表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輝鋼の英雄伝  作者: 銀蛇
1/1

輝鋼の英雄伝 〜序章〜

昔、大陸大小国家が乱立していたいた頃。

一つの国た産声をあげた。

その国は瞬く間に周囲の国を飲み込み大国と化した。

名をリグルレイド帝国。

帝国は大陸をある程度制覇した後、外界までにその手を、貧欲に伸ばそうとした。

だが帝国の快進撃はここで止まることになる。

何故か。それはたった一世で小国を大国にまで育て上げた初代国王が病死したのだ。

呆気ない死だった。疫病にかかり無敵と謳われた帝王は簡単に死んでしまったのだ。

二代目になった国王はすぐさま戦争を締結させた。

外界にはニンゲン族以外の種族が沢山おり、今の戦術では勝てなかったのだ。

こうして帝国の快進撃は終わりを告げ、大陸に平和が訪れた。

それから200年後、国王も6代目になり帝国は軍事大国として名を馳せていた。


帝国が誇る巨大な都の東側、軍部管轄下にある生物研究施設。

陽が落ちて、空が闇に包まれて星々が輝いている夜。

静寂と暗闇が支配している世界に反旗を翻すような赤があたりを染め上げる。


壁は黒焦げ周りには焼き落ちた建材がおちている。

瓦礫や角材があちらそちらに落ちている。これならまだこの施設からの脱出はまだ容易であるが

もう一つ障害がある。それは何かと言うとこの施設が生物研究施設ということだ。


軍は魔導機械と魔物を混ぜ合わせた機甲生物というものを開発しており、

それが研究施設が大爆発したことに乗じて大量の機甲生物が逃げ出しているのだ。

真っ赤な炎と研究中の機甲生物。二つの脅威が逃走者に襲い掛かる。


今、瓦礫の影に隠れている存在に気付き一体の黒い犬に似た機甲生物が向こうの方を警戒する。

黒犬は歯を剥き出して低い声で唸りながらゆっくり、ゆっくりと。

瓦礫の向こうにいる未知の存在に対し重い足取りで一歩、一歩、確実に近づいてゆく。


すると突然、瓦礫の奥にいた存在が飛び出してきた。

黒犬は虚をつかれて僅かに反応が遅れてしまった。

飛び出してきた存在は黒犬の柔らかい部分、首元目掛けて斬りかかる。


黒犬が臨戦態勢をとった時にはもう遅かった。

黒犬の首は宙へ舞い、司令塔を失った身体は横へゆっくりと倒れこむ。

瓦礫の向こうにいた存在。それは軍服を着た青年だった。

藍の短髪に黒で固めた軍服。腰には髪と同じ色合いの藍い鞘、右手には緑を基調とした剣は青い血で濡れている。


殺したのを確認する為、首がない黒犬の死体の腹に剣を突き刺す。速く振り下ろすと服に青い血が飛んでくるのでゆっくりと突き刺し、腸を掻き混ぜる様に斬ってゆく。暫くの間斬っていると悲鳴が聞こえた。悲鳴が聞こえた位置からしてここからでもそう遠くない。

青年は逃げるついで悲鳴をあげた主助けに行く事にし、小走りで向かった。


現場に駆けつけると、三匹の黒犬がこれまた黒い髪の少女を囲んでいる。

青年は走りながら右手で抜剣し、それど同時に左手を体の前に構え、魔法を唱える。


「風よ。我が腕に集い彼の者を吹き飛ばせ。風圧弾〈ウィンドバレット〉!」


左腕に緑色の円形魔方陣が四つ形成され手のひらに集まり、風が打ち出される。

打ち出された風は真っ直ぐ飛んで行き、少女に咬みつこうと口を開けていた黒犬に命中する。

一匹に被弾し、後ろにいた二匹は巻添えを食らい三匹まとめて壁に激突する。


立ち上がろうと黒犬達は手足をバタバタ動かすが、互いに手足がぶつかり合い上手く立てない。

そして天井から瓦礫が落ちてきて、黒犬達は圧死する。


「大丈夫ですか?」


青年は少女に問い掛けた。これが二人の出会いである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ