その1
青い空、白い雲、山、神社、大学。私の住む町にあるのはそれくらいです。街の半分くらいを大学が占めています。私はこの町が、大好きです。
私は朝の町を歩いていました。これから学校に向かいます。今日も晴れていて気持ちがいいです。
「真子!おはよー!」
「あ、おはよ。」
途中で友達に会いました。彼女とは小学校から高校までずっと一緒です。
「最近さー毎日代わり映えしないよねぇなんかないかなぁ。」
この友達はいつも代わり映えを求めています。私はこんな平凡な毎日が好きなので別にいいのですけれど。
「てかさー、真子さん。」
「なに?」
「今度の演劇部公演でます?」
そうでした、私、演劇部に所属しているんです。
「えーっと、どうしよう。」
「どうしようじゃないよー、そろそろ舞台に立ちましょうよー。」
私は演劇部に所属はしているもののいわゆるスタッフというものでして、舞台に立ったことはないのです。元はといえばスタッフでもいいから入ってと言われたのであって、私が舞台に立つことはないのでは……と思っています。
「理沙がスタッフでいいから入ってと言ったから入ったのであって……舞台に立つのはまた違うと思うのですよ。」
この友達は理沙といいます。
「えー、だって登場人物いっぱいの劇やりたいんよ。」
「そう言われましても……」
そんな話をしていると学校につきました。私の家から高校まで歩いて20分ほどです。自転車通学もできますが、私は自転車に乗るのがすこぶる下手くそなので親に止められて私は徒歩で通っているのです。
「あ、おはよー!」
理沙は友達が多いので朝からおはようが止まりません。朝から元気です。挨拶を交わしながら行くと教室につきました。私と理沙は違うクラスなのでここでお別れです。
「あ、真子。今日辞書忘れた!後で借りに行っていい?」
「えーと、私2時間目使うからその後なら。」
「大丈夫だ、問題ない!後で借りに行くねー。」
辞書の貸出の約束を取り付けられてから私は教室に入りました。今日も平凡な生活がはじまります。