ウェンの大地の独自設定
私の考えた〈ウェンの大地〉の独自設定です。
項目表記のかっこは、以下の通りです。
〈〉…フィールド、ダンジョン、街、村、建物の名称
『』…クエスト名
平成28年10月8日、加筆しました。
なお、〈六傾姫〉の“五姫”という表記については、にゃあ様に快く使用許可を戴きました。
にゃあ様、ありがとうございます。
平成28年10月17日、加筆・修正しました。
平成28年10月20日、加筆・修正しました。
平成28年10月29日、加筆・修正しました。
平成28年10月30日、加筆・修正しました。
にゃあ様の提案を受け、平成28年11月3日に加筆・修正しました。
平成29年1月1日、加筆・修正しました。
〈竜の渓谷〉
【※現実世界でのグランド・キャニオンの辺りに相当する】
〈ウェンの大地〉にある竜の生息地の一つ。
〈竜の渓谷〉には、渓谷の底を流れる〈朱の川〉と幾つかの支流が流れていて…〈竜の渓谷〉周辺の村や町に住んでいる〈大地人〉達は、この川の水を生活用水として利用している。
しかし…〈竜の渓谷〉は、数多くの竜の生息する危険地帯な為、貴重な川の水を汲みに行くだけでも命懸けという状況。
但し、何世代にも渡り〈竜の都〉に定住してきた〈大地人〉達は〈竜の渓谷〉の竜達の事を信頼し、尚且つ竜達の住処を決して侵さない事をきちんと守りながら水汲みをしている。それは、〈竜の都〉の〈大地人〉達が長年の経験で、竜達の住処に侵入しなければ絶対に襲われない事を知っている為である。
〈竜の渓谷〉全域に生息する竜は、比較的弱いノーマルランク種からレベル80オーバーのレイドランク種まで…幅広いレベル帯で分布していて、〈竜達の楽園〉ゾーン近辺がほぼレイドランクの竜達の生息域。
高レベルのパーティーランクやレイドランクの竜(※かなり長い歳月を生きた個体の事を指す)達は高い知能があり、中には〈古代竜〉の様に人型を取れるものもいる(※人型を取れる竜達の八割が〈古代竜〉と同種)。
竜系の素材アイテムを手に入れるにはもってこいな場所だが…生半可な装備で挑めば、痛い目に遭うので要注意。
〈竜達の楽園〉
【※現実世界でのコロラド高原の辺りに相当する】
フィールドレギオンレイド『古代竜への挑戦』の舞台となるゾーン。
キークエスト四つをクリアすると、ヴォーメット姿の〈古代竜〉が竜達を道代わりに配置し、その背を進んで辿り着いた先にあるのがこのゾーン。
尚、道代わりとなっている竜達は…この時は破壊不可能なオブジェクト扱いになる為、攻撃は一切効かないし攻撃もしてこない。
普段は、〈古代竜〉種達の住処となっていて…レイドボスである〈古代竜〉ヴォーメットを中心にコミュニティーが形成されているが…〈大災害〉以降の現在は、レイドボス〈古代竜〉のヴォーメットが長期不在中の為、側近のレグドラが〈古代竜〉達のコミュニティーをまとめ…率いている状態である。
昔から〈古代竜〉のコミュニティー内は、生まれ持った属性ごとに分かれて集まっている状況。
それでも争わないのは、『持つ属性こそ違えど…同じ〈古代竜〉である』と思っているが故。
ごくたまに、コミュニティー内から傲慢で驕った考え方の〈古代竜〉が現れる事があるが…大抵は、全属性を生まれ持つ王者ヴォーメットや側近レグドラのどちらかに敗北して制圧されるか、“ハグレ”と呼ばれる…群れから追い出され、独りさ迷う存在になるかのどちらかである。
『古代竜への挑戦』
四つのキークエストをクリアした後、ヴォーメットに話し掛けると『お主ら、〈竜の渓谷〉最強の竜と戦ってみたくはないかな?』という科白と共にレギオンレイドに挑戦するかどうかを問われる。
Yesを選択すると、『ワシの後をついてくるといい』という科白と共に移動を開始し、〈古代竜〉達が作った道(※〈古代竜〉達の背中)を進みながら〈竜達の楽園〉を目指す事になる。
〈竜達の楽園〉に辿り着くと〈古代竜〉達は一斉に飛び去っていき、到着地点の地面にヴォーメットが復活ポイントとなる魔法陣(※古代アルヴの秘術の一つ)を設置するので…〈古代竜〉との戦闘に勝利するか〈帰還呪文〉を使用しない限りは、必ずこの魔法陣の上で復活する事になる(※復活ポイントが自動的に魔法陣に書き換えられる為)。
〈古代竜〉は物理・魔法耐性が高く設定されている為、〈特技〉は最低でも〈中伝〉の階級までに高めておく必要がある(※〈会得〉や〈初伝〉の階級では、〈古代竜〉のHPをまともに削れない為)。
なお、勝利条件は〈古代竜〉のHPを最大値の5%まで減らす事だが…この状態に到達するまでが、なかなかに難しく…大抵は何回も全滅を繰り返して回復アイテムが無くなり、撤退を余儀なくされるのが現状である。
〈古代竜〉のドロップアイテムは一切無いが…クリアで得られる報酬は、様々な高性能の秘宝級や幻想級の装備やアイテム,〈秘伝〉の巻物等が入手出来る為、ハイリスクではあるものの…クリア報酬がとても魅力的な為に挑戦する者が後を絶たない。
また、特定条件を満たせば〈古代竜〉との契約も可能である。
『水晶竜の女帝』
〈竜の渓谷〉にある〈水晶の谷〉と呼ばれるクリスタル系ドラゴン達の住処であるフィールド・ゾーンで発生するレギオンレイド。トリガー式。
〈水晶の谷〉の最奥の〈水晶の女帝竜の王座〉と呼ばれるゾーンに、96人(※レギオンの人数)で足を踏み入れると発生する(※それ以外の人数では発生しない…つまり、女帝不在(笑))。
出現するレギオンレイドボス〈尖晶竜〉のヴィクトリアは、〈竜の渓谷〉に生息する竜達の中では〈古代竜〉のヴォーメットに次いで二番目の実力を持つ為、生半可な装備では全滅確定となる。
ちなみに…クリア出来たのは、日本が三ギルド(※内、一つは〈放蕩者の記録〉with夜櫻),北米が一ギルド,北欧が二ギルド,欧州が一ギルド,中国が三ギルド,ロシアが二ギルドという結果となっている。
後、ゲーム時代に北米サーバーでは〈古代竜〉ヴォーメットの事を《帝王》、〈尖晶竜〉ヴィクトリアの事を《女帝》と呼んでいた…という逸話がある。
『水晶谷の月命草』
北米サーバーに〈竜の都〉が導入された際に期間限定で〈竜の渓谷〉にある〈水晶の谷〉のフィールド・ゾーンで発生したタイムアタック形式のクエスト。トリガー式。
初代オルステン伯爵からの依頼で、〈竜の渓谷〉の〈水晶の谷〉に群生しているという〈月命草〉という素材アイテムを採取しに行くのが目的のクエスト。
前記に記載されている通り、“タイムアタック”の為…出来るだけ早く〈水晶の谷〉にある〈月光水晶の広場〉に群生する〈月命草〉を採取して戻って来るまでの時間を競う。
〈月命草〉は採取してから少しずつ“鮮度”が落ちる為、出来るだけ急いで依頼主に持っていく必要がある。
また、竜達と出来るだけ遭遇しないルートを素早く選択する判断力と遭遇した竜を素早く撃破するだけの戦闘力が要求される為、かなりシビアなクエストと言える。
その代わり、クエストクリア報酬は割りと高めな上に伯爵家との繋がりや街中で優遇される印章を入手出来る数少ないクエストでもある。
ちなみに…〈月光水晶の広場〉に群生する〈月命草〉は、かなり奥側にある月明かりが最も降り注ぐ〈月照らす丘〉の辺りのみに最上級のヒールポーションの材料にもなる〈銀月命草〉が生えている。
こちらを最高の状態で届けられた場合のみ、〈緋竜妃の印章〉という最高位の印章を授けて貰える。
その為には、竜との遭遇戦を五回以下に抑えた上に最短ルートを行く必要がある。
なお…このタイムアタッククエストを〈銀月命草〉を採取した上で最短のクリアを果たしたのは、日本サーバーの“とある”プレイヤーたった一人のみである。
出現するエネミーは、大体LV60〜80前後でノーマル〜パーティーランクのクリスタル系竜のみである。
『竜の墓守り』
〈竜の渓谷〉で一定の条件を満たす事で発生する突発型の単発フィールドレギオンレイド。トリガー式。
〈竜の渓谷〉の一角に…〈竜達の墓場〉と呼ばれるフィールド・ゾーンが存在する。
このフィールド・ゾーンには、〈常闇竜〉という─〈竜の渓谷〉では、たった五匹のみしか生息していない─竜が墓守りの様に〈竜達の墓場〉全体を監視している。
この〈常闇竜〉との単発フィールドレギオンレイドの発生条件は、〈竜達の墓場〉の最奥…〈竜魂の眠る丘陵〉の丘陵の頂上にある巨大な岩で出来た巨大な台座の上に丁寧に積み重ねられてきた状態で安置されている大量の〈竜の心臓結晶石〉という素材アイテムを…〈竜魂の眠る丘陵〉から持ち去ろうとする不届きな盗人達の前に〈常闇竜〉が立ち塞がる様に上空から出現し、舞い降りると同時にレギオンレイドが開始される様になっている。
ゲーム時代は、此処には様々な竜の亡骸や白骨化した遺骸が存在し、それらは“オブジェクト”扱いとされて触れる事も、採取する事も、破壊する事も出来なかったが…〈大災害〉以降は、これらに触れたり移動させたり出来る様になり…この亡骸や遺骸を損傷させたり、持ち去ろうとする者も攻撃対象と見なす様になった。
〈常闇竜〉は、〈紅き砂漠〉に出現するレイドボス〈混沌の狂気竜〉と同型のグラフィックが使用されていたが…攻撃手段や弱点属性,属性タイプ等が大きく異なる特徴を持っている。
なお、このレイドのクリア報酬は〈竜の心臓結晶石〉で…これは、強力な武器や防具を作成する際の素材アイテムとしてかなり重宝されている。
ちなみに…クリアしたのは、日本ならば〈D.D.D〉,〈放蕩者の記録〉,〈ハウリング〉,〈ナインテイル獣人冒険者連盟〉の四つのギルドのみ。
他のサーバーや北米(地元)では、1〜3の大手戦闘系ギルドのみ…という、かなり芳しくない結果となっている。
『属性竜達の咆哮』
〈竜の渓谷〉にある〈嵐の大地〉と呼ばれるフィールドゾーンで発生するフィールドレイド。トリガー式。
火炎,冷気,雷撃,光輝,邪毒,精神の六つの属性を各々持つ竜との連戦という…『ある意味、無理ゲーだー!!』と挑戦したプレイヤー達が揃って叫ぶ程の難易度。
なお、ゲーム時代に挑戦した日本サーバーのとある戦闘系ギルドの助っ人として参加した女エルフ〈武士〉が竜相手に無双したという逸話が残っている。
『生命を繋ぐ水』
〈竜の渓谷〉周辺の村や町に住む〈大地人〉からの依頼を受ける事で発生する護衛系クエスト。出現するモンスター(ドラゴン)は、全てノーマル〜パーティーランクのみ。
渓谷の底を流れる〈朱の川〉と幾つかの支流を〈竜の渓谷〉周辺に住む〈大地人〉達は、生活用水として利用している。
しかし、〈竜の渓谷〉は数多くの竜の生息する危険地帯な為、貴重な川の水を汲みに行くだけでも常に生命の危機に晒され、死と隣り合わせの…正に命懸けという状況である。
クエスト内容としては、〈竜の渓谷〉周辺にある村や町に住む〈大地人〉から『〈竜の渓谷〉へ川の水を汲みに行きたい。恐ろしい竜から守って欲しい』という依頼をされる。
依頼を引き受けると、依頼主と共に〈竜の渓谷〉へと向かう事になる。
川の水を汲みに行く前と汲んだ後の道中にノーマル〜パーティーランクのドラゴンとの戦闘が発生する。
さて、ここで忘れてはいけないが…“護衛系クエスト”である。
ドラゴンと戦闘すればするだけ、ドラゴン系素材アイテムが大量にドロップして入手出来る。
しかし…素材アイテム入手の為にドラゴンとの戦闘を優先すれば、護衛対象である〈大地人〉の死亡する確率が急上昇する。
そして、〈竜の渓谷〉を完全に脱出するまでに護衛対象を守り切れずに死なせてしまうと…ラストの〈竜の渓谷〉の出口付近に出現する、ノーマルやパーティーランクでは最強のドラゴン─〈赤竜〉のステータスが四倍に跳ね上がり…たとえバランスが取れたパーティーだろうと、良い装備を身に着けていようと…確実に全滅の憂き目を見る。
さらに…〈赤竜〉との戦闘で敗北すると、折角入手したドラゴン系素材アイテムを必ず全て落とす仕様になっている。
つまり…『目先の利に捕らわれて、大事を疎かにする者はそれ相応の罰を受ける《死亡罰則を受ける上に、手に入れたドラゴン系素材アイテムを全て失う》』という訳である。
〈竜の都〉
◇地理◇
〈竜の渓谷〉に程近い位置にある〈大地人〉の都市(〈竜の都〉の北の方角が〈竜の渓谷〉に面している)。
都市の周辺(※〈竜の渓谷〉のある北側は除く)は豊かな自然の緑があり、季節毎に風に乗って花の香りが都市内に運ばれてくる。
◇都市の規模◇
大都市と呼んでも差し支えない程。
◇人口◇
約700〜800人前後。
《人口振り分け》
約450〜500人=〈大地人〉(※竜達との混血児を含む)
約170人=竜達が人型を取ったもの(※ステータス表記が〈大地人〉のものになっている為、パッと見でも判らない)。
約100人前後=〈冒険者〉(個人やギルド単位を合わせて)
◇気候◇
温暖で、比較的過ごしやすい気候。
その為、〈大地人〉の服装は薄過ぎず厚過ぎずのその中間位の服装。
◇都市の景観◇
街並みは綺麗に整備されていて、都市の大通りには〈大災害〉初期から住み着いた〈冒険者〉力作の乗り合い馬車が定期的に走っている。
建物は、純白色で石造りの洋風建築。区画整備がきちんとされているので、建物は道に沿って綺麗に並んでいる。
高所にも建物が建てられている(長崎の高所に建てられて住宅地を思い浮かべてもらえれば良い)。
◇都市の主な重要施設◇
〈竜の渓谷〉に面する北側区画…〈幻竜神殿〉と祭壇,元〈冒険者〉用の宿場街・商店街・職人街(※〈大災害〉以降の現在は、街の外部からやって来た〈大地人〉や〈冒険者〉が休息を取る為の宿泊施設の管理・維持と少数の飲食店と商店の経営する〈大地人〉達を除いて…大半は他の地区や周辺の村や町へと散り散りに移住してしまっている為、ほぼ廃都の様な状態。なお、街中の大通り等の環境整備は必要最小限しかされていないので…街中の通りのあちこちが埃っぽくなってしまっている。ちなみに…復活ポイントの更新は〈幻竜神殿〉から、この廃都までの範囲),少し離れて〈幻竜神殿〉関係者の神官や巫女用の住居区
東側区画…〈ギルド会館〉の銀行と金庫のみの役割を担う〈ギルド会館支部〉や〈冒険者〉と〈大地人〉が協力して立ち上げた病院や主要商業施設,工房,自警団〈竜戦士団〉の本部兼会議場
西側区画…クロード=オルステン伯爵家の邸宅や〈竜戦士団〉の幹部〈冒険者〉や竜達用の住居,〈古来種〉アンジェラの療養用の住居等が建ち並ぶ高所の住宅街,高所住宅街の麓は〈冒険者〉用の住宅街
南側区画…定期的に開催される市場や都市外からやって来た〈大地人〉交易商人用の宿場街や酒場街
中央区画…〈大地人〉用の住宅街,〈冒険者〉や〈大地人〉の〈料理人〉達が自慢の料理を振る舞うレストランや喫茶店等の食事処,〈大地人〉商人の屋台商店,街の中心部辺りに荘厳な造りの時計塔が建っている
◇治安◇
元々から治安は良い。
〈大災害〉直後の時も〈竜の都〉で〈大災害〉に巻き込まれ、悲観する〈冒険者〉達に親身になって面倒を見る事が出来る位には良い状態だった。
自警団〈竜戦士団〉の前身である自警隊は、〈大地人〉達から受けた親身な世話への恩返しとして〈冒険者〉達なりに考えて都市の治安維持を自主的に行っていた事が始まり。
〈大災害〉以降も、プレイヤータウンから流れてきた…比較的良心的な〈冒険者〉達が少しずつ定住する様になった。
現在は、人型を取った竜達と〈冒険者〉達や〈大地人〉達の有志で結成した自警団〈竜戦士団〉が都市とその周辺の巡回警備を行っている。
◇自警団〈竜戦士団〉◇
元は、〈冒険者〉が恩返しを兼ねて自主的に治安維持に貢献する為に始めた。
現在は、第1〜10分団の…10の分団に分かれている。
一つの分団に分団長,副分団長が必ず一人ずつ任命されている。
〈竜戦士団〉の組織内の地位は、上から順に…総司令、副総司令《エンシェントドラゴン》、自警団長《サファイアドラゴン》、自警副団長、分団長《全10名》、副分団長《全10名》、分隊長(一つの分団に二人)、副分隊長(一つの分団に二人)となっている。なお、分団長以下は竜,〈冒険者〉は関係なく…実力と指揮官としての資質を鑑みて選出されている。
毎日、半数の分隊が〈竜の都〉の内側を警邏・巡回し、残り半数の分隊が〈竜の都〉近郊や農作地,牧草地,放牧地等…街の外側を巡回警備している。内側と外側の担当は、毎回交互に交代している。
所属人数は、約250人程。全体の三分の一が〈冒険者〉,三分の一が人型を取った竜,残りの三分の一が竜との混血の〈大地人〉という割合。
◇オルステン伯爵家◇
当主…クロード=オルステン
〈竜の都〉の領主。領民や部下思いの良き領主。臣下や領民達から慕われている。
妻…シンシア=オルステン
クロード伯爵の妻。夫を支える良妻。伯爵家に仕える者達を良く纏め、また彼らを気遣える心優しさを持つ。
子…長男アレン=オルステン
長女セレナード=オルステン
次男ゼノン=オルステン
次女ミルティア=オルステン
クロード伯爵の子供達。領民に慕われる父親を見習い、全員領民を思いやれる心優しい性格に育っている。
〈幻竜神殿〉
〈竜達の楽園〉に鎮座する〈古代竜〉を奉った神殿。
〈幻竜神殿〉の景観は、古代ヨーロッパにあった様な白亜の神殿風。
〈冒険者〉が復活する為の石室には、〈古代竜〉〈緋尖晶竜〉〈常闇竜〉〈蒼穹の瑠璃竜〉の四体の石像が…石室内に複数並ぶ台座で眠る者達の眠りを、まるで見守る様に佇んでいる。
その四体の石像の眼差しは、深い慈愛に満ちていて…どこか安心感を与える。
ちなみに…東側に〈蒼穹の瑠璃竜〉の石像、西側に〈古代竜〉の石像、南側に〈緋尖晶竜〉の石像、北側に〈常闇竜〉の石像という配置になっている(※南側に出入口がある)。
〈竜の渓谷〉に生息する竜達とは共存関係にあり、〈古代竜〉と竜達が周辺のモンスターを追い払ってくれる為(※最初の頃〈古代竜〉と竜達は、ただ自分達の縄張りを荒らすモンスター達を蹴散らしていただけ)、〈竜の都〉の〈大地人〉や〈幻竜神殿〉に務める神官達は定期的に〈幻竜神殿〉に収穫した野菜や果物,狩ってきた動物の肉を感謝の意を込めて祭壇に供物として献じて…日々、安心して過ごせる事を感謝しながら祈りを捧げている。
実は、〈大神殿〉としての役割も果たし…ゲーム時代〈竜の渓谷〉に狩りに行く際に、この神殿のある〈竜の都〉に立ち寄る〈冒険者〉の姿がよく見られた。
現在も〈大神殿〉としての役割は健在で、〈大災害〉以降に〈ビッグアップル〉や〈サウスエンジェル〉から流れ着いてきた〈冒険者〉達が〈復活ポイント〉の書き換えを行う為に立ち寄る姿が何度も目撃されている。
〈帰らずの森〉
〈竜の都〉から南西の方角へと2000Km行った先にある鬱蒼と繁った森。
この森へと立ち入った〈大地人〉が誰一人たりとも“生きて”帰ってこなかった事で、こう呼ばれている
森の内部では、〈動く死体〉,〈腐食鬼〉,〈動く骸骨〉,〈下級吸血鬼〉等の不死系モンスターが常時徘徊している。
また、森の最奥には朽ち果てた城だったモノがあり、〈首無し騎士〉,〈常闇の死霊騎士〉,〈動く骸骨騎士〉,〈死霊魔道士〉等の不死系モンスターが出現する一種のダンジョンと化している。
『不死王の葬送行進』
〈帰らずの森〉を起点に発生するフィールド・レギオンレイド。トリガー式。
〈帰らずの森〉で発生するクエスト『不死者の怨念』をクエスト失敗及びクエストを放棄する事がトリガーとなる。
発生すると、〈腐乱竜〉一頭と〈動く死体〉,〈腐食鬼〉,〈動く骸骨〉,〈下級吸血鬼〉等の不死系の軍団を従えたレイドボス〈混沌の不死王〉が北東方向に向けて進軍する。
進行経路に〈竜の都〉がある為、必然的に〈竜の都〉を防衛する必要性が発生する事になる。
分類的には、レギオンレイドだが…レイドボスの〈混沌の不死王〉のレイドランクは2。ダブルレイド(48人)相当の強さでしかない。
これは、〈竜の都〉防衛戦に24人,〈腐乱竜〉(※レイドランク1相当)の進軍を食い止めるのに24人の人員を割く必要がある為である。
なお、〈竜の都〉防衛戦には〈聖竜姫騎士〉のアンジェラ,〈腐乱竜)〉との戦闘には〈聖竜騎士〉のセフィードの…〈古来種〉二名が各々参戦するので、戦闘での負担は比較的少ない。
その代わり、レイドボス〈混沌の不死王〉との戦闘を担当するチームの負担が大きい為、〈混沌の不死王〉を相手する場合は必ず精鋭のメンバーをぶつけるのがセオリーとなっている。
レイドボス〈混沌の不死王〉の解説文には、『かつて〈ウェンの大地〉で栄華を誇ったアルヴ族の王の成れの果て。アルヴ族を滅亡へと導いた者達への深き怨みを晴らす為と、〈六傾姫〉の五姫であり…自らの愛娘でもある姫の魂の行方を追い求めてに不死王となった』と書かれている。
〈ケンブリッジ魔法学術都市〉
【※現実世界のハーバード大学の敷地一帯辺りに相当する】
魔法を応用した技術の開発・研究を行う学術都市。
ウェンの大地の魔法学者や魔法研究者等が集まり、日々魔法技術の開発・研究に明け暮れている〈魔法学研究所〉やマジックアイテム等を作製する職人達が集まる〈魔法品生産街〉等がある。
また、〈宝珠職人〉等の幾つかの生産系サブ職業への転職クエストが受けられるのも特徴である。
『混沌王との攻防戦線』
15年前、〈エルダー・テイル〉開始五周年記念キャンペーンとして北米サーバーに導入された〈ウェンの大地〉にある〈紅き砂漠〉を舞台にした〈世界共通100人規模戦闘〉。
五周年記念キャンペーンで導入されたレギオンレイドであり、〈赤枝の騎士団〉のエリアス=ハックブレードを始めとする各サーバーの有名どころの〈古来種〉達と共闘してレギオンレイドに挑む…という夢の様な企画のレイドだった事も相まって、当時は様々なサーバーの…多くのプレイヤー達が殺到した。
また、レギオンレイドボス〈混沌の狂気竜〉との戦闘の際、各サーバーのプレイヤー達が自身のサーバーの〈古来種〉達をボスの猛攻から守りながらつつ、自身のサーバーの〈古来種〉達と協力しながらボスを攻撃するという光景がよく見られた。
なお、当時のレギオンレイドを最初にクリアした際…日本サーバーのエルフの女〈武士〉がレギオンレイドボスにラストアタックでトドメを刺したという逸話が残っている。
〈紅き砂漠〉
【※現実世界でのコロラド砂漠の辺りに相当する】
〈エルダー・テイル〉開始五周年記念キャンペーンレギオンレイドクエスト『混沌王との攻防戦線』を始めとした…大規模なレギオンやレイド、規模の大きなクエストやイベントの舞台となった広大に広がる砂漠地帯。
フィールドのその殆どが砂や岩だらけの砂漠であり、砂漠地帯の外側へ出れば〈朱の川〉(※現実世界のコロラド川を指す)の様な豊富な水源や豊かな自然が存在しているが…〈紅き砂漠〉では数少ない砂漠に定住する〈大地人〉達の街─〈癒しの大地の街〉は…ゲーム時代、〈紅き砂漠〉で活動する際の復活ポイントや消耗品の補給拠点として利用されてきた─や大小様々なオアシスのある場所にのみしか水源や自然があまり存在しない。
その為、飲み物がとても貴重な〈紅き砂漠〉内では…飲み物関連は軒並み通常の市場価格の2〜4倍の値段で販売されている。
また、砂漠地帯に自生する数少ない植物は多肉植物系の〈砂漠仙人掌〉(※仙人掌/覇王樹はサボテンの事)や〈砂漠水蘆薈〉,〈砂漠蜂蜜蘆薈〉が殆どで、砂漠地帯での貴重な水資源の一つとして重宝されてきた。
特に…〈砂漠蜂蜜蘆薈〉から採れる汁は、蜂蜜の様な強い甘みがあり…その汁を絞った〈砂漠蜂蜜蘆薈糖蜜〉や〈砂漠蜂蜜蘆薈糖蜜〉を固めて作った〈砂漠蜂蜜蘆薈飴〉等の甘味料、〈砂漠蜂蜜蘆薈〉の果肉を使った〈デザート・ハニーアロエパイ〉や〈デザート・ハニーアロエケーキ〉等の焼き菓子、〈砂漠蜂蜜蘆薈糖蜜〉を砂漠地帯で採れる数少ない果物の果汁と混ぜて作ったフルーツジュース等が〈紅き砂漠〉での名産の一つとなっている。
他には、〈砂漠水蘆薈〉は〈紅き砂漠〉のみで採取出来る中級の〈回復水薬〉の素材アイテムの一つとなる貴重な植物でもある。
出現するモンスターは、非アクティブ系では…砂漠地帯での移動手段として利用されている〈砂漠駱駝〉や〈砂漠騾馬〉,貴重な衣服の材料である毛糸が採れる〈砂漠羊〉、砂漠地帯での貴重なタンパク源となる〈砂漠鹿〉,〈砂跳魚〉,〈砂漠鳥〉,〈砂漠野牛〉、ゲーム時代に『砂漠地帯の癒し系』と呼ばれていた〈砂狐〉,〈砂猫〉,〈砂漠兎〉,〈砂小跳鼠〉,〈砂漠栗鼠〉,〈砂漠齬鼠〉、フィールドをのんびりと徘徊している〈砂漠陸亀〉や〈砂漠山羊〉が生息している。
アクティブ系では…〈砂漠蠍〉,〈砂漠亜竜〉,〈砂漠針鼠〉,〈砂漠歩行覇王樹〉,〈砂漠風船毒蛙〉,〈砂漠巨大牙亀〉,〈砂漠禿鷲〉,〈砂漠毒蝮〉で、ノーマルランクやパーティーランクとして出現する。
レギオンやレイドが発生すると…砂をまるで水中の様に移動しながら襲い掛かる〈砂漠鰐〉、八本の長い脚から繰り出される素早い連続攻撃や鋭い毒牙で攻撃してくる〈砂漠白脚高蜘蛛(デザート・ホワイトトールフット・スパイダー)〉、砂の死角から急所に目掛け角による奇襲攻撃を仕掛ける〈砂漠暗殺角土竜〉、巣の周囲に流砂を発生させて獲物を巣へと引きずり込む〈巨大蟻地獄〉、遠距離から棘を飛ばす射撃攻撃や太い枝の打撃攻撃,細枝や棘から繰り出す刺突攻撃等のバリエーション豊かな攻撃を仕掛けてくる〈砂漠棘歩行樹〉、〈砂漠女王蟻〉を中心に…〈砂漠近衛蟻〉,〈砂漠羽蟻〉,〈砂漠労働蟻〉,〈砂漠兵隊蟻〉が集団で連携しながら襲ってくる〈砂漠蟻〉種、バインド系や混乱系の状態異常を発生させる〈砂嵐の咆哮〉や広範囲の敵を吹き飛ばしながら薙ぎ払う〈砂嵐の息〉等の強力な威力と広範囲の攻撃で〈冒険者〉を苦しめる〈砂大地竜〉等が出現する様になる。
『強欲の醜豚鬼王』
〈険しき岩石山脈〉(※現実世界のロッキー山脈の辺りを指す)を起点に発生するレイドクエスト。トリガー式。
〈険しき岩石山脈〉の近隣で定期的に発生する時限式クエスト『醜豚鬼達の略奪』が“ある一定の回数発生する”という条件を満たす事を引き金として発生する。
〈険しき岩石山脈〉の中腹辺りには〈醜豚鬼〉の生息圏が存在し、普段の〈醜豚鬼〉は〈険しき岩石山脈〉で僅かに採れる食糧で生活している。
しかし、レイドクエストが発生すると〈朱の川〉を始めとする…〈黄色石の川〉や〈大蛇の川〉からなる15の河川のいずれかの川沿いに沿ってランダムで麓へと降り、〈大地人〉の村や町へ向けて進行する。
進行が始まると…進路上に存在する村や町は、略奪の限りを尽くされ…繁殖用の奴隷とする年若い女性を除き、住人は全て皆殺しにされる。
しかし…〈大災害〉以前には見られなかった行動として、〈険しき岩石山脈〉に大規模な城塞を築き上げ、そこに強大な〈醜豚鬼〉達の帝国を作り上げた上で各地に〈醜豚鬼〉の精鋭で結成された略奪部隊を送り込む…というゲーム時代(今まで)には考えられない様な異常行動を行う事が報告されている。
普段の〈醜豚鬼〉は、レベル20に達した〈冒険者〉なら誰でも簡単に狩れる程に弱いが…このレイドクエストが発生すると、〈上位種醜豚鬼の兵隊〉,〈醜豚鬼の将軍〉,〈醜豚鬼の弓兵〉,〈醜豚鬼の大盾兵〉,〈醜豚鬼の呪術師〉,〈醜豚鬼の詠唱師〉,〈醜豚鬼の狼騎兵〉等の強力な個体が〈険しき岩石山脈〉近隣に出現する様になる。
また、クエスト名にもなっているレイドボス〈強欲の醜豚鬼王〉は…〈醜豚鬼の将軍〉や〈醜豚鬼の精鋭兵〉を常時傍に従えている為、討伐はかなりの困難を極める。
但し…〈強欲の醜豚鬼王〉は、事前に〈険しき岩石山脈〉にある〈醜豚鬼〉達の住処にいる強力な個体のみを予め間引いておけば、ハーフレイドランクにまで弱体化させる事が出来る。
しかし…弱体化する事で、ドロップ品やクエストクリア報酬で得られるアイテムのランクもダウンする為…ゲーム時代、わざわざレイドボスを弱体化させる様なマネはせずに中堅レベル以上になったプレイヤーが挑戦するのが半ば常識と化していた。
〈醜豚鬼〉の解説文には…『〈醜豚鬼〉は、豚の頭を持った亜人間。常に5〜10体単位の集団で行動する。種としては、雄しかおらず…繁殖の際は、他種族(人間,エルフ,ドワーフ等)の女性を連れ拐って繁殖用の奴隷とする。絶倫と言える強烈な性欲を持っているのも特徴』と、書かれており…ゲーム時代に〈険しき岩石山脈〉近隣で発生していた〈醜豚鬼〉関連のクエストは、依頼主の〈大地人〉から『〈醜豚鬼〉に連れ拐われた○○(※娘,妻,姉妹等…ほぼ年若い女性)を助けてくれ』と頼まれる事が多かった。
〈大災害〉─〈ウェンの大地〉では〈悪夢の五月〉と呼ばれている。ちなみに、〈6.01食料暴動〉は〈血濡れの六月〉と呼ばれている─以降…〈大地人〉の女性だけでなく低レベルの女性〈冒険者〉も連れ拐われ、繁殖用の奴隷として〈醜豚鬼〉達に捕らわれている…という噂が囁かれているらしい。