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「この状況は・・・なんとなく分かった。」
全校生徒が集まっている入学式をピンポイントに狙った犯行ということは、顔が特定されていない。
または、ターゲットの警護が薄れる学園内を狙ったのか。
まだハッキリしないが多分・・・俺が原因なのだろう。
「おい!!お前は何者だ!!」
「・・・遅刻してきた新1年生で~す。」
ちょっと顔が引きつっている。
だって仕方ないじゃん!
銃とか向いているんだもん。
怖いじゃん!ちょ~怖い!
流石に不死身でも痛いのは嫌だ。
「そうか。なら名前を言え!」
「え~っと・・・ケンです。」
「何っ!?フルネームを言え!」
「フ、フルネーム・・・ジェラード・ケン・Aで~す。」
ケンがフルネームを言った途端、武装集団だけでなく生徒、教師達もざわめきだした。
ちょっとイライラするな。
俺の名前に文句あんのか。
腹ただしい気持ちを抑え、何を話しているのか聞く。
「俺の名前がどうかしましたか。」
そうすると武装集団のリーダー格だろう男が微笑みながら壇上から降りてくる。
「僕達は、君のことを探していたんだよ。目的はわかるだろう?」
「まぁ・・・心当たりわ。」
「なら話はわかるだろ?一緒に来てくれ。」
・・・こいつ。
口では紳士のようだが中身はクズだな。
こいつの後ろに打たれた女の子もいる。
それに見たことあるお姫様たちも見れる。
てか服を脱ごうとしていた女の子も魔力が高いな。
でも、あの銃・・・
《対異種生物魔力分解弾》
人間には無害だが魔力を持ったものには反応し、魔力を分解するのだ。
問題なのが体内に魔力を宿しているのだが人間以外だということだ。
細胞1つ1つが魔力を宿しているのだ。
もし被弾したら魔力は分解され・・・貫通される。
だから人間以外には、天敵と言ってもおかしくない。
唯一、魔力をもたない人間にとって多種に勝てる武器なのだ。
めんどくせぇもん持ちやがって。
「・・・条件があります。ゲームをしましょう。」
「ゲーム?」
「そうゲームです。賭けるものは、僕です。」
武装集団は、笑い始める。
「賭けるのは、自分?頭おかしいの?僕からしたらそこの生徒さんを賭けたいをだけど。」
「なんでです?」
「だってその方が楽しいじゃないですか。生徒たちは、次は自分かもしれないと怯えながらこう思うんです。『あの王様がいなければ』ってね。」
「・・・今なんて言った・・・」
・・・こいつは、地雷を踏んだ。
ケンにとって一番大切なもの。
それは、国民だ。
こいつ・・・イカれてる。
「今・・・なんて言った・・・」
「だ・か・ら。賭けるのは、生徒にしましょう。」
「・・・お前・・・俺がだれだか分かって言ってるのか。」
「わかりますよ~。」
男は、不気味な笑みを浮かべながら言う。
「ユピタル大国、新国王。ジェラード・ケン・A」
「どこでその情報が流れた。」
「それは、ひ・み・つ♪」
はぁ~ばれた。
ばれた。ばれた。ばれた。
もう、終わったじゃん、俺の平凡life。
だったらもう、王様スイッチ入っちゃうよ。
「困ったものだ。学園生には気づかれたくなかったんだけどな。」
人質達は、ざわめき出す。
「さっき言ってたのは、ホントだったんだ!」
などと言い出す。
やっぱり生徒は、こいつらに教えられていたか。
「それよりゲームの話をしよう。」
「いいですよ。でも賭けるのは、生徒達の皆さんでいいですか?」
「お前、馬鹿なの?賭けるって言っても要らないだろ。」
「?何を言ってるんです?」
「だから必要ないの!」
ケンは、微笑みながら小声で
「お前らの負けだから」
と言いながら、拍手をする。
ただ、手と手で大きな音を立てるだけ。
「今から1cmでもその場から動いたら負けな。」
「は?」
男が何を言っているのか分からないというふうに首を傾げる。
その瞬間、ケンを中心に風が吹き出す。
そして突風は、武装集団にぶつかるそして壁に叩きつける。
だが、終わらない。
壁に叩きつけられてなお、壁に埋め込められていく。
そして壁に5cmほど埋まると風は、止まった。
「化石みたいで面白いぞ、キザ男。」
微笑みながら壇上に足を向ける。
「皆さん、ゴメンなさい。俺のせいで怖い思いをさせました。」
ペコリとお辞儀をした。
そして壇上に上る。
「お嬢さん方」
壇上で傷ついていたり、服が乱れている女の子たちの前に立つ。
「まずは、あなたからだ。」
赤く染まっている肩に触る。
「今から直しますね。」
肩に手を添える。
回復魔法を使いたいが、生憎ない。
だから・・・
ケンは自分の指を噛み、血をだす。
そして彼女の腕に塗る。
「ゴメンなさい。不快かもしれませんが、我慢を。」
「え、いえ大丈夫です。」
「ありがとうございます。僕の代わりに生徒の皆のことを守ろうとしてくれて。」
自分にできる最高の笑顔を見せる、ケン。
手当されている女の子の他にもそれを見ていた女子は皆、頬を朱に染める。
「はい、終わり。」
「え、あっ治ってる!」
よっぽど驚いたのか何度も傷口があった所を触る。
「簡単ですよ。魔力を分解されたんだったら、消えた分の魔力をおいてやればいいんです。」
「ん、なるほど・・・」
普通の常識を遥かに越えた方法で直したのだから、驚いても無理はない。
だけど・・・
「この方法は、僕しかできないみたいだから、真似しないほうがいいよ。」
「そ、そうですか・・・」
ちょっとションボリしている彼女を見て、可愛いと思ってしまった。
小動物みたいだなと思いながらも次の女の子の前に行く。
「嫁入り前のレディがむやみに肌を見せてはダメですよ。」
ケンはそう言うと指を鳴らした。
すると壇上にいる女の子5人の服装が変わる。
いや、変わるのではなく、被さっていくという方が正しいか。
「これは、いったい?!」
「なんでドレス姿なんだ?」
「これは、幻術ですよ。」
「幻術?!でも触れるけど。」
「簡単ですよ。」
壇上を降りながら微笑む。
そして縛られている教師達の縄を解きに行く。
「幻術は、魅せるだけではないんです。0を1に見せるんじゃない。0を1にするんです。まぁ現代でできるの人は、僕含めて10人もいなんですけどね。」
口をあんぐりさせる彼女たちを見ながら笑う。
「今度からは、最初から最後まで守りきりますから。」