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7話 初めての本格戦闘

「はあああああああ!!」


 創太は蜘蛛のバケモノに向かって突撃していった。バケモノの方はそれに対して備えるように身を低くして構えていた。互いの距離があと数歩というところで、創太は左腕を大きく引き、バケモノを殴る体勢に入った。そして殴りかかったその時、バケモノは糸を出し、後方へ回避した。


「わっ!・・・とっとっ」


 当たると思って思い切り腕を振りぬいていた創太は、バランスを崩し倒れそうになるのを何とか堪えた。バケモノの姿を見失ったので、辺りを見渡し探すと、木の上にバケモノの姿があった。


「くっ、あんなところにっ」


 バケモノは創太を見下ろしながら、木から木へと創太の周りを移動を始めた。目を凝らすと、どうやら既に木々の間には糸が張り巡らされているようだった。おそらく糸は山全体を覆っているのだろう。


(どうしようかな・・・)


 創太はどうやったらバケモノを捉えることができるのかを考えた。周りの木を倒してバケモノを下ろすかと考えたが、近くに人がいるので危ないし、音で人が集まってくる可能性が高いので却下した。ジャンプで届かない距離ではないと思ったので直接殴りにいくかとも考えたが、さっきみたいに避けられてしまうだろう。そして色々考えていると、上からバケモノが襲ってきた。


「うわっと!」


 創太は咄嗟に前方に転がって回避した。すぐに立ち上がり反撃しようとしたが、バケモノは既に木の上に戻っていた。バケモノはまた創太の周りを移動し始めた。バケモノのスピードは地上にいたときよりも明らかに速くなっていた。そして創太の死角に入ると何度も襲ってきた。


「はあっ・・・はあっ・・・」


 バケモノの襲撃を何度も回避していたためか創太の息が少し上がってきていた。タイミングがあった時には何とか捕まえようとしたが、バケモノの動きが意外に機敏ですぐに木の上に戻ってしまい失敗に終わっていた。このままではこちらの体力が先にもたなくなると考え、意を決して創太はある作戦に出ることにした。


(・・・やるしかない。)


 創太はバケモノの動きを追うことやめ、その場で立ち尽くした。バケモノはその動きを見て、すぐさま後ろに回り、襲い掛かった。創太は待っていたかのようにそれを避けると体勢を整えた。バケモノはすぐに木の上に戻ったが、創太は追いかけるように跳躍した。


「はあああああああああっ!」


 しかし、バケモノは創太に気付き、回避した。創太はその勢いのまま蜘蛛の巣へ突っ込んでしまった。


「くそっ・・・!!」


 創太は手足を動かし抜け出そうともがくが、余計に蜘蛛の糸が絡まり身動きが取れなくなっていた。バケモノはその様子を見ながらゆっくりと獲物を仕留める為に近づいてきた。そして創太の目の前にやって来た。


「よし。」

  

 創太はそう呟くと、自分の体に絡まっていた糸を引きちぎりバケモノの脚を掴んだ。


「やっと捕まえた。」


 創太はバケモノを掴んだまま飛び降りるとバケモノを地面に叩きつけた。


「----------ッ!!」


 バケモノは悲鳴のような声を上げ、地面に伏した。創太は起き上がると助走距離をとって、構えた。


「これでトドメだ。」


 どうすればトドメを刺せるのかを創太は何故か知っていた。創太は左足に意識を集中して、力を溜めた。すると左足が赤く光りはじめた。そして助走を始めると地面を強く蹴り出し、バケモノの上へ大きくジャンプした。ヒーローの必殺技といったらコレだ!と言わんばかりに左足を思い切り下へ突き出した。


「ったああああああ!!」


 大きな叫び声とともにバケモノに向かって突撃した。

 ドゴオォォッ!!

 創太の蹴りがバケモノに突き刺さると蹴りが入った箇所からバケモノの体に亀裂が走り、パアアンとバケモノの体が霧散した。


「・・・やった。倒したんだ。」


 創太は初戦闘での初勝利を噛み締めていた。


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