護院のガキ共と戯れてこい」


そういいつつアドルファスはワシワシとハリーテの頭を撫でている。


「ちょっ! アドル兄は相変わらず乱暴者なんだから! 頭がもげてしまったらどうするのだ!」

とアドルファスをジロリと見つめる。


「そんな簡単にもげるわけねぇだろう」


と二人仲良く楽しそうにじゃれ合いはじめる、そんな様子二人の様子をじっと眺めていたクレイグは遠慮がちにエドワードへ問いかけた。


「あの……エドワード殿」


「どうされましたクレイグ殿」


「この前からもしやと思っておりましたが、あのお方はフィルドの国王アドルファス陛下なのでは……」


困惑したようにクレイグはエドワードを見ながら問いかけた。 その様子を見ながら納得したようにエドワードは苦笑しつつ


「今は元国王ですよ。 フィルドは現在アドルファスの叔父にあたる方が新王となっておられますから今はただの平民のアドルファスなので何も気を使われる必要はありませんよ」

と微笑みかける。 


「フィルドも大きな動きがあったのですね……俺は生きるのに必死になる余り情勢を知ることをおろそかにしすぎていたようです……」

とクレイグは落ち込んでしまった。


「貴方の事情を考えたら当然だと思いますよ。 下手に大きな街へ近づけばそれだけ追っ手にみつかる危険が増すのですから、ご自分の命を守ることを優先したことは決して間違っていたわけではないはずです」


「エドワード殿……ありがとうございます……」


エドワードの暖かい言葉を受けてクレイグは深く感謝するのであった。 その様子を見ながらエドワードがふと思い出したように


「あぁそうでした。 クレイグ殿に一つお願いがあったのです」

と話しかける。


「なんでしょうか? 俺にできる事ならなんでもおっしゃって下さい」

とクレイグは真剣な表情で答える。


「実はいくつか書状を書いていただきたいのです。 ギルドマスターの印章を押した正式な書状なのですが、お願いできますか?」


「はい勿論です」


「その書状が受け取られさせすれば、貴方にも不自由な仮面を被っていただかずとも済みますのでもうしばらく我慢してくださいね」


「それは……お気遣いいただいて感謝の言葉もない……」


「いえいえ、これはついでのようなものですからお気になさらずに」

とエドワードはニコリと微笑む、気を使わせまいとしてくれているのを理解してクレイグは暖かい気持ちを感じながら、ハリーテ達のじゃれ合いを微笑みながら眺めるのであった……。



今日は特に短くなってしまいましたごめんなさい (´;ω;`)

体調がまだイマイチでお腹が……

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